CtoC市場参入の切り口は新規ユーザーへの認知。国内CtoC(個人間取引)市場調査結果

ECのミカタ編集部

株式会社矢野経済研究所(本社:東京都中野区/代表:水越孝)は、2018~2019年における国内CtoC市場を調査し、現況、参入企業の動向、将来展望を明らかにした。

一部サービスの寡占が続くCtoC(個人間取引)市場

CtoCにおいては、フリマアプリなど各種CtoCサービスの普及による取引の利便性の向上や認知度の高まりから、物販、サービスの両分野別市場とも拡大が続いている。

特にサービス分野では、近年は民泊の注目度が高い。

昨今増加し続ける訪日外国人観光客による利用から、その認知度が高まり、エアビーアンドビーなど世界規模で事業を展開している事業者を中心に、国内CtoC市場規模も急拡大している。

国内の事業者もCtoCサービスを立ち上げ、市場へ参入を試みている状況にある。

また、取引対象商品・サービスや利用者層を限定した商品・サービス特化型のビジネスが見られるようになった。

商品、ジャンル問わず展開しているメルカリ、ココナラ等の総合型サービスが消費者に知られるようになり、CtoCサービスへの関心の高まりを受けていることが要因だ。

しかし、2018年以降、近年参入した小規模サービスが、物販・サービス分野ともに多数が撤退した。

市場の構造がいっそう大手物販・サービス企業に寡占される状況となりつつあり、2019年以降の市場も、上記の傾向は変わっていないようだ。

物販市場はメルカリ、サービス分野も、民泊サービスであればAirbnbなど、有力な大型サービスが売り上げを拡大し、市場を牽引する状況が続いている。

規制見送りは一時的

各種CtoC市場の成長に伴い、サービスの利用メリットやビジネスとしての将来性に注目が集まる一方で、サービス上での取引トラブル、また悪質なサービス利用なども社会的に認知されるようになり、規制あるいは問題発生の抑止を目的とした、法改正や法律適用議論も活発となっている。

2018年に法改正が実施され、特に近年拡大を続けていた民泊に対する実質上の個人オーナーに対する規制が行われた。

新法により、CtoCビジネスを利用する個人にも、特に出品者側ユーザーで資格登録などが求められるケースとなり、手軽に副収入を得られるこれまでのCtoCビジネスのメリットを覆す結果となった。

民泊オーナーの対応が進まなかった事や、行政側の要請により、違反した民泊への宿泊予約をCtoCビジネス事業者が強制的に取引をキャンセルにしたなどの混乱が生じたため、法改正の際は民泊市場は市場規模が初めて前年比で縮小したと推計されている。

現状、CtoC取引に参加する個人に対する規制議論は、悪質な取引の抑制を図ったもので、2019年夏時点では、民泊を除き、今後のCtoC市場参入事業者による努力を見て一旦は規制を見送る状況となっている。

しかし、今後のCtoC市場内では、現在の法改正にあわせ自主的な取引ルールの設定・管理といった自助努力が必要とされる。

CtoCビジネス事業者による悪質なユーザーの摘発、また、チケット不正転売禁止など、法規制による個人間取引メリットの喪失と、ひいてはCtoC市場自体の衰退を避けるうえで、将来的に規制は避けられないだろう。

今後のCtoC市場

物販分野の最大手サービス企業の「メルカリ」が、2019年6月期の決算もユーザー数及びプラットフォームの流通総額において引き続き二桁増を記録している状況からみて、国内CtoC市場は2018年も市場規模の拡大トレンドは変わらないとされている。

また、物販分野であれば殆どの商品分野で「メルカリ」、「ラクマ」、「ヤフオク!」の3サービス、民泊であれば「Airbnb」、スペースシェアであれば「スペースマーケット」といった分野ごとに独占的なプラットフォームが2~3種ほどに存在するなど、CtoC市場の寡占化が進んでいる。

CtoCビジネスは規模が大きくモノをいうビジネスであり、供給側、需要側とも参加するユーザーの獲得が大きなビジネスの基盤となることを表している。

今後の物販・サービス分野CtoC市場のポテンシャルとして、展開している企業側の見解として、若年者層ユーザーのCtoC市場参入は、ある程度進んだと考えられている。

年ごとの伸びは鈍化に向かうと考えられ、それに伴い、今後の有力企業のターゲットは、現在サービスを利用していない、また人口の多い中・高齢者層をターゲットとして市場の拡大を図る方針を打ち出している企業も増えてきた。

大手プレイヤーを中心に、各種小売業と共通の決済機能を導入するなどして、新たなユーザーの獲得を図るなど、これまでCtoC市場の中で進めてきた事業から一歩外に踏み出した形の事業が拡大していくと考えられる。


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