2020広がる『共感買い』 ストアーズ・ドット・ジェーピーが令和2年を展望する「2019年EC業界オーナー実態調査」を実施

ECのミカタ編集部

ストアーズ・ドット・ジェーピー社は2020年のEC市場を展望する上で「2019年EC業界オーナー実態調査」を実施し、その結果を公表した。ここではその概要についてポイントを絞って見て行く。

月10万円以上の副収入がある人も

月10万円以上の副収入がある人も

全国の副業経験者1000人を対象に意識調査によると「働き方改革」の一環で副業・兼業が昨年度に解禁され、副業を始める人が増加しているという。副業による月収入では、「10,000円未満」が49.1%とおよそ半数を占めており、次いで「10,000円以上∼30,000円未満」29.1%と続き、およそ8割の副業者が月3万円未満の副収入であることが明らかとなった。

また月10万円以上の副収入がある人の特徴として「インターネットメディア運営(広告収入)」「専門職(資格保有)」「投資・シェアビジネス」といった初期費用や時間が掛かる職種が多く、副業歴も5年または10年以上というベテランが該当していた。

趣味でECを始めた人の8割が月3万以上の売上げ

趣味でECを始めた人の8割が月3万以上の売上げ

ネットショップオーナーは年代別にみると4人に1人が30~39歳の男性であることが明らかとなった。男性オーナーは全体では過半数になるという。またネットショップ作成サービスを利用しているユーザーにネットショップを始めたきっかけについてアンケートを取ったところ、学校などで専門知識を学んだがあるユーザーは17.8%に留まり、58.3%が趣味の延長ではじめたことがわかった。

さらに全体の56.8%がネットショップ運営以外の仕事をしていると回答し、副業としてネットショップを運営しているユーザーが多く見受けられた。趣味の延長ではじめた人の約8割が月3万円以上の売上をあげており、特別なバックグラウンドがない人であってもネットショップの運営の難易度はそこまで高くないことが明らかとなったとしている。

カート型では50万円以上を売上げる店が25%超

カート型では50万円以上を売上げる店が25%超

2019年12月26日に公開されたストアーズ・ドット・ジェーピー調査の「2019EC業界オーナー実態調査」ではインターネット上のカート型はファン化しやすく、売上も高額になりやすいことが明らかになったという。

調査では50万円以上の売上があるオーナーは、モール型では16.8%であるのに対し、カート型ではなんと25%を上回る結果になったそうだ。同社ではカート型は独立型のサイトであるため価格競争に陥らず、さらに独自の世界観を表現できるため、顧客がファンとなりやすく、リピートしやすいと言えそうだとしている。

また販売商品に関してもカート型、モール型ともにハンドメイドのオリジナル商品が一番多いものの、カート型は国内既存製品のセレクトを取り扱うユーザーが70%、海外既存製品のセレクトを取り扱うユーザーが50%と、モール型に比べて非常に多い結果となった。

カート型のネットショップはカスタマイズが自由であるため、ネットショップを通して自己表現を行う(=自分の世界観にあった商品を取り扱う)ユーザーが多いと考えられるともしている。同じ商品であっても「その人のセンスや世界観が好きだから買う」といった共感消費に似た動きがあることも考えられそうだ。

広がる『共感買い』

調査に際して同社では次のようなコメントを出している。

「令和時代に入り、5月1日の日経MJでは令和時代の消費スタイルとして『共感消費』の特集が組まれるなど注目が集まっております。これまでの消費行動では、トレンドや見た目といったポイントが重視されていましたが、近年はそれだけではなく、”その商品の背景とか成り立ちに強く共感したかどうか”というのが大事なポイントとなっており、単に“新しい物であるから”ということや、食品に関しても“おいしいから”という理由だけではなく“なぜその商品を売るのか”、“どのような人がどのように作ったのか”、そうしたところまでを含めて共感してもらうことで、ようやく消費につながる、という傾向が顕著になってきています。さらに、近年では自分の好きなインフルエンサーのSNSを導線とした消費行動なども目立ってきております」

EC市場に留まらずショッピングにおける「共感」の重要性は高まっている。モノが溢れる中で、どのアイテムを選ぶかについて考える消費者が増えているとも言えるだろう。そのトレンドをつかむ上でもカート型ショップでのEC展開にはロイヤリティ醸成の上でも一定のアドバンテージがあるとの調査結果ともなったようだ。


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