最も購買行動につながるSNSはLINE次いでTwitter ジャストシステムが2019年のレポート総集編を公開

ECのミカタ編集部

株式会社ジャストシステムが運営する、マーケティングリサーチに関する情報サイト「Marketing Research Camp(マーケティング・リサーチ・キャンプ)」では、全国の17歳から69歳の男女1,100名を対象に『Eコマース&アプリコマース月次定点調査』を、2017年4月から毎月1回実施している。

今回、2019年1月から12月までの調査データをまとめて分析し直し、その内容を『Eコマース&アプリコマース月次定点調査 2019年総集編』 として公表した。ここではその概要についてポイントを絞って見て行く。

調査概要

[調査名]
『Eコマース&アプリコマース月次定点調査』

[調査期間]
2019年1月~2019年12月の間、毎月1回実施

[調査対象]
Fastaskのモニタのうち、17歳から19歳の男女50名ずつ、加えて20歳から69歳までを10歳ごとに、男女100名ずつ割り付けて回収(合計1,100名)。

[調査方法]
セルフ型ネットリサーチ Fastaskでのアンケート調査

ECアプリ利用最多はAmazon

ECアプリ利用最多はAmazon

以前はセキュリティ面などを考慮して「パソコン」から利用する人が多かったECも、現在では7割近くの人が「スマートフォン」から利用するようになった。その「スマートフォン」でのEC利用も、現在では約7割の人が「インターネット」からではなく、主に「アプリ」からと答えている。

最も多くの人に利用されているECアプリは「Amazon」で、「Amazonプライム会員」も、送料無料に加えて、「プライム・ビデオ」が追加になるなどの取り組みが奏功したのか、他の会員サービスに比べ、大きく会員数を伸ばしている。

「スマートフォン」はどこへでも持ち運べてメリットを享受しやすい分、消費者は当初、新しいサービスや方法にためらったとしても、実際に試して価値を感じることができれば、新規利用や切り替えを受け入れていくようだとしている。

またサービス提供会社も、消費者が満足する価値を提供し続けることができれば、競合サービスが伸び悩む環境下であっても、順調に伸長することは可能なようだ。

約半数がCtoCサービスを認知、3割に利用経験

約半数がCtoCサービスを認知、3割に利用経験

2019年12月度調査における「CtoCサービス(個人間商取引)」の認知率は51.4%※1、利用率は28.9%だった。2017年4月度調査では、認知率は46.3%、利用率は27.3%だった。CtoCサービスは、ゆるやかに認知率※1、利用率ともに増加していた。※1 「利用したことがある」「知っているが、利用したことはない」と答えた人の合計。

また「CtoCサービスを利用した経験がある」と答えた人の割合は、2017年4月度調査では27.3%、2019年12月度調査では28.9%と微増した。利用しているCtoCサービスを聞いたところ、2017年4月度調査では、CtoCサービス利用経験者のうち、「ヤフオク!」を挙げた人は49.7%、「メルカリ」は31.0%だった。

2018年8月頃から「ヤフオク!」と「メルカリ」の利用率は拮抗するようになり、2019年12月度調査では「ヤフオク!」の利用率は50.0%、「メルカリ」は52.5%と、「メルカリ」が「ヤフオク!」の利用率を上回るまでになった。

ECの利用デバイスはパソコンとスマホがならぶ

ECの利用デバイスはパソコンとスマホがならぶ

2019年12月度調査において、EC利用は「パソコンから」と回答した人は63.2%、「スマートフォン」は68.4%、「タブレット」は16.9%となった。同調査を開始した2017年4月度調査では、「パソコン」は74.8%、「スマートフォン」は51.2%、「タブレット」は18.5%だった。

この2年8カ月間で、「パソコン」は11.6ポイント減少、「スマートフォン」は17.2ポイント増加、「タブレット」は1.6ポイント微減だった。ECは「パソコン」に加えて、「スマートフォン」からでも利用する人が増加した。※複数回答あり。

また2019年12月度調査において、スマートフォンからECを利用する人のうち、主に「インターネット」から購入すると答えた人は31.3%、「アプリ」と答えた人は68.7%だった。一方で2017年4月度調査では「インターネット」は43.3%、「アプリ」は56.7%となった。この間、スマートフォンからECを利用する方法は、「インターネット」経由ではなく、「アプリ」経由に人々の行動は変化したようだ。

10代から支持されるUNIQLOアプリ

2019年12月度調査時、最も利用されていた※1ECアプリ「Amazon」の世代別利用率は、10代(70.6%)、20代(68.7%)、30代(71.4%)、40代(69.7%)、50代(75.5%)、60代(69.7%)で、世代間であまり差がなく使われていることがわかったそうだ。

一方で「楽天市場」のアプリと「Yahoo!ショッピング」のアプリは、比較的年齢が高くなるにつれて、利用率が高くなる傾向にあった(「楽天市場」アプリの利用率は、10代:41.2%、20代:57.8%、30代:64.3%、40代:68.2%、50代:85.7%、60代:60.6%。「Yahoo!ショッピング」アプリは、10代:29.4%、20代:34.9%、30代:42.9%、40代:56.1%、50代:49.0%、60代:63.6%)。

また「UNIQLO」アプリの利用率を見てみると、10代(50.0%)、20代(31.3%)、30代(27.1%)、40代(31.8%)、50代(32.7%)、60代(27.3%)と、調査対象にしたECアプリの中で、唯一10代の利用率が5割に達したアプリだった。

※1 EC利用経験者で、「スマートフォンのアプリ」からECを利用すると答えた人が対象。

最も購買行動につながるSNSはLINE、次いでTwitter

2019年12月度調査において、ECサイト・アプリから新商品やキャンペーンなどについて受け取っている通知の中で最も商品購入につながっている方法を一つ挙げてもらったところ、一番多かった回答は「メールマガジン」(46.0%)、次いで「アプリのプッシュ通知」(12.6%)、「SNS」(12.0%)だった。

年代別に見てみると、10代と20代は「SNS」が最も多かったのに対し(10代:25.0%、20代:25.9%、30代:12.6、40代:9.6%、50代:2.0%、60代:7.0%)に対し、30代以降は「メールマガジン」となった(10代:17.5%、20代:23.5%、30代:33.3%、40代:57.4%、50代:58.4%、60代:64.0%)。

またECサイト・アプリから通知を受け取っているSNSの中で、最も商品購入につながっているSNSを挙げてもらったところ、2019年12月度調査では「LINE」を挙げた人が最も多く(39.7%)、次いで「Twitter」(27.8%)、「Instagram」(18.3%)となった。

一方で2017年4月度調査では、「LINE」(36.8%)、次いで「Twitter」(32.1%)、「Facebook」(12.3%)で「Instagram」は5.7%だった。この間、「Instagram」は12.6ポイント伸ばし、より多くの人の購買行動に影響を与えるSNSと成長したことがわかった。

まとめ

調査結果にあるようにEC利用のデバイスは「パソコン」と「スマートフォン」が同格になり、スマートフォンからのEC利用は、「ネット」よりも「アプリ」がメインとなった。最も使われているECアプリは、「Amazon」で10代の「UNIQLO」アプリ利用率は、5割にのぼった。

またEC利用経験者の4割が「Amazonプライム会員」で、2017年から10ポイント以上増加し、約半数がCtoCサービスを認知するとともに3割に利用経験があった。CtoCアプリは「メルカリ」と「ヤフオク!」が2強で、10代・20代の購買行動に最も影響を与えるのは「SNS」で30代以降は「メルマガ」だった。さらに最も購買行動につながるSNSは「LINE」で次いで「Twitter」だった。

めまぐるしく変わるEC・ネットの利用状況と消費者動向だが、今回のレポートでもその生々しいトレンドが明らかとなったようだ。


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