PayPay利用率で首位独走へ・4割以上がEC利用時に「商品を探し疲れて購入を諦めた」経験あり ジャストシステムが『Eコマース&アプリコマース月次定点調査2019年総集編 【トレンドトピック版】』を公表

ECのミカタ編集部

株式会社ジャストシステムが運営する、マーケティングリサーチに関する情報サイト「Marketing Research Camp(マーケティング・リサーチ・キャンプ)」では、全国の17歳から69歳の男女1,100名を対象に『Eコマース&アプリコマース月次定点調査』を、2017年4月から毎月1回実施している。

今回そのときどきのトレンドに焦点を当てて調査を行っている設問について、2019年12月までの調査データをまとめて分析し直し、その内容を『Eコマース&アプリコマース月次定点調査 2019年総集編 【トレンドトピック版】』 として公表した。ここではその概要についてポイントを絞って見て行く。

調査概要

[調査名]
Eコマース&アプリコマース月次定点調査

[調査期間]
2019年1月~2019年12月の間、毎月1回実施

[調査対象]
Fastaskのモニタのうち、17歳から69歳までを5歳ごとに、男女それぞれ50名ずつ割り付けて回収(合計1,100名)。

[調査方法]
セルフ型ネットリサーチ Fastaskでのアンケート調査

実店舗でのスマホ決済利用率で「PayPay」が首位に

実店舗でのスマホ決済利用率で「PayPay」が首位に

コンビニエンスストアでの支払いに「現金を使わない」または「現金を使わないことが多い」と答えた人の割合は、2016年9月度調査では27.2%、2018年6月度調査では34.5%、2019年6月度調査では38.0%だった。

現金以外の方法で支払いをする人は増加する傾向にあったが、消費増税後の2019年10月度調査では一気に48.9%となった。2019年6月度調査実施時から10月度実施時までの4カ月の間に10.9ポイント増え、半数近くの人が現金以外の方法で支払いをするようになったことがわかったとしている。

また2019年10月度調査において、実店舗でスマートフォンの決済機能を利用している人のうち、「PayPay」を使っている人が最も多く(54.9%)、次いで「LINE Pay」(34.9%)、「楽天ペイ」(34.6%)だった。男女別で見てみても「PayPay」利用者が最も多く、男性が52.8%、女性は57.2%となった。「PayPay」を利用している人の割合を、消費増税前の2019年6月度調査(38.8%)と比べてみると、16.1ポイントも増加した。

※複数回答あり。

40%にEC利用時「商品を探し疲れて購入をやめた」経験

40%にEC利用時「商品を探し疲れて購入をやめた」経験

2019年12月度調査において、スマートフォンからECを利用する人のうち、購入意向があったにも関わらず、ECサイトまたはECアプリの応答速度が遅く、タップしても反応しない、ページが遷移しないといった理由から離脱したことが「頻繁にある」人は13.4%、「ときどきある」人は44.1%だった。

あわせて57.5%の人に「応答速度が遅くて離脱した」経験があることがわかった。年代別に「応答速度が遅くて離脱した」経験がある人の割合を見てみると、10代(59.0%)、20代(67.0%)、30代(64.5%)、40代(58.5%)、50代(44.3%)、60代(37.0%)でした。20代と30代では、6割を超えた。

また2019年3月度調査において、EC利用経験者のうち、毎月、一定額を支払うことで、特定の商品や、サービス提供会社側でセレクトした商品が自動的に届く「サブスクリプション型EC」を利用した経験がある人は38.8%だった。

2018年3月度調査(31.3%)と比較すると、利用率は7.5ポイント伸長した。2019年3月度調査において、サブスクリプション型EC利用経験者の割合を年代別に見てみると、10代(53.8%)、20代(53.0%)、30代(40.9%)、40代(24.3%)、50代(36.3%)、60代(31.8%)で、10代と20代の半数以上にサブスクリプション型ECの利用経験があった。

さらに2019年6月度調査において、EC利用経験者のうち、EC利用時に「商品を探し疲れて、購入を諦めたことがある」人は46.4%、「商品を探し疲れたことはあるが、購入を諦めたことはない」人は30.4%だった。

あわせて76.8%の人が商品の探し疲れを経験していた。「商品を探し疲れて、購入を諦めたことがある」人の割合を年代別に見てみると、10代(40.8%)、20代(46.5%)、30代(51.3%)、40代(42.7%)、50代(55.1%)、60代(38.8%)でした。30代と50代では5割を超えた。

ライブコマース視聴経験者の50%に商品の購入経験

ライブコマース視聴経験者の50%に商品の購入経験

EC利用経験者のうち、販売者が商品の説明を「ライブ動画」で行い、視聴者はその場で商品を購入できる「ライブコマース」について、「ライブ動画」を視聴したことがある人の割合は、2017年12月度調査では8.5%、2019年9月度調査では16.6%だった。

また「ライブコマース」の「ライブ動画」を視聴した経験がある人のうち、「商品を購入した」ことがある人の割合は、2017年12月度調査では29.8%、2019年9月度調査では50.0%だった。「ライブコマース」の「ライブ動画」を視聴した経験がある人の割合も、そのうち、商品を購入したことがある人の割合も大きく増加していた。

10~30代の4割以上が購入時に「中古品としての売却を意識」

2019年7月度調査において、商品購入時に、その商品を中古品として売却することを意識するかを聞いたところ、「意識する※1」と答えた人の割合は、34.5%でした。年代別に見てみると、10代(46.0%)、20代(47.0%)、30代(45.5%)、40代(36.0%)、50代(24.0%)、60代(14.0%)でした。10代、20代、30代の4割以上は、中古品としての売却まで考えて購入することがあるようだ。

※1 中古品としての売却を意識することが「よくある」「ときどきある」と答えた人。

Instagramの「Shop Now」から購入した経験がある人は1割

2019年9月度調査において、Instagramユーザーのうち、ショッピング機能「Shop Now」を使って商品を購入したことがある人は10.3%でした。2018年9月度調査(6.8%)と比べると、購入経験者の割合は3.5ポイント増加した。

年代別に見てみると、10代(11.3%)、20代(18.4%)、30代(11.7%)、40代(4.5%)、50代(1.7%)、60代(8.3%)だった。20代の2割近くに「Shop Now」を使って商品を購入した経験があった。

まとめ

調査結果にあるように、10代・20代の5割以上に、「サブスクリプション型EC」の利用経験があり、ライブコマースの動画視聴経験者の半数に商品の購入経験があった。また4割以上がEC利用時に「商品を探し疲れて購入を諦めた」経験があり、10代~30代の4割以上が商品購入時に「中古品としての売却を意識」すると回答した。

さらにスマートフォンでECを利用する人の約6割にサイトやアプリの「応答速度が遅くて離脱」した経験があり、実店舗でのスマホ決済利用率は、「PayPay」が首位となった。約半数が「コンビニエンスストアでの支払いはキャッシュレス」と回答しており消費増税後に急増していた。またInstagramの「Shop Now」から商品を購入した経験がある人は1割となった。

このようにサブスクが浸透するとともに、キャッシュレス決済ではPayPayの強さに安定感が出てきていることが明らかとなった。またEC利用時に「商品を探し疲れて購入を諦めた」経験のある人が4割以上というのも注目に値するだろう。UIの改善を含めてECを展開する上での示唆に富んだ調査結果となっていると言えそうだ。


記者プロフィール

ECのミカタ編集部

ECのミカタ編集部。
素敵なJ-POP流れるオフィスにタイピング音をひたすら響かせる。
日々、EC業界に貢献すべく勉強と努力を惜しまないアツいライターや記者が集う場所。

ECのミカタ編集部 の執筆記事