楽天が『送料無料ライン』をついに導入 店舗側で導入の可否を選択可能に・導入店には期間限定で「メール便100円・宅配便250円(いずれも上限あり)」の配送料支援を実施

ECのミカタ編集部

楽天は楽天市場に出店する各店舗宛に「『共通の送料込みライン』導入店舗様へのご案内」「『共通の送料込みライン』適用対象外希望店舗様へのご案内(再掲)」「全店舗様へのご案内」と題する文書を発出した。

文書には、楽天市場に「送料無料ライン」を導入するものの、店舗側の設定により「送料無料ライン」の対象外とすることができる他、「送料無料ライン」を導入した店舗には「メール便100円・宅配便250円(いずれも上限あり)」の支援を期間限定で行うことが施策として実施されることが盛り込まれている。

「送料設定に関するガイドライン」 改定

2020年3月12日(木)、「【送料込みライン 導入後】送料設定に関するガイドライン」について下記の改定を行う。2020年3月6日(金)に配信したサポートニュースにて案内された通り、「共通の送料込みライン」において、3月18日においては準備が整った一部の店舗と共に開始することとし、それ以外の店舗におおては店舗側の選択により、同施策の適用対象外にできるようになった。

全店舗向け

◆特定送料の機能拡充および設定に関する案内

楽天が2020年3月6日(金)に配信したサポートニュースにて、『「特定送料」利用時のご注意』として、従来の配送設定で利用できていた「複数キャリア設定」が使えない旨を案内していたが、今回、同機能を3月18日(水)にリリースするとしている。「配送方法一覧」より選択可能になるとのことで設定をうながしている。

◆「高額割引設定」について

「共通の送料込みライン」の対象となる配送方法で設定した「高額割引情報」について、購入金額の上限値が3,980円未満になるように制御するという。2020年3月18日(水)0:00から開始するシステムメンテナンス時に以下の対応を行うとしている。

 [対応内容] 
「共通の送料込みライン」の対象となる配送方法で、高額割引設定の購入金額を「3,980円(税込)以上で登録している」場合、登録している高額割引情報が解除され、初期値(何も登録されていない状態)となる。

※「共通の送料込みライン」対象外の配送方法(特定送料、クール便、大型宅配便等)については同変更を行わない。従来通りの設定のまま引き続き利用できる。

「共通の送料込みライン」導入店向け

◆安心サポートプログラム

[対象店舗]
共通の送料込みライン」導入の全店舗

※適用対象外の申請をした店舗ならびに2019年8月1日以降に出店した店舗は対象外

[支援対象・内容]
注文1件あたり「メール便100円、宅配便250円」を支援金として提供

※「共通の送料込みライン」対象の配送方法で3,980円(税込)以上購入、
送料無料対象になった注文が対象

[最大支援件数]
2019年同時期の3,980円(税込)以上・送料別の注文件数

※今年度の「共通の送料込みライン」対象外の配送方法(クール便、大型宅配便、メール便[特定送料]、宅配便[特定送料]等)での注文の割合は除く

[支援期間]
2020年4月1日~6月30日(3ヶ月間)

「共通の送料込みライン」適用対象外希望店舗向け

◆適用対象外申請および特定送料の設定について

楽天は「共通の送料込みライン」導入に伴い、適用対象外を希望する店舗は下記の手順で申請と設定をするよう要請している。

[1]適用対象外申請について
専用フォームより申請.

※3月18日(水)より適用対象外としたい場合は「3月17日(火)21時まで」に申請する必要あり。

※RMSメインメニューの最上部「楽天からの重要なお知らせ」にも掲載している。

[2]特定送料の設定について
適用外にしたい商品を「特定送料」に紐づけるよう要請。設定方法については店舗運営Navi「[【特定送料】便] 設定登録の方法と解除の方法」を要確認。

楽天スーパーロジスティクス(RSL)料金改定(出荷作業費)

楽天スーパーロジスティクス」において、複数個を同梱する際の作業費を値下げする。複数の商品を注文された場合の2個目以降の商品について、出荷作業費を従来の1個80円から1個65円に変更するとしている。

[対象商品]
複数買いされた小サイズ(※)の商品

※3辺合計100cm未満の商品になる。ただし楽天スーパーロジスティクスが定義する極小サイズ(ポスト投函配送サイズ)の商品を除く。なお極小サイズの出荷作業費は1個あたり50円となっている。

※例(小サイズの商品3個の注文を出荷した場合の出荷作業費)
現状: 80円 × 3個 = 240円
値下げ実施後:80円 × 1個 + 65円× 2個 = 210円

[開始時期]
2020年5月1日(金)作業分より適用

手続きで「送料無料ライン」適用外に

楽天では共通の送料込みラインの導入について次のように述べている。

「楽天市場では、ユーザー満足度の向上の観点から、『送料込みライン』(一定の金額以上の注文に対して送料込みで提供すること)を楽天市場全体で導入いたします。ただし、楽天市場の指定する方法において共通の送料込みラインの適用対象外申請手続きを完了された店舗様が、配送方法として該当する特定送料を設定していただいた商品については、共通の送料込みラインの対象外とします。
(中略)
なお、これらの手続きをしていただいた商品については、『【送料込みライン 導入後】送料設定に関するガイドライン』は適用されず、共通の送料込みラインの導入を規定するよりも前の『【送料込みライン 導入前】送料設定に関するガイドライン』が引き続き適用されるものとします」

そのほか楽天では「ユーザー向けガイドページの更新」を行っている。2020年3月11日(水)、ユーザー向けのガイドページを更新した。「共通の送料込みライン」導入後、対応ショップにおいて、どのようにユーザー向けに表示されるかなど、各種情報を掲載している。また既に提供を開始している共通バナーのデザインを一部変更した。店舗運営Navi「対応ガイド」の「2.店舗ページ等の送料に関する表記の見直し」内「ユーザー向け告知バナーの提供開始」よりダウンロード可能となっている。

楽天は送料無料ラインの導入について、一部店舗から「独占禁止法第19条(同法第2条第9項第5号)」にあたるのではないかとの指摘があり、それを受けて公正取引委員会が調査を開始し、先には緊急停止命令が裁判所に申し立てられていた。

同申し立て後、楽天側は「新型コロナの感染拡大」を理由として一端、送料無料ラインの一律での実施を取り下げ、準備の整った店舗から順次導入するとしていた。今回、楽天から「送料無料ライン」を導入するものの、実質的に店舗側がその導入を選択できる内容で案内が出されており、「送料無料ライン」を導入した店舗については配送料の支援を行う内容となっている。

しかし当該「送料支援策」も期間限定であり、公取委による調査も継続されていることから、今回提示された新スキームが今後どのような経緯をたどるのか、引き続き注目と言えそうだ。


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