DMは、〇秒以内に開封される 市民権を広げるダイレクトメール【トッパン・フォームズ調査】

ECのミカタ編集部

トッパン・フォームズ株式会社(以下トッパンフォームズ)は、生活者の意識とダイレクトメール(以下DM)を取り巻く実態や時系列変化から見えるトレンドの定点的な把握を目的に、2014年、2016年および2018年に続き、生活者のDMに関わる行動についての自主調査を行った。ここではその概要についてポイントを絞って見て行く。

調査概要

[調査手法]
アンケートシステムを用いたWebアンケート方式

[調査対象者とサンプル数]
全国に在住の20歳以上の男女の方で、届いたDMを3割程度以上開封する人・メールマガジンに登録している人2000サンプル(20~70代以上男女)

[調査実施時期]
2019年12月10日(火)~13日(金)

※調査結果の数値を小数点第1位まで記載

※調査でのDMの定義は以下の通り
「ダイレクトメール(DM)とは、企業やお店から送られてくる商品・サービス案内が記載されたハガキや封書による通知物を指し、電子メールによるメールマガジンなどは含まない」

DMを「好まない」は前回から約11%減少し19.3%

同社では、パーソナライズDMの受容率の上昇については、インターネット通販の購入履歴や検索履歴に基づいた内容が表示されることやリターゲティング広告の広がりなどにより、生活の中で「おすすめ情報」に触れる機会が多くなっていることが要因と推察している。

また、消費者それぞれの好みがあらゆる場面で反映される時代になり、消費者側もそれを「おすすめ情報」として便利に利用することで、これまで根強くあった抵抗感が低減している表れだとしている。

7割強がDMの開封判断を「5秒以内」に行う

生活者の約7割がDMを開封するかどうかの判断を「5秒以内」に行っていることが分かったという。そのうち12.7%が「1秒以内」、33.5%が「2~3秒」以内と、生活者が判断に要する時間は非常に短く、初めて視界に入った際に印象に残るかどうかが開封されるかどうかのカギともなりそうだ。

また今回の調査で、開封するかどうかの判断になるのは「差出企業名」が7割以上で、特に50代以上の年配層でその傾向が顕著に表れたそうだ。2位が「内容そのもの(商品・サービスなど) 」、3位が「プレゼント・特典」という結果に。手に取られた瞬間に、「どこの企業から、何のお知らせが届いたのか」をいかに直感的に伝えるかが重要ということがうかがえる。

紙・Webの使い分けが効果的

紙媒体とWeb媒体のどちらで閲覧したいかについては、掲載内容により大きく差が出ることが分かったそうだ。保守・契約更新のお知らせや商品カタログなど複数人で閲覧するものは半数以上が紙媒体で閲覧したいと回答した一方、会員ポイント関連のお知らせや広告期間が短いものは、共に約7割がPCやスマートフォンを使用して見るWeb媒体で閲覧したいとしている。

まとめ

まとめ

今回の調査結果から、年齢や性別、購入履歴などに基づいて最適化されたDM(パーソナライズDM)は年々生活者に受容される傾向にあるということに加え、生活者がDMを開封・閲覧するかどうかの判断は「5秒以内」に行われることや、情報の特性ごとに閲覧したい媒体が異なることが分かった。

調査結果を受けて、同社では次のように述べている。

「今回の調査結果で分かったパーソナライズDMの受容率の上昇について、インターネット通販の購入履歴や検索履歴に基づいた内容が表示されることやリターゲティング広告の広がりなどにより、生活の中で『おすすめ情報』に触れる機会が多くなっていることが要因と推察されます。

また、生活者の約7割がDMを開封するかどうかの判断を『5秒以内』に行っていることが分かりました。そのうち、12.7%が『1秒以内』、33.5%が『2~3秒』以内と、生活者が判断に要する時間は非常に短く、初めて視界に入った際の情報が開封されるかどうかの鍵となると考えられます。紙媒体とWeb媒体のどちらで閲覧したいかについては、掲載内容により大きく差が出ることが分かりました」

同社も述べているように、パーソナライズDMは、徐々に市民権の幅を広げているようだ。それを踏まえても、広告一般が媒体を問わず、基本的に消費者に敬遠される中で、いかに開封時の訴求力を高めるかが、ECビジネスでの広告施策を展開する上でも重要となりそうだ。


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