[売上確保+在庫消化]をサポート 在庫管理の『FULL KAITEN』に新機能を追加

『FULL KAITEN』は、在庫を「売れ残りリスク・売上への貢献度」の2軸で評価して、販促施策や在庫処分の対象とすべき商品を可視化する機能をFULL KAITENに追加した。

在庫の性質を可視化し、利益を確保する

小売企業などに粗利増加と在庫削減の両立を支援するSaaS(クラウドサービス)『FULL KAITEN』を開発・提供するフルカイテン株式会社は、全ての在庫を「売れ残りリスク」と「売上への貢献度」の2軸で評価することで、重点的に販促施策や在庫処分(セール等)の対象とすべき商品をSKU単位で可視化する新機能をFULL KAITENに追加した。

この機能により、売上額や販売数が上位に位置するSKUを重点商品として絞り込めるほか、「売上への貢献度は大きいが、売れ残りリスクも大きい」在庫はセールに出すのではなく販促を強化することで無駄な利益を失わずに済むといった効果が得られるという。なお、新機能による追加料金等の発生はなく、順次ユーザー企業へ適用を始めているとしている。

「売上への貢献度・売れ残りリスク」の2軸で評価

「売上への貢献度・売れ残りリスク」の2軸で評価

今回の新機能はFULL KAITENの「消化率向上機能」の一部改良にあたる。消化率向上機能では、FULL KAITENが全ての在庫をSKU単位で分析し、完売までの予測日数に応じて「フル回転」「過剰在庫」「不良在庫」の3段階に分類する。

上図はユーザー企業が販売期間(売り切りたい日にち)を9月30日、10月31日の2段階で設定したケースだ。3分類は以下のようになる。

[フル回転]
9月30日までに売り切ることができると予測された商品

[過剰]
9月30日を越え、10月31日までに売り切ることができると予測された商品

[不良]
10月31日を越えても売り切ることができないと予測された商品

FULL KAITENは従来、上記のように在庫数量ではなく、完売までに要する期間によって在庫リスクを測定し、3分類していた。そして同社は、日々FULL KAITENの機能を強化するなかで、在庫はSKUごとに「売上への貢献度」や「売れ残りリスク」が異なることに着目したそうだ。

そこで、全ての在庫を売上への貢献度と売れ残りリスクの2軸で評価することにしたのだ(上図)。売上への貢献度が同じでも、売れ残りリスクの大小で在庫分類がフル回転、過剰在庫、不良在庫と変化するためだ。

「過剰在庫・不良在庫」をあぶり出す

「過剰在庫・不良在庫」をあぶり出す

また今回の新機能は、主に「優良」と「不良」に位置する在庫を絞り込み、リスト化するものとなっている。

◆重点商品1,000SKUを絞り込み

具体的には、「過剰在庫」と「不良在庫」で下記の基準によって1,000SKUを「重点商品」として抽出し、表示できるようになった。

・現在庫数が多い順あるいは少ない順
・販売点数が多い順あるいは少ない順
・売上金額が大きい順あるいは小さい順
・そのSKUが含まれる注文の客単価が高い順あるいは低い順
・完売予測日が近い順あるいは遠い順

これにより、下記のようなことが可能になる。

過剰在庫には、販促が手薄なだけで実はしっかり売れる隠れた商品が多く含まれているが、放置すると売れ残りリスクが高まる。新機能により、売上が上位かつ現在庫数が大きいSKUを検索することで、隠れた人気商品を絞り込む。これらの商品の販促を強化すれば売上と利益を増やすと同時に在庫が減る。

不良在庫には、コンスタントに売れているものの、何らかの理由で現時点の在庫量が多いだけの商品も含まれる。これらは不良在庫に分類されていても、まだまだ利益を出しながら販売できる商品なので、新機能によってそうしたSKUを探し出し、セールに出すのではなく販促を強化することで、無駄な利益を失わずに済む。

売上向上と在庫削減に寄与

今回の機能追加に際し、同社では次のように述べている。

「FULL KAITENは現在、エンタープライズや楽天ショップオブザイヤー受賞店舗などを中心に、多くの小売企業(ECおよび実店舗)に契約いただいています。弊社は今後も、在庫問題で悩む小売業の皆様、新型コロナウイルス危機で表面化した在庫問題の解決に取り組んでいる皆様のお役に立てるよう機能開発と強化を継続します。そして、在庫問題を解決する先にある『世界の大量廃棄問題を解決する』というミッションの遂行に向け、ユーザーである小売業の皆様のお役に立てるよう取り組んでまいります」

まだ同社は、今回の新機能により、「今ある在庫を使って売上も粗利も伸ばし、結果として在庫削減も実現する」というFULL KAITENの提供価値が、これまで以上に向上したとしており、同ソリューションのアドバンテージがさらに高まることになりそうだ。

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