アパレルは実店舗、家電はECを中心に回復 JCBが「10月後半の国内消費動向指数」レポートを公開

ECのミカタ編集部

株式会社ジェーシービー(本社:東京都港区、代表取締役会長兼執行役員社長:浜川 一郎、以下:JCB)と株式会社ナウキャスト(本社:東京都千代田区、代表取締役CEO:辻中 仁士、以下:ナウキャスト)は、現金も含むすべての消費動向を捉えた国内消費指数「JCB消費NOW」の10月後半(10月16日~10月31日)、10月全体(10月1日〜10月31日)の速報値を更新した。

10月の特殊要因

10月については、以下2点の特殊要因がある点に留意を促している。

◆前年の2019年10月は、消費増税前の駆け込み需要後の反動減あり

2019年10月前半・後半は、消費増税前の駆け込み需要の反動で小売・サービス業ともに減少したため、2020年10月前半・後半の数値は実体よりも強く見える可能性がある。

◆カレンダー要因

例年10月前半にあった祝日「体育の日」が、2020年から「スポーツの日」となり7月後半に移動しており、10月前半は祝日が1日少ない(連休無し)。

10月後半・10月全体参考系列ハイライト(調査:ナウキャスト)

「全総合」は、新型コロナウイルス感染症拡大前の1月後半に比べて-5.7%となり、10月前半から下落幅が縮小。「小売総合」は+3.3%、「サービス総合」は-12.6%となり、ともに10月前半から回復した。

「小売総合」では、「アパレル(織物・衣服・身の回り品小売業)」や「家電(機械器具小売業)」の大幅な回復が寄与した。アパレルは実店舗、家電はECを中心に回復しており、業種ごとにオフライン/オンラインの選択傾向の違いが見られる。

「サービス総合」では、「外食」が-18.7%(10月前半:-27.3%)、「娯楽」が-12.5%(同:-29.2%)と大幅に回復した。「外食」の回復は、政府による飲食業の需要喚起策「Go To イート」の影響などによるものと考えられる。
また、「娯楽」の回復は、10月16日に公開された「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」の記録的ヒットなどの影響により「映画館」が+35.9%(同:-53.2%)から90ポイント以上も急回復したことが大きく寄与した。

また10月後半「映画館」の属性別分析について、10月後半「映画館」は、「全年代」で消費の急拡大が見られ、中でも30代と50代が消費拡大に大きく寄与した。

まとめ

調査結果にあるように、「全総合」「小売総合」ともに10月前半から回復した。
2020年において、新型コロナウイルスによる感染拡大の影響により、リアルでの売り上げが大きく落ち込む一方、ECへの急速なニーズの高まりが起こっている。緊急事態宣言後、リアルでの消費が回復傾向にあることは各方面から指摘されてきたが、今回の調査でもそれが明らかとなった。

また、コロナ禍によってもたらされたECへのニーズの高まりが、消費動向の変化として定着しつつあるとの分析も多く、日本国内において「第3波」ともいわれる感染の再拡大が進行し、かつワクチンや治療薬の相次ぐ臨床への投入に期待がかかる中で、刻々と変化するリアル市場とECを取り巻く今後の動向にも注目と言えそうだ。

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