緊急事態宣言から1年 EC転換で逆転を成し遂げた企業レポート

ECのミカタ編集部

Shopify Japan株式会社は、2020年4月の緊急事態宣言発令から1年が経過したのを機に、オンライン事業を拡大させている食品・小売業などの事例を紹介するレポートを公表した。ここではその概要についてポイントを絞って見ていく。

事例:コロナ禍の売上減から一転、EC化で売上増加へ

KURASU ECサイトより

◆KURASU

京都のコーヒー器具・コーヒー豆専門店。運営している実店舗3店の売上は、 緊急事態宣言が発令された2020年4月に81%減少した。その一方で、ECでの売上は2019年と比較すると、年間2.2倍にまで増え、特に焙煎器具の売上は約1.8倍に増加。おうち時間でもコーヒーを楽しんでもらえるよう、InstagramやYouTube等SNSを活用し、ライブ配信やワークショップを開催。結果SNSからの流入数は1万5000以上になっている。

◆Beer OWLE

静岡のクラフトビール専門店。常連客層をメインとした実店舗の売上は、コロナ禍で来店客が減り、 売上は前年比20%減少。製造者からの供給も不安定になり、在庫の管理にも課題を抱える。ECの売上は前年比80~90%増加し、オンラインで完結する販売を強化すべく、HPやInstagramの見せ方、投稿内容を工夫したことで回遊率、フォロワー数も一気にアップした。

◆amirisu

京都、東京、オレゴン州の3拠点で展開している毛糸・手芸材料のセレクトショップ。コロナ禍で東京店を閉め、実店舗の売上は55%減少した。一方で国内小売だけでなく、海外の卸からの発注が増え、オンラインでの売上は前年比75%増加。消費者のおうち時間が増えたことも受け、初心者向けの商品も人気に。オンラインレッスンやInstagramでのライブ配信も積極的に行い、コミュニティを形成している。

◆ぬま田海苔

80年の歴史を持つ合羽橋に店を構える初摘み海苔専門店。その立地と客層から実店舗での売上に依存していたものの、2020年2~3月頃から売上が大幅ダウン。緊急事態宣言下でも生き残る老舗を目指し、EC販売の強化を決意した。2020年2月では4%だったのWEB売上割合が、2021年2月には19%まで成長。また2021年2月WEB売上は昨年同月対比で323%増加。海外からの注文も絶えず、 オリジナル商品の開発とSNS等も活用したEC販売に注力予定とのことだ。

◆京都醸造

「ベルギー&アメリカ」スタイルのクラフトビールに特化した醸造所。全体の97%を占めていた卸業としての樽販売の売上が、2020年には50%に減少した。経営存続をかけ、一般消費者向けの商品販売にシフト。コロナで減少したファンとのつながりを増やすために、既存のFacebookのページに加え、新たにInstagramのアカウントも開設。2019年は売上の3%程度だった消費者向け瓶ビールの売上が2020年には50%にまで成長。12月には前年比売上45%増を記録し、B2Cビジネスへのシフトに成功した。

◆BAKE

チーズタルトやバターサンド、ガトーショコラなど様々なスイーツブランドを持つBAKE。2020年4月の緊急事態宣言下で一部店舗を一時閉店した。以前から検討していたオンラインストア開設構想を3ヶ月で実現。開設記念キャンペーンでは、チーズタルト約5,600個が当日の夕方に完売。消費者から大好評の地域限定商品セット「旅するバターサンド」や、ブランドの垣根を超えた母の日限定ギフトセットなど、ECだからこそ実現できる商品でEC強化を狙う。

逆境をチャンスに変えるECのチカラ

帝国データバンクの調査によると、「新型コロナウイルス関連倒産」は3月25日時点で全国1200件にも上り、依然として「飲食店」や「ホテル・旅館」、「アパレル小売」や「食品卸」が上位を占めている。

その一方で、事業をECへとシフトし、EC事業を拡大しながらコロナ禍でも奮闘している企業も多くある。 JETROの調査では企業のEC利用率は33.3%に増加し、今後EC利用を拡大すると回答した企業は43.9%にも上った。まさに今回は、そんなコロナ禍でShopifyを利用してEC事業を伸ばしている企業が紹介された。厳しい時代にあって逆境をチャンスに変える、EC、そしてShopifyの持つ力が、ここでも示されたと言えるだろう。

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