酒蔵・醸造所のコンソーシアム型越境EC運営代行事業を開始 中国最大手のソーシャルECプラットフォーム「Youzan」を活用

株式会社no sake, no lifeは、クラフトマンシップを発揮する日本の酒各種の越境EC運営代行事業を開始したと発表した。

同社は、中国最大手のソーシャルECプラットフォーム「Youzan」に出店し、各酒蔵の商品販売、および中国を中心とした消費者のカスタマー対応やSNSへのプロモーションを行っていくとしている。

酒蔵・醸造所の越境EC運営代行事業を開始

株式会社no sake, no life(代表取締役 村井 庸介、以下「no sake, no life」)は、クラフトマンシップを発揮する日本の酒各種の越境EC運営代行事業を開始した。

越境ECの利用プラットフォームとして、中国最大手のソーシャルECプラットフォーム「Youzan」を採用。今後は各酒蔵の商品販売、中国を中心とした消費者のカスタマー対応、SNSへのプロモーションを行っていくという。

減少する酒の国内消費と成長しきれていない海外販売

国税庁の統計によると、酒類の課税移出数量(国内出荷数量)は平成11(1999)年度の1,017 万KLをピークに減少傾向にある。

その打開策として、長年輸出をはじめとした海外展開の努力が各種酒類メーカーによってなされてきた。2020年に財務省が発表した貿易統計によると、同年の日本産酒類の輸出数量は11万4224klで前年比25.4%減、金額は711億5732万円で7.5%増となり、金額ベースでは年々成長を見せている。

一方、数量でみると昨対比で減少しており、海外市場においても消費者による「酒の選別」の基準が高まってきたと考えられる。

加えて、日本酒の酒蔵など、過去に海外展開に取り組んだものの、

●海外市場に特化して向き合う人材・社内リソースがいない(マーケティング、組織の問題)
●消費者に最適な形で、商品が届けられない(物流の問題)
●現地でのパートナーシップが上手くいかなかった(ローカルマネジメントの問題)

といった理由で、海外から撤退、あるいは進出を断念する企業も見受けられる。

社会環境の変化もあり、飲食店向けや地域内需要が中心となっていた酒類メーカーも多く、海外展開を一つの再成長のきっかけとしたいものの、「自社単体」での進出は難しい中でno sake, no lifeに依頼があり、越境EC運営代行事業の開始に至ったという。

コンソーシアム型越境EC運営代行支援の概要

コンソーシアム型越境EC運営代行支援の概要

越境EC運営代行事業において、no sake, no lifeは中国最大手のソーシャルECプラットフォーム「Youzan」(有賛)にて出店を行う。現在、「Youzan」は中国の4億人以上の消費者にサービスを提供しており、システムは 1日あたり数百万件の注文と数億件のメッセージを処理しているという。

no sake, no lifeは、「Youzan」の日本法人であるYouzan Japanと契約し、今後、取り扱い商品の現地でのSNS上でのプロモーションやカスタマーサポート対応なども行っていく予定だ。

加えて、どういった商品を選別すればよいかといったメーカー各社の悩みには、越境EC支援経験のあるエキスパートチームが、経験をもとにした提案を行っていく。また、商品販売後は、各種蓄積されるデータから、ライブコマースなどのプロモーションや越境向け新商品展開のフィードバックも行っていくという。

すでに過去に取引のある酒蔵を中心に商品販売を開始しており、一般公募での商品取り扱い企業については、初年度は5社を上限として運営代行を受け付ける。

世界最大級の日本酒イベント「ジョイ・オブ・サケ」が開催され、日本酒のサブスクリプションサービスも存在するアメリカをはじめ、海外市場における日本酒のポテンシャルは高い。

一方で、日本産酒類の味や品質が評価されていても、越境ECとなると物流やカスタマー対応を含めさまざまなハードルがあるため、中小企業が多い酒蔵・醸造所にとって海外展開は決して容易ではなかった。

no sake, no lifeによる越境EC運営代行によって、日本の「SAKE」が今まで以上に世界に浸透することを期待したい。

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