LINEとSTAFF STARTが業務提携 新たな接客体験の提供と買い物体験のリデザインを目指す

ECのミカタ編集部

LINE株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:出澤 剛、以下「LINE」)と株式会社バニッシュ・スタンダード(本社:東京都渋谷区、代表取締役:小野里 寧晃、以下「バニッシュ・スタンダード」)は、業務提携契約を締結し、新たなサービスとして「LINE STAFF START」を共同開発すると発表した。

これによって、LINEが提供する個人・法人向けアカウントサービス「LINE公式アカウント」をはじめとするLINEの活用と、バニッシュ・スタンダートの提供する店舗スタッフをDXするアプリケーションサービス「STAFF START」による店舗スタッフのオンライン接客を組み合わせた新たな接客体験の提供ならびに買い物体験のリデザインを目指すという。

新たな接客体験や買い物体験の創造を目指して

LINEでは、企業とユーザーの双方にとって価値のある情報接点を創出することを目的に、企業や店舗がLINE上にアカウントを作り、「友だち」となっているユーザーに対してメッセージ配信を行うことができる個人・法人向けアカウントサービス「LINE公式アカウント」を提供している。

バニッシュ・スタンダードは、店舗スタッフが着用したコーディネート写真等をブランドのECサイトや各個人のSNSに投稿し、そこから商品が売れた場合は個人の評価として可視化される機能のほか、店舗スタッフの業務をデジタル化するSTAFF TECH(スタッフテック)技術で店舗スタッフをDX化するシステム「STAFF START」を2016年より提供している。

同システムは、大手アパレルをはじめ1,000を超えるブランドに導入され、年間1,100億円以上の流通売上を生み出している。また個人の月間最高売上が9,000万円を越える店舗スタッフも存在する。

新型コロナウイルスの影響によって、リアル店舗に出向いて買い物をすることが減り、オンラインでのショッピングが主流になるなど人々の消費行動も大きく変化した。人との接触機会が減る一方で、若い世代においてはブランドや店舗スタッフのSNS情報をきっかけに新規購入・店舗訪問へ繋がるという新たなスタンダードも生まれ、今や購買行動におけるソーシャルメディアの存在感は急激に高まっている。

こうした背景から、国内月間約8,800万人が利用し、⼈や情報/コンテンツ、オンライン/オフラインサービスなどあらゆるものとユーザーがいつでも、どこでも、最適な距離でシームレスに繋がる世界の実現を目指すLINEと、「世界中のリアルを幸せにするITサービス」を目指し、常にリアル起点でビジネスを考えているバニッシュ・スタンダードが業務提携することによって、これからの購買行動における顧客のニーズに合わせた新たな接客体験や、これまで実現することができなかった買い物体験の創造を目指すという。

オンライン・オフライン双方での活用

オンライン・オフライン双方での活用

① 店舗スタッフのLINE公式アカウントでオンライン接客(チャット、ビデオ、LIVE)を実現
「STAFF START」に登録している約70,000人を超える店舗スタッフのLINE公式アカウントの開設を可能にし、インフルエンサーからだけではなく販売のプロである店舗スタッフから購入する時代へ。

チャット機能やメッセージ、ビデオ通話やLIVEを利用して接客し、オンラインでありながらリアルさながらの接客体験の提供を実現し、売上計測等を行う。

② 店頭での購買履歴や来店履歴との連携
デジタル会員証などをLINE上で提供することで、LINEアカウントと紐づいたオフラインでの購買履歴も取り入れることができる。購買履歴や来店履歴に基づいたお得な情報をLINE公式アカウントを通じて届けたり、日々の接客に活かしたりすることが可能となる。

2021年内のサービス提供を目標に順次業界を拡大

今回の業務提携について、LINE 執行役員 広告・法人事業担当 池端由基氏は以下のようにコメントしている。

「LINE公式アカウント提供開始から10年で、世の中は大きく変化しました。オンライン・オフラインの垣根は無くなり、求められるユーザー体験も変わってきています。そしてそれらを提供する店舗やスタッフの対応にも、同様の変化が求められていると思います。

今後は、「LINE STAFF START」を通じた店舗スタッフのオンライン接客を進化させ、これまでにない新たな購買体験をユーザーに提供していきます。店舗スタッフにとっても、日頃お使いのLINEを活用することで、お店で接客をしているようなリアルな販売体験を、届けていきたいと思っています」

株式会社バニッシュ・スタンダード 代表取締役 小野里寧晃氏は、下記の通り述べている。

「店舗スタッフが立つ場所は『店舗』だけではなく『通販』にもあるというアイディアから「STAFF START」を提供開始し約5年が経ちました。

店舗スタッフのコンテンツに対する顧客のニーズは高く最高月間個人売上は9,000万円と店舗の100倍近い売上をオンライン接客でつくりあげる店舗スタッフが存在します。

これから「LINE STAFF START」を通じてオンライン接客が一気に進化し、店舗スタッフはもっと能動的かつクオリティ高いオンライン接客を顧客一人一人に届けることが可能になる時代が到来します」

「LINE STAFF START」は2021年内のサービス提供開始を目標としており、今後はアパレル業界に限らずコスメ・食品・家電量販店などや、小売業だけではなくサービス業など、様々な業界の新たな接客体験の提供、買い物体験のリデザインを図るべく、順次提供を進めていくという。

近年、「オンライン化」のかけ声のもと一気にEC化が進んだが、一部では、リアル店舗での接客は従来型のまま取り残されているような状況も見受けられる。

今後開発される「LINE STAFF START」は、店舗スタッフのDX化を進めるだけでなく、リアル店舗での購買履歴に基づいたプロモーション等を行うことにより、オンラインとオフラインの垣根をより低くするサービスとなるだろう。

「オフラインからオンラインへ」一辺倒ではなく、「オンラインからオフラインへ」の流れも生まれると想定され、オフラインとオンラインの行き来がますます活発化するのではないだろうか。

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