越境ECモールとは?基礎知識と自社サイトとの違いやおすすめのモールを徹底解説

ECのミカタ編集部

越境ECモールとは?基礎知識と自社サイトとの違いやおすすめのモールを徹底解説

越境ECとは?通販事業を海外展開するための基礎知識

越境ECとはECサイトを通じて国外へ商品を販売することです。国内でも年々市場規模を拡大しているEC市場ですが、中国やアメリカをはじめとする海外はさらに巨大な市場へと成長し、国際的なマーケットが形成されています。

2020年は新型コロナウイルスの影響で、外国人観光客によるインバウンド需要に大きな打撃を受けたこともあり、国内から商品を販売する越境ECは今注目を集めている市場です。

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越境ECの市場規模は確実に増加傾向

越境ECの市場規模は年々拡大しています。2017年の世界の越境EC市場規模は5,300億米ドルと推計され、日本円に換算すると5兆8,300万円。前年比率は32.5%増です。

日本の商品に注目すると、中国人が越境ECを通じて日本から購入した商品の金額は、合計で6,064億円という統計が2014年に経済産業省から発表されました。中国人インバウンドによる日本での市場規模は4,020億円なので、越境ECはインバウンドよりも大きな市場だといえます。

越境ECは自社EC型とモール型ECの2通り

越境ECへの挑戦は、国内のEC出店と同じく「自社EC型」と「モール型」の2種類があります。自社EC型で越境ECへ挑戦する場合、海外のサーバーやドメインを用意し、現地の言語でのサイト構築が基本です。

モール型ECによる越境ECは、現地ですでに大きな市場を形成しているモール型ECに出店や出品することで、海外のお客様へ商品を販売する方法です。日本国内で言えば、楽天市場やYahoo!ショッピング、Amazonに出店するようなもので、中国ではT-mall、アメリカではeBayといった現地のモール型ECサイトに出店します。

国内への出店と同じように、自社EC型の出店の方がブランディングがおこないやすかったり、手数料の面で有利だったりといった有利な点がありますが、海外に出店した自社サイトへの集客は困難です。個人や中小企業のように、現地ではまだ有名でない商品を販売する場合は、越境ECモールを活用しましょう。

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越境ECでモール型を利用するメリット・デメリット

越境ECへのチャレンジは、越境ECモールを活用するべきだといわれています。具体的にどのようなメリットがるのか、確認しておきましょう。

集客を越境ECモールに任せられる


国外に向けた広い市場を狙った場合でも、ECサイト最大の課題は集客です。
越境ECモールはモールそのものが現地で集客しているため、自社でいちから集客をおこなうよりも集客力は高い傾向にあります。日本国内で楽天やAmazonがテレビCMなども使って集客しているように、各国のモールがその国のユーザーに合わせた集客してくれているイメージです。

集客を越境ECモールに任せ、商品の出品やページの最適化に集中できることは出品者のメリットです。

導入コストを抑えられる


越境ECモールへの出店は、自社で越境ECサイトを構築するよりもコストが抑えられます。自社で越境ECサイトを用意する場合、販売先に合わせた決済システムの導入や、ユーザーからのお問合せに対するカスタマーサービスの体制の準備など、費用がかかる準備が多くなります。

一方で越境ECモールの場合は、モールの基準を満たせばモールが用意したシステムを使って運営できます。現地市場のリサーチに対するコストを最小限にできるため、コスト面の安さは越境ECモールのメリットです。

現地で必要とされる機能が揃っている


販売先の国で必要となる物流インフラや、各種システムが揃っていることも、越境ECモールのメリットです。

越境ECのための自社サイトを制作する場合、用意するのはサイトだけではありません。物流インフラや決済手段の手配など、販売後の準備も必要になります。日本国内とはまったく異なる業者を選ぶことは、かんたんではないですよね。

各種モールの出店準備によって、必要な機能が揃うことは非常に大きなメリットとなるでしょう。

越境ECでモール型を利用するデメリット

モール型の越境ECには魅力的なメリットも多いですが、知っておくべきデメリットもあります。
越境ECモール出店のデメリットも確認しましょう。

ブランディングが難しい


国内のECモール出店と同じく、越境ECモールはブランディングに不向きです。モールの制約によりデザイン面の自由度が低いことも理由の一つですが、購入者がどのショップで購入したのかを覚えてくれない事も、ブランディングが難しい原因となっています。

たとえば日本国内でも「Amazonで買った」「楽天市場で買った」というように、モールの印象が強く、ショップ名までは覚えてもらえないものです。越境ECモールも同様に購入者はモールの印象が強く、ショップの認知度アップに苦労します。ブランディングの難しさは、越境ECモールのデメリットといえます。

顧客のリストが取得できない


出店先のモールにもよりますが、商品購入者の顧客リストをショップがもらえることはほとんどありません。長い時間をかけてリピーターを獲得していく、ストック型のビジネスがECサイト運営の定石ですが、顧客リストはモールに握られたままになってしまいます。長期的な目で見ると、顧客リストが集まらないのは無視できないデメリットです。

競合他社が多くなる


越境ECモールへ出店し全世界へ市場を広げるということは、全世界に競合ができるのと同じです。日本で成功したマーケティングや広告戦略でも、そのまま海外で通用するとは限らないため、海外の市場で海外の企業と市場を争うことになります。

競合との差別化は国内でも重要な事ですが、競合の数が多くなることはデメリットとなるかもしれません。

越境ECモールで成功するためのポイント

勘のいい方はお気づきかと思いますが、越境ECモールのメリット・デメリットは、国内ECモールのメリット・デメリットと非常によく似ています。とはいえ、成功するためのポイントが国内ECモールとまったく同じかといえば、そうではありません。

そこで越境ECモールならではの成功するためのポイントをご紹介します。

ターゲットの国に適切な商品を出品する


日本で人気の商品がまったく売れず、予想もしなかった商品が売れるようなことは、越境ECでよくあることです。たとえば越境ECではゲームやおもちゃが人気の商品ですが、日本では人気のないトーディングカードが、海外では高値で購入されるようなこともあります。

他にも中古ブランドや、中古家電、カメラなども人気のジャンルです。日本人は中古でも品質がよいことが海外でも認知され始めているため、日本国内のユーザーより、海外のユーザーのほうが高い値段でも購入する場合もあります。

ターゲットとなる国で需要のある、適切な商品の出品は越境ECモールで成功するポイントのひとつです。

現地の人が安心して使える決済方法を導入する


日本国内ではクレジットカード決済が主流ですが、海外でも同じとは限りません。たとえば中国では、Alipayや銀聯(ぎんれん)といった決済サービスがよく利用されます。

アメリカの場合は日本と同じくクレジットカードが主流ですが、デビットカードやPayPalの利用率も高く、逆にこの3つ以外の決済方法はほとんど使われません。販売先の国に合わせた決済方法の導入は、越境ECモールで成功するには外せないポイントです。

集客施策をきちんと考えておく


越境ECモールへの出店でも、集客対策は必要です。

具体的には、越境ECモール内でのページ表示を改善していくことになりますので、モール最適化というべきかもしれません。ともかく「出店するだけでは見つけてもらえない」というのは、日本国内のECモール出店と変わらないことです。

せっかく出店したのですから、モールにあわせて集客し、越境ECサイトを成功させましょう。

多言語への翻訳に対応させる


言語の違いによる取りこぼしを防ぐことも、越境ECを成功させるポイントです。越境ECを始める場合は、現地で使われているさまざまな言語への対応をおすすめします。

日本に住んでいるとあまり感じることはありませんが、ひとつの国の中で複数の言語が使われていることは珍しくありません。ユーザーは自分がわかる言語でなければじっくり見てくれませんので、ターゲットとユーザーにあわせて多言語に対応しましょう。

海外発送の日数や料金を把握しておく


越境ECでは、配送方法も事前に確認しておきましょう。

現地でモールが管理する物流倉庫がある場合、商品登録時に倉庫へ商品を預ける場合があります。現地の倉庫で商品が保管されているなら、購入者の手元へすぐに商品が届きます。

日本国内から直接商品を発送したり、日本国内の業者に海外発送を外部委託したりもできますが、出店先のECモールのルールによっては禁止されていることもあるので要注意。

発送の日数や料金など、ユーザーに商品が届くまでの流れを全体的に把握しておくことは、越境EC成功の大切なポイントです。

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日本企業が出店するのにおすすめの越境ECモール4選

出店におすすめの越境ECモールをご紹介します。中国やアメリカ、ヨーロッパ圏など、ターゲット合わせた越境ECモールを選びましょう。

おすすめ1:天猫国際(Tmal Global)


TmallはAlibabaグループのGMVの45%を占める、中国の大手ショッピングモールです。中国に向けた越境ECなら天猫国際(Tmal Global)が王道。

20017年のアリババグループ四半期決算資料から推算すると、流通総額は2.17兆元、日本円で35兆4198億円となります。前年比66.9%増と大きく成長を続けるモールです。

おすすめ2:京東(JD Worldwide)


Tmal Globalと並び、中国の二強とよばれる越境ECモールが、京東(ジンドン)の運営するJD Worldwideです。

中国越境ECのシェアランキングで、1位の天猫国際(Tmal Global)は60%と圧倒的ですが、続く京東(JD Worldwide)も23%という高いシェア率を誇ります。天猫国際(Tmal Global)に劣るとはいえ、2017年の流通総額は2945億人民元、日本円に換算すると21兆1392億円と申し分ない市場規模です。

おすすめ3:Amazonグローバル


日本国内でもおなじみのAmazonが提供する越境ECマーケットです。本国アメリカでのシェア率は68%とシェア率が非常に高く、そのほかドイツやイギリスといったヨーロッパの市場が魅力です。グローバルでの流通総額は20兆6002億円と推測され、日本人になじみ深いモールの中では最大手の越境ECモールといえます。

おすすめ4:eBay


アメリカへの越境ECの場合、eBayも見過ごせません。

日本ではあまり知られていないeBayですが、アメリカではAmazon、Walmartに次ぐ第三位のシェア率があるECモールです。アメリカだけではなく、カナダやイギリス、オーストラリアでの認知度が高いのも魅力。

オーストラリアではAmazonよりも、eBayの方がシェア率が高いなど、ターゲットとなる市場によっては出店の選択肢になり得ます。

まとめ

日本国内の市場にとどまらず、グローバルな市場を形成できる越境EC。出店方法は「自社EC型」か「モール型」ですが、集客力などを考慮すると「モール型」がおすすめです。

ブランディングが難しいなどのデメリットもありますが、日本国内にはないニーズもあります。
ターゲットに合わせた適切なモールを選択し、越境ECサイトを成功させましょう。

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