Google が「マーケットファインダー」の日本版を開始、越境ECに向けた準備状況やおすすめ市場を表示
Google は、日本国内から海外へ向けて越境 EC を活用しビジネス展開していく中小企業に向けて、「マーケットファインダー」の日本版サービスを開始した。
マーケットファインダーは、企業ECサイトの海外進出に向けた準備状況を数字で確認できるほか、自社にとってビジネス機会がある国をランキングで示すことができるツールだ。
「マーケットファインダー」の2つの機能
マーケットファインダーは、2つの機能を備えている。1つ目は、海外販売の準備状況のスコアを算出する機能だ。質問に答えていくだけで、その企業が越境 EC に向けてどの程度準備ができている状況なのかを点数で把握できる。
2 つ目は、企業が新たに進出するべき海外市場の発見をサポートする機能。企業 EC サイトのURLを入力することで、商品やサービスが新たにどの国でビジネスをしていく機会があるのか、またすでに越境EC を実施している企業でも、その他の国に対してビジネスを広げられる機会があるのか、潜在市場のランキング上位を表示する。
海外進出に役立つガイドも公開
2つの機能に加えて、企業が海外進出する際に必要なオペレーション、マーケティングや新型コロナウイルス感染症対策など、越境ECに役立つガイドも準備している。
海外でビジネスを展開するにあたっては、ウェブサイトを現地語に翻訳するだけでは不十分だ。決済手段や各国の法令・ルールなど、ビジネスを始めるにあたってチェックする必要があるポイントもまとめている。
また、実際に海外でマーケティング活動を実践していくにあたっての心構えや視点も確認することができる。
時間と費用をかけずに現地のニーズを確認
ビジネス環境が大きく変化しデジタルシフトしている中、 2030 年までに中小企業がデジタル技術を最大限活用した場合、約30兆円の経済価値がもたらされるとの試算がある(Alphabeta 社のEconomic Impact Report)。
それを背景に、Google は中小企業のデジタル化支援プロジェクトを推進しており、マーケットファインダーもその一環だ。
Googleで検索に使用された検索語句が、どの時期にどの程度検索されているかを確認できるGoogleトレンドをはじめ、さまざまなカテゴリーの中で、 Google 検索上で検索数が急上昇している語句や国と地域、ともに検索されているキーワードを把握することができるリテール版トレンドクエリとあわせてマーケットファインダーを活用することで、時間と費用をかけずに現地の人々のニーズがどのようになっているかを簡単に確認することができる。
越境 ECの可能性をさぐるきっかけに
越境 ECを始めるための第一歩は、ターゲットとなる国や地域の人々のニーズを把握すること、また自社製品と親和性の高い国や地域がどこなのかを知ることだ。
従来は現地のニーズや自社製品と相性の良い国を気軽に知ることは難しかったが、今回のマーケットファインダーのリリースによりそれが可能となった。
マーケットファインダーの結果がすべてというわけではないが、日本の中小企業が海外市場に打って出る可能性を探る良いきっかけになるのではないだろうか。