【2021最新】ECマーケティングに活かす市場調査の手法と市場データ分析

ECのミカタ編集部

市場調査とは

市場調査とは、商品開発や販売、集客戦略のために行うマーケティングの一種です。サービスや商品販売を始める前に、市場に存在している顧客のニーズや動向をリサーチすることで、売上を最大化できる仮説を立てて実行できます。

市場調査で得たデータを分析することで、これから展開するサービスや商品に対しての適切な価格設定、プロモーションが可能になります。たとえば、新しい飲料水を販売する場合、付加価値がないのにもかかわらず500ml350円で販売しても売上は上がらないでしょう。

しかし、市場調査を行い、ターゲットのニーズを把握することで商品に最適な価格を設定し販売できます。このように、これから展開するサービスや商品リリース時の失敗を防ぐためにも、市場調査は必ず必要です。

市場データ分析とは

市場データ分析とは、以下の3つの種類に分類されるデータを収集・分析することです。
1.一次データを収集
2.二次データの利用
3.三次データ(サードパーティデータ)の利用

一次データを収集


一次データとは、特定の目的のために自社で収集した独自データを指します。自社で構築したサイトやデバイスを用いて、ターゲットのアクセス履歴やアンケート結果を収集します。

一次データは調査の自由度が高く、集めたデータは自社だけで活用可能です。

しかし、収集には労力が必要となり、活用できるデータの形にするまでに時間がかかる傾向があります。そのため、外部調査機関に依頼してデータを集め、その中から自社に必要なデータを抜き出し。独自データを作成することも可能です。

また、自社の顧客やターゲットから直接引き出した情報となるため、非常に情報の鮮度が高いです。うまく活用できれば、環境の変化の早いビジネスシーンにおいて、他社にはない情報を素早く展開し競合他社と差を付けられるでしょう。

二次データの利用


二次データとは、すでに公に開示されているデータを指します。調査機関が発表している膨大なアンケート結果や、政府が発表している国家規模のデータなども入手可能です。

たとえば、インターネット上で公開されている1日の新型コロナウイルスの感染者数などは、二次データにあたります。自社で収集した一次データの整合性を確かめるために、二次データを利用することがあります。

三次データ(サードパーティデータ)の利用


三次データはサードパーティーデータとも呼ばれており、複数のデータを集め、加工し、第三者に使いやすいように整形されたデータを指します。三次データの入手方法としては、データ収集専門業者から購入する形となり、膨大なデータを分析する手間が省けます。

また、一次データや二次データとうまく組み合わせることで、自社でしか把握できないデータに組み換えすることも可能です。しかし、三次データは適切な手段で集められていない情報も存在しているため、購入する際は法に抵触していないか確認が必要です。

市場調査の種類と6つの手法

市場調査には、以下の6つの種類と手法が存在します。

1.郵送調査
2.電話調査
3.観察調査
4.面接調査
5.集合調査
6.インターネット調査

郵送調査


郵送調査とは、紙媒体やインターネットのアンケートURLを、ターゲットに対して郵送し回答後返送してもらう調査方法です。

インターネット上でのアンケートが難しい場合や、団体・学校など数が多い場合でも、一気に調査できます。さらに、ターゲットの住所さえ把握していれば、かんたんに調査可能です。

しかし、調査結果が基本紙媒体となるため、調査結果の集計に時間がかかってしまうデメリットがあります。

電話調査


電話調査とは、ターゲットに対して直接電話をかけて情報を収集する調査方法です。
郵送やFAXでの調査に対して返答がない場合でも、電話さえつながればその場で調査できます。

しかし、電話をかけるための人員リソースと時間が必要となり、ターゲットが電話に出ない場合はまったく情報を得られません。

観察調査


観察調査とは、定性調査の1つで人の生活行動や環境を観察し、一定の人に対してインタビューをおこなう調査方法です。

たとえば、スーパーで観察調査をおこなう場合は買い物の様子を観察し、店から出たタイミングでインタビューします。

実際に対面でインタビューするだけではなく、ターゲットの事前行動を観察しておき、インタビュー時に詳細を伺う形になります。そのため、より具体的にターゲットに対して調査が可能です。

しかし、インタビュー自体を断られてしまうと、調査を進められないデメリットがあります。

面接調査


面接調査とは、調査員がターゲットに対して対面で会話しながら回答を得る調査方法です。

複数の調査員と時間を要しますが、ターゲットに対して直接質問をおこなうため、郵送調査以上に具体的な調査結果を得られます。しかし、質問をおこなう調査員によって、回答結果に偏りがある可能も存在します。

集合調査


集合調査とは、複数人を同じ場所に集めて、用意したテーマに対しディスカッションをおこなう調査方法です。個々の意見ではなく、グループでの意見や会話の流れについて、アンケートでは得られない情報を集められます。

しかし、うまく会話を誘導しなければ、テーマとはかけ離れたディスカッションになる可能性があります。

インターネット調査


インターネット調査とは、ネットユーザーに対してメールなどでアンケートを送付し、回答を収集する調査方法です。

ターゲットリストさえ用意しておけば、人員も時間もかけずに簡単に調査できます。そのため、簡易的な調査結果を低コストで大量に集めたいときに用いられます。

しかし、調査に対しての具体的な結果を求めている場合は、他の調査方法がより最適な時もあります。

市場調査を行う際の注意点とポイント

市場調査をおこなう際の注意点とポイントは、以下の3つです。

1.何のための調査なのか目的を考える
2.仮説を立て検証する
3.調査ターゲットや実施方法を考える

何のための調査なのか目的を考える


市場調査をおこなう際は、何のための調査なのか目的を考えておきましょう。明確な目的が存在しなければ、どこを調査の着地点とするのかを決定できません。

たとえば、「自社で発売する新しい商品のターゲット層が、適切かどうかを確認する」など、明確な目的があればマーケティング施策に活かせます。

しかし、明確な目的が定まっていないのにもかかわらず、市場調査を始めてしまうと、どこまで情報を収集すればいいのかわからなくなります。また、万が一自社にとって不都合な結果となった場合でも、データの改ざんなどは行わないようにしましょう。

仮説を立て検証する


市場調査を実施する上では、仮説を立てて実行、検証、改善を続けることが重要です。最適なデータを求めるだけではなく、目標の問題点を炙り出すことが成功へとつながります。

たとえば、自社商品の売上が低迷している場合、いくつか問題点の仮説を立てて、ターゲットに対して調査を実施します。その際に、具体的にどこが問題なのかを市場調査を通して把握していきます。

ただ市場調査でデータを求めること自体が目的にならないように、仮説を立て何度も検証することで、自社サービスや商品の問題点を見つけ、改善していきましょう。

調査ターゲットや実施方法を考える


実際に市場調査を始める前に、調査ターゲットや実施方法を考えましょう。10代〜20代をターゲットに認知度を調査するのであれば、インターネットを用いた調査が効果的です。

また、50代〜70代をターゲットに具体的な満足度を把握したい場合は、電話やインタビュー調査の方がよいといえます。また、調査時に発生するコストや調査規模についても、あらかじめ定めておくと求めているデータを収集しやすくなります。

データ分析の重要性とメリット

ビジネスを成功させる過程において、データ分析は非常に重要です。日々さまざまな情報があふれている現代では、ニーズの多様性が高まっており、顧客に対して一元的な対応では追いつかなくなっています。

そのため、自社のビジネスモデルに合わせて市場調査をおこない、自社が直面している問題点を把握し、解決策を練っていく必要があります。

たとえば、「情報を視覚的にまとめられる」や、「成果分析の判断基準となる」など、データ分析にはさまざまなメリットが存在しているため、日頃からデータを元に判断をする習慣を身に着けておくとよいでしょう。

ECサイトにおけるデータ分析3つのポイント

ECサイトにおける、データ分析のポイントは以下の3つです。
1.現状分析
2.施策立案・実行
3.検証

現状分析


現状分析とは、事実としているデータと数値化し、分析を行うことです。主観的な判断ではなく、事実として自社ECサイトの売上がどれほど上がっているのか、サイトのセッション数の増加数など、具体的な数値を把握します。現状のデータを分析することで、今後の数値との比較が可能です。

施策立案・実行


施策立案とは、把握・分析した現状データから、目的達成のためにどのように行動するのか、といった施策を立てることです。また、考えた施策は実行しなければ意味をなしませんので、積極的に実行することが重要でしょう。

検証


検証とは、実行した施策の結果を確かめることです。たとえば、3ヶ月分の間に実行した施策に対して再度データ分析をおこない、実際にどれほどの成果が出たのか検証します。そうすることで、実行した施策は有効だったのか、意味がなかったのかの確認ができます。

また、考えた施策が最初から有効であることは少なく、何度も仮説検証を繰り返すことで少しずつ問題解決につながっていくことが多いです。一度の検証だけで完結せずに、自社のビジネスモデルに応じた適切な施策を何度も検証することが重要です。

まとめ

市場データ分析はECサイトを運営していく上で、非常に重要です。ビジネスを始める前に市場調査をおこなうことで、ターゲットに対して適切な商品設計・価格設定ができます。市場データ分析は自社の求める情報に応じて、一次データの収集や三次データの利用をおこなう必要があります。

しかし、三次データに関しては販売元から購入する際に、適切な手段で集められたデータか確認が必要です。また、市場調査をおこなう際は、目的を把握した上で仮説を立て検証する必要があります。

さらに、目的に応じたターゲットと調査方法を設定することで、自社の求めるデータが収集できます。これら市場のデータ分析はECサイトの運営にも活用可能であるため、成果分析の判断基準とするためにも、積極的に実施していくことがおすすめです。


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