SEOとは? EC事業者が抑えて置くべき基礎知識

ECのミカタ編集部

年々市場が伸びているEコマース市場。
特にコロナ禍において、リアル店舗での購買機会が減少しているため、ECサイトでのショッピング需要が高まっています。
また企業側もしかり、今までリアル店舗のみで運営していた企業も続々とEコマース市場へ参入、もしくはEコマース市場での対策強化を行う傾向が強いです。
ECサイトで売上を向上させるために欠かせないのが、WEBマーケティングです。
様々なWEBマーケティング施策がある中で、今回はその中でも、SEO対策について解説していきます。
SEO対策によって検索結果に上位表示されると、売り上げに直結する効果をもたらすため、ECサイトでのSEO対策は重要です。
今回は、そもそもSEOとは何かわからない方も理解できるように、SEOの概要からECサイトでのSEO対策まで解説します。

そもそもSEOとは?

SEOとは、Search Engine Optimizationの略であり、「検索エンジン最適化」のことを意味します。
SEOはWEBマーケティングにおいて重要な施策でありますが、内容として「特定のキーワードで検索された時に検索結果の上位表示にすること」とイメージする方も多いのではないでしょうか。
しかし、検索結果に上位表示するだけがSEOではなく、上位表示された後にしっかりコンバージョンに繋げ、売り上げや企業成長に大きく貢献することが本来のSEOの目的です。
そのため、検索から流入したユーザーがどのような目的でサイトを閲覧しているかを読み取り、ニーズを満たすコンテンツの作成や、ユーザーの悩み解決に向けたサイトを設計をする必要があることを念頭に入れておきましょう。

SEO対策=Google対策?


日本の検索エンジンのシェアは70%がGoogleで占めており、ほぼ独占している状況で、今後も拡大していくと予想されています。
またYahooはGoogleの検索アルゴリズムを利用しているため、SEOの対策=Google対策と考えても良いでしょう。
SEO対策を行う前に、まずGoogleが検索結果を表示する仕組みを抑えてくことが大切です。
Googleは検索結果を表示するまで次のような仕組みがあります。

クローリング
WEB上にどのようなページが存在しているか確認するために、クローラーと呼ばれるロボットがWEBサイト上を巡回し、情報を読み取ります。

インデックス登録
クロールされたWEBサイトはページ内容を把握するため分析され、Googleの巨大なデータベース上にインデックス(索引)登録されます。
※インデックスとは「索引」のことで、詳しく解説しますと、莫大なデータ量を保有するデータベースシステム上では、どのようなデータがどこに存在しているかを登録する必要があり、検索速度を上げるためのデータ本体とは別に作る索引データを意味します。

検索結果の表示
ユーザーがキーワードを検索すると、Googleのアルゴリズムに基づき最適な検索結果をインデックスデータから表示します。
このように検索結果に表示される前に、GoogleがWEBサイトを認識するプロセスがありますので、まずクローラーが読み取りやすいサイト構造であることが大前提です。
仕組みを理解しないままSEO対策をしてしまうと、評価されないコンテンツを作ってしまったり、Googleからペナルティを受け、順位を下げられてしまう可能性もあるの注意しましょう。
またGoogleが公式に発表している「Googleが掲げる10の事実」という情報があり、このガイドラインに沿ったSEO対策を行うことで、検索順位を大きく改善できる可能性があるとGoogleは明らかにしてます。
Googleがどのような判断で検索結果を返しているか、一度見てみることを推奨します。
(Googleが掲げる10の真実:https://about.google/philosophy/?hl=ja

ECサイトにおけるSEO対策は?

SEOの概念と、検索エンジンの基本が抑えられたところでECサイトにおける具体的なSEO対策を抑えていきましょう。
SEOの具体的な施策は、「内部対策」と「外部対策」に分けられ、それぞれについて解説します。

ECサイトの外部対策


被リンク対策
外部サイトが自社サイトにリンクを設置されることを被リンクと呼び、被リンクの量・質・時間(設置されてからの期間)・関連性によって、検索結果の順位に大きな影響を与えると言われています。
Googleは被リンクが多いサイトを、このサイトは外部のサイトから評価を得ていると判断し、検索結果にも良い影響を与える傾向があります。
しかし自作自演の被リンクや、悪質なサイトや関連性のないサイトからの被リンクはGoogleからの評価を下げる、もしくは評価を全くされない(無効)になる可能性があるため、あくまでも取引のサイトや、外部パートナーのサイトから被リンクを貼ってもらえるよう自社のサイトを充実させましょう。

ECサイトの内部対策


WEBサイトのHTMLタグ、リンク、コンテンツなど、サイトの中身を改善することを「内部対策」と言います。
内部対策を行うことで、WEBサイトをしっかりクロールとインデックスさせ、Googleから適切に評価をしてもらいます。

ここでは、基本的な内部対策について紹介します。

タイトルにキーワードを含める
タイトルはWEBサイトでもっとも重要な要素の1つです。
検索結果上では、ユーザーがタイトルを見てクリックするため、ユーザーが興味を持つようなタイトル且つコンテンツの内容とマッチしたキーワードを必ず盛り込むようにしましょう。

H1/H2の見出しタグをつける
見出しタグは、本で例えると章、節、項にあたります。
ページ内の情報を整理してあげることで、クローラーがどのような内容が書かれているか適切に理解しやすくなる効果があり、またユーザーにとっても理解しやすい構成となります。

メタディスクリプションを設定する
メタディスクリプションとは、WEBサイトの概要をHTMLで記述したタグを指します。
スニペットとも呼ばれ、サイトの概要を伝える役割があり、ユーザーにとってわかりやすい内容であればあるほどクリック率にも影響します。
またECサイトなどのネットショップであれば、「セール」「送料無料」「即日配達」などクリックを誘発するキーワードがあると効果的です。
※メタディスクリプションを変えることで直接的にSEOの順位が上がる訳ではないですが、クリック率が上がることで、SEOの順位に好影響を与えると言われております。

画像のaltタグを適切に使う
画像を使用する際に大切なのが、altタグを適切に使うことです。
altタグとは、画像を説明するテキストを指し、Googleはaltタグを元にどんな画像であるのか理解します。
altタグはHTMLで、”画像の内容”のコードを入力し、例えば黒いポロシャツの画像であれば、”ポロシャツ黒”と入れましょう。
また画像を使用する際のポイントとしては、出来るだけオリジナル画像で多種類に用意し、テキストに対して適切な場所に挿入することも覚えておきましょう。
特にECサイトでは、ユーザーが商品についてより知ることができるように正面から撮影した画像だけでなく、角度を変えた画像やサイズごとの画像、使用イメージ画像なども合わせてアップしましょう。

モバイルフレンドリーに対応する


スマートフォンの普及に伴い、ECサイトを閲覧する環境も大きく変わりました。
Googleではモバイルフレンドリーであるかどうかという点はモバイル端末での検索順位に影響を与えることが発表されており、その対応は必須です。
PC表示のままスマホでサイトを閲覧すると、商品紹介の文章やレビューが読みづらい、カートボタンが小さくて押せないなどユーザーに不満を与えることになり、サイトを離脱するきっかけになってしまいます。

ページスピードを強化する


ページのスピードを改善することも、ECサイトの大切な課題です。
表示に3秒以上かかると53%のユーザーが離脱するという調査結果も出ているので、積極的に速めるように心がけましょう。
改善を行う際は、現状のサイト表示速度とその改善方法をツールで確認することができます。

続いて、内部対策の中でも、重要なコンテンツ対策について切り出して説明していきます。

ECサイトのコンテンツ対策

前述したSEOの内部対策の中でも、サイトのコンテンツ対策が近年ますます重要になってきています。
コンテンツ対策とは、コンテンツ(記事)がユーザーにとって価値のある、つまりユーザーの検索意図に応える記事を作成していくことです。

ここからはECサイトのコンテンツ対策について解説します。

キーワード選定


自社サイトの訪問者数を増やすためには、まず関連したキーワードで検索した時に表示されなければいけません。
そのためのキーワード調査と活用が絶対不可欠であり、キーワードはユーザーの検索ニーズから逆算しましょう。
ECサイトの場合、ユーザーがどんなキーワードで検索し、商品を購入までに至るか仮説を立てます。
もし自社で顧客のデータが蓄積されている場合はここで合わせて活用するとヒントがあるかもしれません。

ビックキーワードとロングテールキーワード
キーワードの選定の仕方として、抑えておきたいコツがあります。
それはビッグワードと言われる競合が多いキーワードを狙うのではなく、ロングテールと言われる2つ〜3つを組み合わせたキーワードを狙うことです。
例えば、「化粧水」がビッグワードだとすると、ロングテールキーワードは「化粧水+おすすめ+プチプラ」になります。
ビッグワードは競合も狙うことが多く、上位表示の難易度は上がりますが、ロングテールキーワードはうまく活用することにより、大手よりも上位にヒットする可能性は高くあります。
またキーワードを選定する上で、様々なツールや手法も役に立ちます。

●Amazonのサジェストキーワード
Amazonの検索欄に商品名を入力した際に表示されるキーワードは、ユーザーが多く検索するキーワードであり、ニーズが高いキーワードです。
競合サイトからユーザーニーズのヒントを得るのも一つの手法です。

●キーワードプランナー
キーワードプランナーは、Googleが提供する無料ツールで関連キーワードやキーワードの検索ボリュームを調べられます。
キーワードに対し、月間でどれくらい検索されているか数値で確認が取れるため、根拠に基づいたキーワード選定が可能です。

キーワードをもとに記事を作成する


キーワードを選定したら、選定したキーワードの検索意図に基づいたコンテンツを作成しましょう。
ECサイトの近年の傾向では、大手や競合他社にはないオリジナリティに長けていて、また単なる商品の説明ではない読み物のようなコンテンツを作成することで、検索上位を狙う傾向が強いです。
たとえば、商品の使用レビューや、スタッフのブログ、商品に関連する知識などの内容はECサイトが得意とする分野であるため、SEO対策を進めるためのポイントとなります。

記事に商品ページの導線を設置する
記事が作成できたら関連する商品ページのリンクを貼り、ユーザーを商品ページへ誘導しましょう。
サイト内でリンクを設置することにより、記事のキーワードが上位表示された時に流入するユーザーが増え、自然と商品ページにもユーザーが流れ込むようになります。
商品を閲覧するユーザーが増えると商品が売れやすくなり、本来目的であったECサイトの売り上げ向上が見込めるようになります。
このようにして、商品ページへの有効なアクセスを増やして、商品が売れやすいようにECサイトのSEO対策を進めることがポイントとなります。

まとめ

今回は、SEOの概念からECサイトのSEO対策についてご紹介しました。
ご紹介した対策はほんの一部であり、サイトの構築状況によっては、エンジニアを巻き込み内側対策を行う必要がありますが、まずはGoogleの仕組みを理解し、ユーザーの利便性を追求するサイト設計を心がけることが、現時点では再現性の高いSEO対策と言えるでしょう。
この記事を参考にしていただき、ECサイトのSEOを改善して売上アップを目指しましょう。


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