Shopify、越境EC参入を容易にする新ソリューション「Shopify Markets」をリリース

ECのミカタ編集部

Shopify Japan 株式会社(本社:東京都渋谷区、日本カントリー・マネージャー:太原 真) は、越境ECに必要なツールを一元管理出来る新ソリューション「Shopify Markets(ショッピファイ・マーケット)」をリリースすると発表した。

これによりマーケットの特定、販売の準備、立ち上げ、最適化をすべて1つのShopifyストアで行えるようになるため、あらゆる規模の事業者(マーチャント)の海外市場参入がより容易になる。Shopify Marketsは、9月14日より全世界で先行提供を開始し、今後数ヶ月以内にすべてのマーチャントに展開される予定だ。

日本企業の越境ECの活用率は4年間で約15%上昇

近年EC市場は右肩上がりに成長を続けており、2020年は新型コロナウイルス感染症の影響により、世界中でeコマースが記録的に伸長した。世界中で20億人以上の消費者がオンラインで買い物をし、売上高は4.3兆ドル(約473兆円)に達し、2021年には16.8%増の5兆ドル(約550兆円)にのぼると予測されている。

その中で、世界中のShopifyを利用する事業者は、既存の越境ECツールを活用し、2020年には200億ドル(約2兆2000億円)の売上を達成した。

また、日本貿易振興機構(JETRO)の調査によると、日本企業における越境ECの活用率は過去4年間で約15%上昇しており、特に中小企業がECを活用した海外販路拡大に強い意欲を示している。

2021年7月にはグローバルなDTCブランドのタイガー魔法瓶やKURASUを含む、日本でShopifyを利用する事業者の約15%がすでに海外への販売を行っており、また日本でShopifyを利用している事業者のオンラインストアへのアクセスのうち、11%が海外からであることがわかっている。

しかし、多くの事業者にとって、通貨の変換、言語のローカライズ、現地での支払い方法の提供、関税や輸入税の計算など、海外への販売には数々の障壁がある。そこで、同社ではそれらをより簡単に管理できるよう、今回のShopify Markets立ち上げに至ったという。

海外の新規マーケットへ簡単に参入

 海外の新規マーケットへ簡単に参入

Shopify Marketsの活用により、わずか数回のクリックで新しいマーケットを開拓し、より多くの世界中の顧客に対してビジネスを展開することが可能。

また開拓した各マーケットを一つのダッシュボードで管理し、ビジネス全体を包括的に見ることができる。

現地マーケットに合わせたローカライズ・カスタマイズ

現地マーケットに合わせたローカライズ・カスタマイズ

オンラインストアの言語や通貨を購入者に合わせてローカライズすると、コンバージョンがそれぞれ13%と40%と大幅に増加することが判明している。事業者が地域を超えて消費者に価値のある体験を提供できるよう、Shopify Marketsは事業者が簡単に以下をカスタマイズできるようにサポートする。

・ 各マーケットの通貨と支払方法
・マーケットごとの価格設定と端数処理
・マーケットごとの在庫状況の把握
・ 複数言語対応
・ 自動でSEO対策ができるローカルドメインの使用
・購入者の地域に応じて、適切な通貨や言語を自動表示
・ 関税や輸入税を計算することで、商品配送時の不意のコストを排除
 (今後事業者はチェックアウト時にこれらを計上することが可能となる)

実用的なインサイトとスマート設定でオペレーションを最適化

実用的なインサイトとスマート設定でオペレーションを最適化

Shopifyはさらに、事業者が新しい地域でいつ、どこで、どのように販売することが最も効果的か、世界中の170万以上の事業者のデータに基づいたインサイトを提供する。

またスマート設定では、越境EC専門のチームに頼らずとも、効果を最大化するための設定を自動で最適化することが可能だ。

例えばShopifyは、各マーケットでどの支払い方法を使用すると最もコンバージョンが高いかを把握し、チェックアウト時に自動的に最適な支払い方法を表示する。そのため、事業者は各マーケットで最も普及している支払い方法を把握する必要がないという。

グローバルな一元管理プラットフォーム

グローバルな一元管理プラットフォーム

Shopify Marketsにおいて、事業者は、1つのオンラインストアからシームレスに各マーケット向けにローカライズされた店舗を作成することができる。

つまり、事業者はすべての越境ECをShopify管理画面の1カ所で管理することができ、日本だけでなく、その他1つの国あるいはアジア全体といった地域など、それぞれのマーケットに合わせた消費者体験の提供が可能となる。

Shopifyの一元化されたコマースプラットフォームにより、事業者はビジネス全体を包括的に見ることができ、国内外のマーケットでのビジネスのパフォーマンスをモニタリングすることができる。

日本のEC事業者のグローバルな飛躍に期待

2004年にカナダのオタワで設立されたShopifyは、個人事業主から中小企業、大手企業まで、175カ国以上で170万以上の事業者が導入しているECプラットフォームのリーディングカンパニーだ。

今後日本国内ではますます人口減少と高齢化が進んでいく一方、世界に目を向ければ若年人口の多い消費意欲旺盛な市場や、今後さらに経済成長を遂げていく市場が数多く存在する。とはいえ、越境ECの可能性をわかってはいても、特に中小の事業者はノウハウ不足やリソース不足により、越境ECに手を出すのは容易ではなかったのが実情だろう。

今回のShopify Marketsのリリースにより、より多くの日本企業が世界に羽ばたき、日本の「いいもの」が世界で受け入れられることを期待したい。

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