Instagram広告の費用は?料金形態と費用相場や広告の種類、運用のコツまで徹底解説!

ECのミカタ編集部


インスタグラム広告とは

インスタグラム広告は、Instagram(インスタグラム)上に広告を配信する機能です。インスタグラムは、写真や動画をメインとしたSNSで、Facebookが運営しています。もともとは個人ユーザーが多く、企業によるアカウントの運営は少なかったのですが、近年では増加傾向にあります。しかし、依然としてエンドユーザーも多いため、一般消費者向けのビジネスにおいては効果的な広告媒体となるでしょう。

インスタグラム広告の特徴

広告は、テレビ、ラジオ、駅看板など、媒体によって特徴が異なります。インスタグラム広告をはじめとするSNS広告も同様です。そのため、媒体ごとの特徴を比較したうえで、商材や訴求にあたって適切な出稿先を選ぶことが大切です。以下では、インスタグラム広告の特徴について解説します。

精度の高いターゲティングが可能


オンライン広告では、性別や年齢、居住地域など、あらゆる属性でターゲティングが可能です。とくにSNSにおいては、ユーザーの興味関心やライフスタイルも色濃く反映されるため、より緻密なターゲティングができます。また、実名登録制のFacebookと連携している点もインスタグラムの特徴です。複数のプラットフォームをまたいで、個々のユーザー属性を管理しているため、精度の高いターゲティングができる仕組みになっています。

広告の出稿面が多い


広告の出稿面が多い点もインスタグラム広告の特徴です。インスタグラム広告には、以下の6種類があります。

・フィード広告
・ストーリーズ広告
・動画広告
・カルーセル広告
・コレクション広告
・発見タブ広告

オンライン広告は、オフラインの広告に比べてバリエーションが豊富な傾向にありますが、6種類もの広告を備えているケースは希少です。広告の種類が多いほど、幅広い訴求パターンが生まれます。商材に応じてアプローチを変えられる点は大きなメリットです。

自動最適化で高精度の運用が可能


インスタグラム広告は、オンライン広告のメリットである自動最適化にも強みをもっています。インスタグラム広告は、Facebookのアルゴリズムにもとづいて自動で最適化されます。

自動最適化とは、広告ごとのコンバージョン率、時間帯や属性によるコンバージョン率の違いなどを分析したうえで、もっとも効果的な表示方法を探る機能です。中でも、Facebookの最適化機能はその優秀さで知られています。

そのため、インスタグラム広告のターゲティングにおいては、はじめからターゲットを絞りすぎず、アルゴリズムによって徐々に最適化を図る方法がおすすめです。


インスタグラム広告の費用相場・料金形態

オンライン広告では、CPMやCPC、CPVなど、さまざまな料金形態があります。オフライン広告と異なり、定価や出稿単価が決まっていないため、複雑に感じる方も多いでしょう。しかし、インスタグラム広告の料金形態は4種類です。それぞれの特徴を理解できれば、システムはそれほど難しくありません。以下では、インスタグラム広告の料金形態と費用相場について解説します。

【CPM】広告が1000回表示されるたびに費用が発生


CPM(Cost Per Mille)は、広告が1,000回表示されるたびに費用が発生します。費用相場は1再生あたり0.5円から1円程度です。表示回数に応じて費用が決まるため、回数を増やして露出を図りたい場合に適しています。一方、コンバージョンにつながりにくい広告を配信した場合は、十分な費用対効果が得られないリスクもあります。

【CPC】広告がクリックされるたびに費用が発生


CPC(Cost Per Click)は、広告がクリックされるたびに費用が発生します。費用相場は、1クリックあたり40円から100円程度です。クリック回数に応じて費用が決まるため、表示されていてもクリックされなければ費用は発生しません。広告運用に慣れていない方におすすめです。しかし、CPCで広告を運用する場合、クリックの獲得を目的として最適化されるため、認知拡大やブランディングを目指す場合には向きません。

【CPV】動画広告の再生時間に応じて費用が発生


CPV(Cost Per View)は、動画が再生されるたびに費用が発生します。費用相場は、1再生あたり4円から7円程度です。再生の定義には、再生開始、10秒以上の視聴、最後まで閲覧と、いくつかのパターンが用意されています。インスタグラム広告は、再生中であってもユーザーが自由にスキップできるため、かならずしも再生回数に応じて課金されるわけではありません。動画広告のメリットは、視覚的なインパクトと豊富な情報量です。うまく訴求できればコンバージョンにもつながりやすいでしょう。


【CPI】広告からアプリがインストールされるたびに費用が発生


CPI(Cost Per Install)は、アプリがインストールされるたびに費用が発生します。費用相場は、1インストールあたり100円から150円です。有料アプリの場合、広告費用が発生するタイミングで売上も発生するため、費用対効果を担保しやすい点が特徴的です。一方、無料アプリや一部有料アプリの場合、インストール後のナーチャリングができなければ広告効果も薄くなってしまいます。また、toB向けのアプリは十分な広告効果が得られにくいともいわれています。

インスタグラム広告の種類

前述のとおり、広告の出稿面が多い点はインスタグラム広告の特徴です。広告のバリエーションが豊富なため、種類ごとの特徴をおさえたうえで出稿方法を決めなければいけません。また、出稿する広告の種類によって入稿フォーマットが異なる点にも注意が必要です。

以下では、インスタグラム広告の種類と特徴について解説します。

画像広告


画像広告は、インスタグラムのフィードに表示されます。フィードとは、ユーザーの投稿が並ぶタイムラインです。画像広告は、1枚の画像とキャプション(説明文)から構成されます。通常の投稿と並んでフィード画面に表示されるため、広告色が薄く、ユーザーにとっても抵抗感を与えない点がメリットです。

画像広告の入稿フォーマットは、以下のとおりです。

動画広告


動画広告は、画像広告と同じく、インスタグラムのフィードに表示されます。Facebookが2017年に調査した結果によれば、インスタグラムにおける動画の視聴時間が前年比で80%増加しているようです。YouTubeやTikTokなどの動画コンテンツが人気を博している点を考慮すれば、今後さらに動画に対する需要は高まっていくでしょう。

動画広告の入稿フォーマットは、以下のとおりです。

カルーセル広告


カルーセル広告は、フィードに複数の画像や動画を表示できます。複数のコンテンツを配置できる点が最大の特徴です。ストーリー仕立てのコンテンツ、複数の商品のアピール、さまざまな角度からの訴求などに適しています。2枚目以降の画像や動画はユーザーがスワイプしないと表示されないため、はじめに表示されるコンテンツでフックをつくる必要があります。

カルーセル広告の入稿フォーマットは、以下のとおりです。

ストーリーズ広告


ストーリーズ広告は、インスタグラムのストーリーズに表示されます。ストーリーズとは、24時間限定で公開される投稿です。通常の投稿がフィード内に表示される場合と異なり、ストーリーズは全画面で表示されます。期間限定のタイムリーな投稿であるため、アクティブなユーザーの多くがログイン時にストーリーズをチェックしています。そのため、多くのユーザーにリーチしやすい点が特徴的で、ストーリーズ広告もカルーセル広告のように連続して表示させることが可能です。

ストーリーズ広告の入稿フォーマットは、以下のとおりです。

インスタグラム広告の費用対効果を上げるためのポイント

広告を運用する際、ターゲティングや素材、運用体制によって広告効果は大きく変わります。魅力的な商材であっても、効果的に訴求できなければコンバージョンにはつながりません。以下では、インスタグラム広告の費用対効果を上げるためのポイントについて解説します。

ターゲットを明確にして適切な広告配信を行う


前述のとおり、インスタグラム広告にはいくつかのバリエーションがあります。配信面、コンテンツのサイズ、画像や動画と、訴求パターンもそれぞれ異なります。そのため、ターゲットに応じた使い分けが重要です。また、広告の種類だけでなく、ユーザー属性によるセグメンテーションも設定できるため、明確なターゲット像を描いたうえで訴求すべきです。

インパクトのあるクリエイティブ制作を行う


オンライン広告が主流となっている現在では、多くの企業がインスタグラムをはじめとするSNS上に広告を出稿しています。そのため、ユーザーにとってもSNS広告自体に目新しさはありません。いかにユーザーの興味をひく素材を制作できるかが大切です。

とくにインスタグラムの広告は、すべて画像や動画で構成されるため、視覚的なインパクトが重要です。細部までつくりこんだおしゃれな動画、利用シーンが明確にイメージできる画像など、どんな部分に強みをもった広告を制作したいかを意識するとよいでしょう。

ハッシュタグを活用する


ユーザーがインスタグラムで投稿を検索するとき、ハッシュタグを利用します。たとえば、飲食店であれば「#おしゃれランチ」や「#オーシャンビュー」など、店舗の魅力をアピールできるハッシュタグを設定するのがおすすめです。

また、ハッシュタグを検索すると何件の投稿があるかを確認できます。多くのユーザーが利用しているハッシュタグは、その分検索するユーザーも多い傾向があるため、露出増加につながりやすいでしょう。

PDCAをしっかり回して迅速な対応ができる体制づくり


インスタグラムに限らず、広告運用においてはPDCAを回して、つねに改善を図ることが重要です。仮説の対象は、ターゲティング、訴求ポイント、広告素材など、多種多様です。あらゆる要素に対して仮説をたてたうえで、数週間程度をかけて検証して、成功や失敗の要因を探ります。

なお、広告運用のPDCAはあまり短いスパンで回してしまうと、正確な結果が得られにくい点に注意しましょう。広告の接触からコンバージョンまでに時間がかかるケースがあるほか、オンライン広告は十分に最適化されていない状態で効果を検証すべきではありません。

インスタグラム広告の事例

広告の制作にはクリエイティブな発想が求められるため、他社の事例からインスピレーションを得ることも必要です。また、他社の出稿事例は、媒体を意識した訴求を検討するうえでも貴重な材料となるでしょう。
以下では、インスタグラム広告の事例について紹介します。

ダイキン工業

エアコンを中心に取り扱うダイキン工業は、インフルエンサーを用いた広告を展開しています。若年層が興味をもちにくい商材でアプローチするための施策です。また、クイズ形式のアンケートスタンプを導入している点も特徴的です。アンケートスタンプは、ユーザーと双方向的なコミュニケーションを実現できるため、親近感を与えられます。

バイトル

求人検索サービスのバイトルは、フィード広告で活用していた1:1の素材をストーリーズ広告にも流用しています。従来のストーリーズ広告は、9:16のアスペクト比しかサポートしておらず、別の素材を用意する必要がありました。しかし、フルスクリーンサポートの導入により広告素材を共有できるようになっています。フルスクリーンサポートを利用すれば、複数の配置で手軽に展開できるため、配置による広告効果の違いを検証してみるのもよいでしょう。

モンスターストライク


ゲームアプリを手がけるモンスターストライクは、リエンゲージメントを目的としてインスタグラム広告を展開しています。インスタグラム広告では、ターゲティングを活用して、休眠ユーザーに効率よくアプローチできます。また、イベントのタイミングに合わせて広告を配信している点もコンバージョンを高めている要因です。

花王

化学メーカーの花王は、若年層をターゲットにした商品のプロモーションにインスタグラム広告を活用しています。インスタグラム広告を選定したのは、20代女性がテレビよりもスマートフォンにおける広告接触の機会が多い点に注目したためです。商材やターゲットに応じてアプローチを変える姿勢は、広告運用を成功させるうえで非常に重要です。

キリン

飲料メーカーのキリンは、フィードやストーリーズをはじめ、複数種のインスタグラム広告を運用しています。配信面ごとにユーザーの求めるポイントを意識して、素材や訴求を変えています。広告効果を高めつつ運用するには、配信面の特徴を踏まえた工夫が求められるでしょう。

まとめ

インスタグラム広告は、ターゲティング精度の高さや自動最適化の優秀さで知られています。画像や動画をメインコンテンツとするSNSであるため、視認性に優れた広告を配信できる点も特徴的です。

また、インスタグラム広告はバリエーションも豊富で、商材や訴求によって配信面を変えられます。うまく活用できれば高い広告効果を生み出せるでしょう。

Instagram運用に関するホワイトペーパーまとめ


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