BEENOS『越境EC世界ヒットランキング2021』を公表 今年売れた日本商品は?

ECのミカタ編集部

BEENOSグループのBEENOS 株式会社(東証一部 3328、本社:東京都品川区、代表取締役:直井 聖太、以下BEENOS))は、2021年の越境ECの消費動向を振り返る「BEENOS 越境EC 世界ヒットランキング 2021」を公表した。ここではその概要についてポイントを絞って見ていく。

2021年の消費キーワード「世界同時消費」

2021年の消費キーワード「世界同時消費」

2021年もコロナ禍の影響でリアルでの行動制限は続いているが、一方で、DXやオンラインでのグローバル化が進み、デジタル世界の中で、その距離は縮まっている。2021年もNetflixで世界同時配信された「イカゲーム」の世界的ヒットなど、コンテンツをきっかけに、世界で同時にヒットが生まれた。

共通プラットフォームによる世界同時配信やリアルタイムの多言語での翻訳化、ボーダーレスなファンコミュニティによって、ヒットの時差は縮まり、各国のトレンドと世界のトレンドが相互に影響を与えるようになった。それによって、国内だけでなく世界で同時に販売できる「EC = グローバル」の傾向はより強まったようだ。

2021年に話題になったアニメといえば、「呪術廻戦」が挙げられる。同作は新作アニメを現地放映とほぼ同時に配信している世界最大級のアニメ配信サイト「クランチロール」で配信され、日本との時差を感じさせないタイミングで海外でもヒットし、Buyeeでの関連商品の流通も前年同期比214.55倍に急拡大した。

また、日本と海外でのトレンドの垣根がなくなり、「レトロブーム」は世界に広がった。「アナログ」関連2.06倍、「チェキ」関連1.91倍とBuyeeでの流通も前年同期比で伸長している。こうした世界同時 消費の背景に、DX、SNSの浸透があることは間違いなく、世界と各国のトレンドは相互に影響を与え合うようになった。

BEENOS 越境EC 世界ヒットランキング 2021

BEENOS 越境EC 世界ヒットランキング 2021

越境EC代理購入サービス「Buyee」の購買データに基づき抽出された日本発、世界で売れている商品のエリア別ランキングは画像の通りだ(「世界人気TOP5」には前年同期比の伸長率を記載、昨年比で順位が上がった商品カテゴリの伸長率は赤字で記載)。

<トピックス>
・世界的に日本の「エンタメ」、「ファッション」の需要が高い
・インフルエンサーやデザイナーズブランドなどの影響で、ファッションにもオタク消費的な傾向が顕著になった
・コロナ禍で価値観が見直され現金だけでないモノの価値が高まり、「トレーディングカード」、「アクセサリー・時計」の需要が上昇

越境EC二大ジャンル「エンタメ・ファッション」

越境EC二大ジャンル「エンタメ・ファッション」

Buyeeにおける越境ECで人気の二大ジャンルが「エンタメ」と「ファッション」だ。趣味嗜好性の高いロングテール商材は世界中の顧客にリーチできる越境ECにおいて需要が高くなる傾向があるため、「エンタメ」「ファッション」は越境ECと相性が良く、流通に結び付きやすいジャンルとなっている。

Buyeeでも例年、流通額が大きい二大ジャンルだが、2019年から2021年の2年間で「エンタメ」関連3.16倍、「ファッション」関連4.82倍と、両ジャンルともさらに流通が拡大。DXがさらに広がった2021年、動画配信サイトやSNSなどの共通プラットフォームからの情報発信でファンを増やしたコンテンツやブランドがさらに人気を伸ばした。

特に伸長した商材は、「トレーディングカード」で、Buyeeでは前年同期比で3.44倍に流通が伸長した。コロナ禍で価値観が見直され、現金だけでないモノの価値が高まり、投資目的での需要が高まった。また、海外対応とローカライズで流通を拡大させているのが「VTuber」関連だ。

バイリンガルVTuberに代表されるように日本では珍しく当初から世界市場を狙ったコンテンツが奏功し、Buyeeでの関連商品の流通は前年同期比18.99倍と急拡大し、海外人気が沸騰している。なお、コンテンツホルダー以外でも、「ファミコン」といった関連商品が前年同期比2.34倍で伸長しており、家で楽しめるエンタメ商材に商機が見られる。

アメリカ、台湾からの流通も増加

新型コロナウィルスによる影響で2021年も訪日が制限されインバウンド消費が打撃を受ける一方で、越境ECは伸長しており、BEENOSの海外代理購入サービス「Buyee」の2021年第4四半期の流通総額は前年同期比51.2%増で過去最高を更新し、アメリカ、台湾からの流通も増加しているそうだ。

動画配信などの共通プラットフォームにより世界同時にヒットが生まれた2021年。リアルタイムで海外の需要を取り込むために世界で同時販売可能な環境づくりが重要となりそうだ。

BEENOSは、流通額が大幅に伸長した2021年の購買傾向をエリア別で発表することにより、日本企業が「海外に挑戦」するための一助となることを目指し、2008年より越境EC事業を展開してきたBEENOSグループは、2,500以上の国内ECサイトの海外販売をサポート実績がある。

今回の「BEENOS 越境EC 世界ヒットランキング 2021」は、越境EC 流通総額トップクラスのBEENOSグループの購買データより2021年の消費傾向を振り返る「日本発、世界でヒットした商品」を明らかにするランキングとなっており、EC市場全体を見た時にも貴重なデータとなりそうだ。

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