佐川急便の配送最適化検証も実施 SWAT Mobilityが日本に本格進出
SWAT Mobility Pte. Ltd.(本社:シンガポール、CEO:Jarrold Ong、以下「SWAT Mobility」)は、佐川急便株式会社(本社:京都市南区、代表取締役社長:本村正秀)のHIKYAKU LABOが開催した「HIKYAKU LABOアクセラレーター2021」において、HIKYAKU LABO賞を受賞した。また同社は、あわせて配送ルート最適化サービスのPoC(効果検証)を実施している。
佐川急便HIKYAKU LABO賞を受賞
シンガポールに本社を置くモビリティスタートアップであるSWAT Mobilityは、佐川急便のHIKYAKU LABOが開催した「HIKYAKU LABOアクセラレーター2021」において、応募した85社のスタートアップの中からHIKYAKU LABO賞を受賞した。
また3ヶ月間のアクセラレータープログラムを通じて、同社が世界7ヵ国で乗客の送迎サービスやオンデマンドバスアプリを提供してきたルーティング技術を貨物の配送向けに適用し、配送ルート最適化サービスのPoCを実施している。
具体的には、佐川急便が東京都内で実際に集配する貨物を同社システムで配車組み・ルート生成並びにドライバーアプリを利用した配送を行ったという。
プロダクトの概要
◆オーダー入力アプリ
配達データを入力し、配車組みとルート生成を行うルート・ジェネレーターに取り込める形式にデータを変換する。
◆ルート・ジェネレーター
配送データを取り込むことで、貨物の容積や顧客が受け入れ可能な車両等の条件を考慮し、数十秒から数分で配車組みとルート生成を行う。
◆ドライバーアプリ
ルート・ジェネレーターで生成した配送ルートがアプリ上に表示され、配送地点までのナビゲーションを行う。
日本特有の物流事情に寄り添う
公表に際して同社は次のように述べている。
「複数地点から散発的に発生する移動需要に対して、最適なルートを瞬時に導き出すダイナミック・ルーティング・アルゴリズムを用いて、世界7カ国で”ヒト”の移動を最適化してきた技術を貨物の配送に適用します。当社のシステムは、日本特有の入り組んだ狭い道や一方通行・時間帯規制といった複雑な道路規制情報を完備したゼンリンの高精度・高鮮度な道路ネットワークデータを内蔵しており、トラック配送においても安全で最適なルートを提供することができます。
また、車両GPSデータを用いた機械学習を通じて、各道路において時間帯毎に最適な走行スピードを構築する技術を保有しています。これらのルーティング技術が道路事情や規制が複雑、かつ交通状況が刻々と変化する都心部でのトラック配送の最適化を可能とします。SWAT Mobilityは、テクノロジーの力で”ヒト”と”モノ“全ての移動に関する課題解決を進め、企業や消費者全てのお客様にとって最適な移動を実現する社会に向けて取り組んでまいります」
これまでの配車業務は属人化されているのが常であり、そこでは貨物の容積率や顧客が受け入れ可能な車両重量や高さなどを考慮した複雑な配車組み・ルート生成に多大な工数がかかることが課題として横たわっている。
同社のプロダクトは、誰もが複雑な配車業務を行うことが可能となり、配車にかかる業務時間が大幅に削減へとつなげることができる。また効果検証を通して車両の容積率の可視化と容積率の改善を通じた車両台数の大幅な削減・コスト削減の可能性が確認できたとしている。
複数貨物の容積計算や顧客が受け入れ可能な車両の条件を把握し、誰もが複雑な配車組み・ルート生成を可能にするシステムは、業務時間を大幅に削減し、ますますニーズの高まるECのラストワンマイル物流の強化へつながることになりそうだ。