ギフトECの基本。市場規模やギフト需要について解説

ECのミカタ マーケティング部

ギフトECの基本。市場規模やギフト需要について解説

コロナ禍を経て、改めて市場規模が拡大傾向にあるギフト市場。なかでもオンラインでギフトを購入できるギフトECは、ソーシャルギフトの需要の高まりもあり、年々市場規模が大きくなっています。

そこで本記事では、ギフトECの市場規模やギフトECと相性の良い商材、ギフトECを成功させるコツなどについて詳しく解説します。ぜひギフトEC展開の参考にしてください。

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ギフトECとは

ギフトECとは、誕生日プレゼントやお中元・お歳暮、内祝いなどの贈りものをオンライン上で購入できるECサイトのことです。ECモールや一般的なECサイトでもギフトの取り扱いはありますが、ギフトに特化したECサイト(ギフトEC)の場合、名前入れ商材や季節商材などが充実しています。

また、ラッピングやのし、メッセージカードの作成といったギフトならではのオプションサービスに注力しているギフトECも多く、商品カテゴリに加えて、贈りたい相手やイベントごとに商品を選べる点が特徴です。

ギフトの需要は高まっている?

株式会社矢野経済研究所が2024年に公表した調査によると、ギフトの需要は年々高まっており、2023年のギフト市場規模は10兆8,190億円を見込んでいます(前年比2.7%増)。人と会う機会が減ったコロナ禍には一時的な落ち込みを見せたものの、近年は堅調に推移していることがわかります。

贈るギフトの内容は時代に合わせて変化してきており、同調査によると、お中元やお歳暮といったフォーマルなギフトの需要は年々低下しています。

一方、オンライン上でも贈れるeチケットなどのソーシャルギフトや、感謝の気持ちを伝えるちょっとしたプレゼント、モノ以外を贈る体験ギフトの人気は上昇傾向にあります。ソーシャルギフトや体験ギフトについては後ほど詳しく解説します。

出典:ギフト市場に関する調査を実施(2023年)|矢野経済研究所

ギフトECの市場規模

ギフトの需要が高まるなかで、ギフトECの市場規模も拡大しています。

オンラインギフト総研が2023年に実施したアフターコロナのギフト購入実体についての調査によると、デパートやショッピングセンターなどの店頭でギフトを購入する人はコロナ前に比べて減少しているのに対し、ECサイトでギフトを購入したことがある人はコロナ前からコロナ後にかけて増加しています。

調査対象(全国の10代~50代の男女2,250人)の半数以上がECサイトでギフトを購入した経験があり、そのうちギフト専門のECサイトでギフトを購入した経験がある人は20%以上となっています。オンラインショッピングの普及を受けて、ギフト市場においてもEC化の流れが進んでいるといえます。

出典:オンラインギフト総研<アフターコロナギフト動向調査> コロナ前後比で「ECサイトでの購入」が最多選択肢に。ソーシャルギフトは定番化か。平均価格は変動なし。| 株式会社ギフトモール

ギフトECの普及

ギフトの贈り方も変化しています。オンライン上で商品券やチケットを贈るソーシャルギフトを贈ったことのある人の割合は、コロナ前とコロナ後では全年代で増加しています。20代では25%以上、全年代でも16.6%の人がソーシャルギフトを贈った経験があり、コロナ前後で比較すると実に10ポイント増加(2.5倍以上)と大きく拡大しています。

若い世代を中心に、オンライン上でギフトを贈る習慣が定着しつつあることがわかります。

出典:オンラインギフト総研<アフターコロナギフト動向調査> コロナ前後比で「ECサイトでの購入」が最多選択肢に。ソーシャルギフトは定番化か。平均価格は変動なし。| 株式会社ギフトモール

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ギフトECと相性の良い商材は?

次にギフトECと相性の良い商材を紹介します。

電子ギフト券

従来の買いもの券のように利用できる電子ギフト券は、ギフトECと非常に相性の良い商材です。

1,000円、3,000円、1万円など任意の金額で贈ることができ、オンライン上で購入して贈りたい相手にURLを送信するだけでプレゼントできます。相手のLINEやメールアドレスさえ知っていれば、住所や電話番号を尋ねる必要はありません。

電子ギフト券は特定のECモールや店舗で利用できます。

例えばAmazonギフトカードはAmazonでの買いものに利用できます。ユニクロのようにECサイトと店舗どちらも構えているケースであれば、店舗でもオンラインストアでも専用の電子ギフト券を利用できます。

カタログEC上で購入できる商材

カタログECは、Web上でカタログを眺めながらネットショッピングができる次世代のECサイトです。カタログECの市場はまだ発展途上ではあるものの、家具や食品などの商材で導入されています。

すでに紙やWebでのカタログを採用している事業者なら導入コストも抑えられるため、おすすめです。

eチケット

特定の商品と引き換えできるeチケットも、ギフトECと相性の良い商材です。例えばスターバックスのeチケットは、全国のスターバックスでドリンクやフードなどの商品と交換することができます。

eチケットにはデザインのテンプレートとして選べるものが多く、誕生日のお祝いやお礼など任意のメッセージと一緒に送信できます。好みや普段よく行くお店を把握している相手へのソーシャルギフトとして、よく利用されています。

体験ギフト

ギフトEC市場で近年注目されているのが、体験ギフトです。体験ギフトとは商品ではなくその場に足を運んで得られる体験そのものをプレゼントするギフトのことで、例えば乗馬などのアクティビティや陶芸などの工芸体験、高級エステやホテルステイなどが人気です。

体験ギフトの需要が増加している背景には、時代の変化に伴ってユーザーの消費行動が変化しているためといわれています。

従来のモノ消費からコト消費への移り変わりはよく指摘されていますが、近年はさらにトキ消費(その時・その場でしか経験できないことを楽しむ消費形態)やイミ消費(環境や地域貢献など、自らの価値観に合った消費形態)に進化しているといわれています。

体験ギフトの需要増加は、贈る相手の価値観を切り口にギフトを贈るという昨今の消費行動の変化を如実に反映しており、今後も需要が拡大していくと予想されます。

ユーザー自身で組み合わせられる商材

個包装のお菓子や1包分の入浴剤など、ギフトECのユーザーが複数の選択肢のなかから予算に応じて組み合わせられる商材も人気です。受注対応の工数は増えますが、決められたパッケージでのみ販売しているECサイトとの差別化になります。

また、可能であればバラ売りにも対応するのがおすすめです。ギフトを購入するユーザーのなかには、ギフトの品質を確かめるために自分でも使ってみたいと考えるユーザーや、自分用のちょっとしたご褒美にギフト用商品を購入したいと考えるユーザーが一定数存在します。

こうした「ちょこっと買い」のニーズを取りこぼさないことによって、売上アップやリピーターの獲得につながりやすくなります。

季節商材

売れる時期が限定される季節商材は、通常のECサイトでは取り扱いにくいと感じる方が多いかもしれません。しかし、ギフトECにおいて季節商材は通常のECサイトとの差別化のためにも、積極的に取り扱いたい商材です。

季節商材を取り扱う際はただ商品ページを作るだけでなく、特集ページを組んだり、特定の季節商材についてSEO対策をしたりといった、ユーザーが季節商材にリーチしやすくする工夫を怠らないようにしましょう。需要に合わせてマーケティング施策をおこなうことで、在庫リスクなどの問題が生じにくくなります。

ギフトECを構築するときのポイント

ギフトECサイトには、通常のECサイトにはない機能をいくつか装備する必要があります。ここからはギフトECサイトを構築するために必要な機能を紹介します。

配送先指定機能

複数の商品を一度に購入した場合に、商品ごとに配送先を指定できる機能です。例えば、親戚用、友人用など一度の購入で複数の送り先を指定できるためユーザーの負担を大きく減らすことができます。

また配送先ごとにラッピングの変更や、名入れなど細かい設定ができるので、用途に合わせた設定が可能です。ただしこの機能を実装する場合、届け先を増やした分、送料を自動で加算できる仕様にする必要があります。

ラッピング機能

送る相手に合わせてラッピングの配色や包装方法を自由に選択できるのがラッピング機能です。顧客は幅広いバリエーションから好みのラッピングを選ぶことができ、出来上がったイメージを実際の店舗で購入したときと同じように事前に確認できます。

また有料のラッピングは、自動で費用が購入金額にプラスされる機能もあります。

熨斗(のし)機能

お中元やお歳暮に付ける熨斗。顧客によっては、熨斗機能の有無がギフトECサイトを選ぶ際のポイントになることもあるでしょう。熨斗には「外熨斗」と「内熨斗」の2種類がありますが、用途によって使い方が異なるため、どちらも選択できるようにしましょう。

またラッピングと同様に、熨斗を有料にする場合は自動で購入金額に追加する機能が必要になります。

アドレス帳機能

リピーター購入を確保するために、アドレス帳機能は重要な機能といえます。ユーザーはスマートフォンやPC内にある送り先の住所を見ながら配送先住所を入力する場面が多いですが、配送先が多ければ多いほどこの作業には膨大な労力を有します。

アドレス帳機能があれば、複数の住所をECサイトに一度登録することで次回購入時にはお届け先を入力する手間を省くことが可能です。アドレスを登録してもらえれば、次回以降もリピーターになる可能性も高くなります。

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【事例】ギフト特化型サイト

次にギフト特化型ECサイトを紹介します。

ギフトモール

引用:https://giftmall.co.jp/

ギフトモールは日本最大級のギフト特化型ECサイトです。2022年にはグループ全体の年間流通額は約200億円を突破し、昨年のギフトEC認知度調査では第1位を獲得しています。

ギフトモールでは母の日や各種お祝いなどのシーン別、送る相手別、商品のカテゴリ別、テイスト別からギフトを選ぶことができます。扱っている商品も非常に幅広く、名前入りのボールペンなどの定番ギフトから前述した体験ギフトまで、さまざまな商品がラインナップされています。

出典:ギフトモール、「オンラインギフト特化型ECモール」で初めて認知度10%を超え1位を継続獲得。体験型ギフト商材の拡充で、グループ全体の年間流通額194億円を突破。|株式会社ギフトモール

TANP(タンプ)

引用:https://tanp.jp/

ギフト特化型ECサイトで勢いがあるTANP(タンプ)です。扱っている商品もギフト商材に特化しており、送る相手やシチュエーションに合わせて多くの商品から選択可能なので、相手にぴったりな商品を送ることができます。


また品揃えが多いだけではなく、セレクションがおしゃれな点も人気の理由です。200以上の人気ブランドから激選されたギフト専用の商品が揃っており、最短で翌日に届けられるため、お店に寄る時間がない方にも喜ばれています。


楽天やアマゾンなどの大型ECサイトでは、商品名やカテゴリから検索され、価格勝負になりやすいですが、TANPにはギフト商品しかないため、出品している商品ブランドの価値を下げることがなく、出品企業にとってもメリットの大きいサイトといえるでしょう。


anny(アニー)

引用:https://anny.gift/

anny(アニー)は販促物やノベルティ、株主総会、取引先への挨拶など、ビジネスシーンのあらゆるシチュエーションでギフトを送る際に利用されているギフト特化型ECサイトです。

キャンペーンやノベルティを配る場面で、1,000個以上の大量商品が必要な場合にも対応可能な商品を取り扱っている点が特徴的です。もちろん活用シーンに合わせてラッピング、熨斗、名入れ、メッセージカードなどのオプションをつけることができ、最短翌日に受け取れます。

ギフトECを成功させるコツ

最後にギフトECを成功させるコツについて解説します。

eギフトを充実させる

LINEやSNSで送れるeギフトの充実は、ギフトECの成功に欠かせません。eギフトはユーザーからの需要が高いうえに在庫を確保する必要がなく、出荷梱包などの手間もかかりません。

利用できる店舗・ECサイト別、金額別、メッセージのテンプレート別などに幅広いラインナップをそろえれば、ギフトECの売上アップが期待できます。

ラッピングの質で差別化する

ラッピングはそのほかのECサイトとの差別化のためにも、ぜひ注力したいポイントです。ラッピングの色やラッピング方法を選べるようにしたり、メッセージカードを添えられるようにしたりすると、ギフトに特化したECサイトとして認知されやすくなります。

メッセージカードのラインナップにもひと工夫すべきです。

内祝いや退職祝い、快気祝いなどはどのようなメッセージを添えるべきかユーザーも迷いがちです。シーン別に、デザインや文面の参考にできるメッセージカードのテンプレートを用意すると、ユーザーにも喜ばれるでしょう。

また、熨斗の対応も欠かさないようにしましょう。

幅広い商品ラインナップをそろえる

季節ごとやシーン別、性別や年齢などのセグメント別に幅広い商品ラインナップをそろえましょう。前述のeギフトはもちろん、体験ギフトや法人にも対応できるギフト商品があると、幅広いユーザーにアプローチできます。

ユーザーにとってギフトを選ぶ時間も楽しくなるような商品展開にすると、リピーター獲得にもつながりやすくなるでしょう。お菓子や入浴剤、タオルや洗剤などで詰め合わせ商品を展開するのもおすすめです。

ギフトの贈り先住所を登録できるようにする

母の日や誕生日など、毎年同じ人にギフトを送るユーザーも少なくありません。一度ギフトを送った住所はECサイト上に登録できるようにしておくと、ユーザーは住所入力の手間を省くことができ、翌年の購入につながりやすくなります。

キャンペーン展開で商品を選びやすくする

クリスマスやバレンタイン、母の日や敬老の日など、毎年日にちやシーズンが確定しているイベントの前にはキャンペーンを展開しましょう。おすすめ商品をまとめたWebページを作成したりイベント用のラッピングを用意したりと、ユーザーの選ぶ手間を省くことによって、商品購入を促すことができます。

「このECサイトはいつもキャンペーンを展開している」とユーザーに認知されれば、サイトへの訪問者も多くなるでしょう。

ギフトECの運営、サイトの構築は専門家に相談しよう

ギフトECは需要が伸びている一方、まだギフトに特化したECサイトは少なく、先行者利益を取りやすい分野です。

一方、ECサイトの構築やECの運営には専門的な知識が必要です。自社のみでギフトECの運営や構築が難しい場合は、EC専門の支援会社と二人三脚でサイト構築をおこなうのがおすすめです。

ECのミカタで展開しているマッチングサービスを利用すれば、自社にあったEC支援会社の紹介を受けられます。完全無料で利用できますので、ギフトEC展開を検討している方は、ぜひ一度お問い合わせください。

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