越境ECで最も使われた決済方法は?ゼンマーケットが2021年間決済方法ランキングを公表

ECのミカタ編集部

海外向け代行購入サービスや越境ECモールなどを運営するゼンマーケット株式会社(大阪市西区)は、2021年に運営サービス内で使用された決済方法の回数を調査し、ランキングを公表した。ここではその概要についてポイントを絞って見ていく。

全世界の100通り以上の決済方法に対応

ゼンマーケット株式会社は質の高い日本商品を世界の人々に親しんでもらえるように海外向け購入代行サービス「ZenMarket」、海外向けサブスクリプションパック(定期購入サービス)「ZenPop」、海外越境ECモール「Zenplus」を運営している。

会員数は約140万人を超え、これまで世界150ヵ国へ発送を行ってきた。世界の多くの人々に快適にサービスを利用してもらうべく年々対応言語を増やし、今年だけでも対応した言語は5つとなった。

現在、英語・ロシア語・フランス語・スペイン語・ウクライナ語・中国語(簡体字/繫体字)・マレーシア語・ベトナム語・アラビア語・ドイツ語・インドネシア語・タイ語・イタリア語・日本語の15ヶ国語に対応している。

また各言語バージョン対応エリアにおける各国の決済方法を積極的に取り入れ、アグリゲーターサービス経由を含め、すでに全世界の100通り以上の決済方法に対応している。

越境EC決済方法ランキング

越境EC決済方法ランキング

同社は今回、2021年に同社の越境ECサービスで使用された決済方法を調査した(集計期間2021年1月~2021年11月)。

◆1位:Stripe(米国)

日本・米国・ヨーロッパ圏・アラブ首長国連邦など世界46ヶ国で導入。135以上の通貨に対応。マーチャントアカウント(銀行口座)に代わり、複数の支払い方法を受け付けられるサービス。

◆2位:Paypal(米国)

日本・米国・ヨーロッパ圏・豪州・イスラエルなど世界200ヶ国以上で使用されるサービス。利用者は3億6,000万人以上。eメール経由での支払いも可能で、スピーディな決済が人気。
     
◆3位:Alipay(中国)

東アジアで最も浸透しているアプリの1つで、QRコードによるスマートフォン決済サービス。実店舗でも導入が進み、端末型、タブレット型、ステッカー型、POS型の4種類を展開。

◆4位:Wise(英国)

TransferWiseからサービス名変更。米国・豪州・ヨーロッパ圏・カナダ・トルコなどで展開。送金先と金額と通貨を指定する点は通常と同様。送金人から受取人への直接送金ではなく、受取人の口座が存在する国家間で双方向の送金ニーズをマッチングさせるサービス。

◆5位:dLocal(ウルグアイ)

ラテンアメリカ、バングラデシュ・インド・エジプト・モロッコ・南アフリカ共和国など、EMAEの360の決済方法に対応。ローカルカード、毎月の分割払い、銀行振込、eウォレット、口座振替、現金払いを含むすべてのローカル支払いタイプをサポート。

◆6位:Reach(カナダ)

ラテンアメリカ、オランダなどのヨーロッパ、ロシアなどにおける、ローカルな決済方法への対応が特長。グローバルな取引でも、Oxxo(メキシコ)のような、使い慣れたコンビニ支払いが手軽に利用可能。

◆7位:UnionPay(中国)

「銀聯」として知られる。国内の地域・金融機関別に分かれていた決済システムやルールが統一、標準化された中国居住者向けの電子決済システム。

◆8位:CoinGate(リトアニア)

ビットコイン、イーサリアム、ライトコイン、リップルなど、約50種類の仮想通貨決済を可能にするゲートウェイサービス。

◆9位:各種銀行振込・SWIFT

各国ユーザー様の銀行口座からの振込、及び海外送金。

変化する世界の決済手段

このように全世界で大きなシェアを持つ「Stripe」「Paypal」、そして東アジアで広く浸透している「Alipay」がトップ3となった。そしてラテンアメリカで展開する2つの決済サービス「dLocal」「Reach」が、5位と6位に入った。

現在、ゼンマーケットサービスのスペイン語バージョンでの月間売上が1億円を突破しているが、同社はこのスペイン語バージョンの伸長を決済回数が裏付けているとしている。なお「Reach」にはオランダの銀行による国内向けサービス「iDeal」での決済等も含まれている。

さらに「CoinGate」による決済回数が銀行振込や海外送金を超え、仮想通貨での支払いが一般化しつつある現状を映し出していると言えそうだ。アジア・中国に偏らない越境ECサービスで成長するゼンマーケットサービスを象徴する、バラエティに富んだランキング結果となった。

決済サービスは、クレジットカードのように世界的な汎用性を持つものも多いが、今回のランキングにもあるようにキャッシュレス決済や仮想通貨などは、各地域によってその種類やシェアで特色もある。決済手段の確保は、越境ECにおけるカゴ落ちを回避し、また顧客とのロイヤリティを醸成することにもつながり、多様な決済手段に対応したプラットフォームを的確に選択することも重要な要素ともなりそうだ。

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