Amazon満を持しての実店舗展開 オムニチャネル化進むEC業界
NY・マンハッタンのミッドタウンから始まるモンスターストア
EC業界トップの座を独走するモンスター企業Amazonがついにオムニチャネル化に向け動きを見せる。ニューヨーク、マンハッタンのミッドタウンに初の実店舗オープンを計画していることが明らかとなった。Apple InsiderがThe Wall Street Journalの報道として伝えている。年末商戦のスタートに先駆けオープンするとされており、在庫数は限られている。小型倉庫として、店舗も兼ねている卸し屋というような立ち位置となると予想される。
また、新店舗はニューヨーク市民に対し「注文日当日配達」を実現するとし、オンラインで注文した商品を店舗で受け取り、返品、交換などにも対応するとしている。同実店舗では、電子書籍リーダーのKindleなど自社製品も販売すると考えられる。
アマゾンから正式なコメントは得られていないものの、信憑性は非常に高いものとされている。
実店舗実現で王者の椅子をさらに確実なものに
実店舗化となると商品管理のコストなど様々な懸念が生じるものの、「Amazonに行く」をリアルで体感できるインパクトは大きいだろう。今後実店舗展開を拡大し、コンビニ感覚でネットでもリアルでもAmazonが身近な存在となっていけば、その将来的スタンダードの最初の体験者となれるニューヨーク市民は幸運といえよう。
日本国内でも、地方都市との災害発生時における支援協定を締結したり、日本郵政を動かし共同で専用のポストを開発するなど、その影響力はもはやEC企業の枠を超越し多方面で頭角を現すモンスター企業の貫禄を見せている。
東京オリンピック開催に向け、「欲しい物リスト」を活用したアスリート支援などにも着手し、活動の幅は増していくばかりだ。
一方で、フランスやドイツ、イギリスなどでは、Amazonが自国の文化を破壊するとし対立の姿勢を見せ、送料無料を禁じる法律をつくるなどの構図も見られる。これに対してもAmazonは、労働組合との交渉を拒否したり、送料をほぼ無料の0.01ユーロにするなど一切の妥協を見せない姿勢で突っぱねる様子だ。
折に触れ弊誌でも続くAmazon関連の話題であるが、今回の実店舗展開は世界中で今後、どのような波紋を呼ぶのだろうか。正式発表も含め、Amazon側の動きが非常に気になるご時世になっていきそうだ。