オンライン接客とは?導入するメリットや成功のポイント

ECのミカタ編集部

インターネットを利用して顧客と対話やテキストのやりとりを行う「オンライン接客」。「オンライン接客の手段を把握したい」「オンライン接客によって得られる効果を知りたい」と考える担当者もいるのではないだろうか。

今回はオンライン接客で用いられる手段やオンライン接客ツールの種類、導入するメリットや導入時のポイントを紹介する。ECサイト運営の施策の1つとして参考にしてほしい。

オンライン接客とは

オンライン接客とは、デジタル技術などを利用し、インターネット上で接客を行うこと。まずは、オンライン接客に用いられる手段や、オンライン接客が注目される背景をおさえよう。

オンライン接客の手段


一口に「オンライン接客」と言っても、その手段にはさまざまなものがある。自社が取り扱う商品やサービス、使用するシーンによって向いているツールが異なるため、自社の業務内容や顧客のニーズなどによって使い分けたり、組み合わせたりすることが必要だ。

オンライン接客で用いられる手段と特徴は、以下の通り。

●ビデオ通話:Web会議ツールや商談ツールを用いた対面での接客。1対1の通話と複数人での通話を使い分けられる。URLの共有などで手軽に始められる。
●VR(バーチャルリアリティ):コンピュータが作成した仮想現実世界の中で接客を行う。空間の雰囲気をリアルに伝えられる。
●ライブコマース:SNSのライブ機能などを使用して動画を配信する。視聴者からの質問にリアルタイムで解答することも可能。
●チャット:テキストを使用したやりとりを行う。ツールによって資料や画像の添付をすることもできる。
●チャットボット、ポップアップ:パソコン上にルールを組み込み、無人で対応するもの。

オンライン接客が注目される背景


新型コロナウイルス感染症の拡大により「新しい生活様式」が浸透し、外出を伴わずに商品購入・サービスの申し込みができる手段としてEC需要が急増。一方で、実店舗も展開する企業では「販売機会の減少」や「売上の低下」に頭を抱えるところも多く、インターネット消費者の「非接触」「非対面」のニーズに対応しながら実店舗と同様の接客を実現できるオンライン接客を導入する企業が増えている。

また、オンライン接客は、他社競合が激しいEC業界において、商品やサービスそのものや価格以外の付加価値を持たせ、顧客を獲得する手段としても注目が集まっている。

オンライン接客とは

オンライン接客とは、デジタル技術などを利用し、インターネット上で接客を行うこと。まずは、オンライン接客に用いられる手段や、オンライン接客が注目される背景をおさえよう。

オンライン接客の手段


一口に「オンライン接客」と言っても、その手段にはさまざまなものがある。自社が取り扱う商品やサービス、使用するシーンによって向いているツールが異なるため、自社の業務内容や顧客のニーズなどによって使い分けたり、組み合わせたりすることが必要だ。

オンライン接客で用いられる手段と特徴は、以下の通り。

ビデオ通話:Web会議ツールや商談ツールを用いた対面での接客。1対1の通話と複数人での通話を使い分けられる。URLの共有などで手軽に始められる。
VR(バーチャルリアリティ):コンピュータが作成した仮想現実世界の中で接客を行う。空間の雰囲気をリアルに伝えられる。
ライブコマース:SNSのライブ機能などを使用して動画を配信する。視聴者からの質問にリアルタイムで解答することも可能。
チャット:テキストを使用したやりとりを行う。ツールによって資料や画像の添付をすることもできる。
チャットボット、ポップアップ:パソコン上にルールを組み込み、無人で対応するもの。

オンライン接客が注目される背景


新型コロナウイルス感染症の拡大により「新しい生活様式」が浸透し、外出を伴わずに商品を購入できる手段としてEC需要が急増。一方で、実店舗も展開する企業では「販売機会の減少」や「売上の低下」に頭を抱えるところも多く、インターネット消費者の「非接触」「非対面」のニーズに対応しながら実店舗と同様の接客を実現できるオンライン接客を導入する企業が増えている。

また、オンライン接客は、他社競合が激しいEC業界において、商品そのものや価格以外の付加価値を持たせ、顧客を獲得する手段としても注目が集まっている。

オンライン接客ツールとは

オンライン接客ツールとは、オンライン上で接客を行うための専用ツールのこと。Web会議ツールなどの単体の機能とは異なり、商品のスムーズな購入・サービス申し込みへの導線や顧客の情報収集に特化していることが特徴だ。オンライン接客ルールには主に「ビデオ通話型」「チャット型」「ポップアップ型」の3種類に分けられるが、それらを組み合わせたハイブリット型のツールもある。それぞれの特徴を見ていこう。

ビデオ通話型


ビデオ通話型は、ビデオ通話を通じて顧客と対面式のコミュニケーションを行うもの。リアルタイムで商品や資料を見せて案内したり、顧客の表情やリアクションを確認したりできることが特徴だ。顧客は、ECサイト内に設置されたボタンやメールで送付されたURLをクリックすることで利用できる。予約機能を備えたものや、クレジットカード決済機能が搭載され接客後にそのまま購入できるものもある。

チャット型


チャット型は、ECサイト内にチャット機能を設置して、顧客と1対1でテキストのやり取りを行うもの。AI(人口知能)を利用して「よくある質問」などに自動で回答する「無人タイプ(チャットボット)」と、スタッフが直接文章を入力する「有人タイプ」とがある。サイト内にチャットルームをつくるためサイトからの離脱を防ぐ効果があり、顧客側にも問い合わせフォームへの入力や電話・メールなどと比較してその場で気軽に利用できるというメリットがある。

ポップアップ型


ポップアップ型は、収集した顧客の情報をもとに画面ポップアップを表示することで、商品の購入や会員獲得、サイトからの離脱防止を狙うもの。ビデオ通話型とチャット型が双方向のコミュニケーションであるのに対し、自社から顧客に向けた一方向のアプローチであることが特徴だ。例として、初めての利用客に「会員登録のご案内」「クーポン・セール情報」を表示させたり、閲覧履歴から「おすすめ商品」を提示したりと、属性やニーズに合わせて最適な表示を行うことができる。

オンライン接客を導入するメリット

オンライン接客を取り入れることによるメリットを紹介する。

購入率や客単価の向上


オンライン接客のメリットは、実店舗と同様の接客を行うことで購入率が向上することだ。消費者がECサイトから離脱してしまう原因には、「情報量が限られた掲載写真では色味や質感、サイズ感がわかりづらい」「商品に搭載されている機能の具体的な使い方がわからない」といった不安や悩みがあることが考えられる。

オンライン接客ではビデオ通話やチャットなどを通してスタッフが丁寧なヒアリングと説明を行うため、顧客が購入を決断する上での不安を迅速に解消することができるだろう。例として、アパレルではスタッフが商品を着てサイズ感を示したり、商品を見せながら手持ちの服との組み合わせ方を提案したりすることが可能だ。

また、ECは単品購入になりやすいとされているが、ビデオ通話で「こちらの商品と組み合わせるとこのようなシーンで活用できます」と説明したり、ポップアップで「こちらの商品を購入した人は、この商品も見ています」と表示したりすることで、クロスセル(他商品との同時購入)やスペックのランクアップなどの可能性が高まり、客単価の向上も望めるだろう。

ファンの獲得、リピート率の向上


利便性や安心感によって顧客満足度が向上することで、ファンの獲得やリピート率の向上も期待できる。場所を選ばず顧客が気軽に利用できるオンライン接客は、「物理的なハードルがなくなる」という利便性で商圏を拡大できるだけでなく、ECサイトや実店舗だけの企業に比べ「1対1の対話で自分のために時間を使ってくれた」という特別感や「細かな質問にも丁寧に答えてもらえた」という安心感を得やすい傾向がある。それらが「あのお店で買いたい」「あの店員さんに相談したい」という顧客との信頼関係につながり、顧客の囲い込みに役立つだろう。

また、オンライン接客はSNSとの親和性・連動性も高く、顧客がSNSでシェアすることにより自社サイトへのアクセス数が増える可能性もある。

スタッフの効率活用


スタッフを効率よく活用できることもオンライン接客導入のメリットだ。オンライン接客では専用の人材を新たに雇用する必要がなく、1人のスタッフが複数サイトの対応をすることも可能なため、人材配置の効率化と省人化をはかることができるだろう。実店舗とECサイトの双方を展開している企業では、手の空いた店舗スタッフがオンライン接客を行うこともできる。

また、スタッフは必ずしもオフィスや店舗にいる必要もないため、スタッフの在宅ワークが可能となり、多様な働き方の推進する手段としても有効だ。

オンライン接客導入時の注意点

オンライン接客は顧客が来店しなくても接点をもてる便利な方法だが、導入時には以下の2つに注意しなければならない。

利用者のITリテラシーが求められる


どの程度インターネットを使いこなせるかは顧客によってさまざまだ。同時に、ITリテラシーの高さも人によって違うことを知っておく必要がある。

ITリテラシーは、PCやスマホなどの端末を扱うスキルやオンライン上で情報を扱う能力のことだが、なかには「端末の使い方がわからない」、「オンラインで人と会話することに慣れていない」という顧客も少なくない。このような顧客を含めて、すべての利用者がスムーズかつ安全にオンライン接客を受けられる体制を整えなければならない。

コミュニケーションが難しい


いくらリアルタイムで対話できるとはいえ、実店舗での接客ほどコミュニケーションがとれないこともあるだろう。というのも、画面越しでは伝えられる情報に限りがあるからだ。たとえば、触覚や嗅覚などはオンライン接客で伝えることは不可能なため、いかにスタッフがわかりやすい言葉で伝えられるかがカギとなる。

また、利用者のインターネット環境が不安定な場合、会話がプツプツと途切れるなど、通信環境によってコミュニケーションをとるのが難しくなる点にも注意が必要だ。

オンライン接客導入時のポイント

次に、オンライン接客を導入する際に注意すべきポイントを紹介する。

目的を明確にする


オンライン接客は目的や用途により有効な手段が異なるため、導入する際には「売上の増加」「新規顧客の獲得」「アフターサポートの充実化」など、自社の目的を明確化した上で必要な手段を選択しよう。事前に「ECサイトのみでは購入に至らない理由」や「離脱してしまう原因」などを分析し、顧客がどのようなことを求めているのかを把握することも大切だ。

また、Web会議ツールやオンライン接客ツールの利用には月々の利用料が発生するため、余分なコストがかからないよう、必要な機能が備わっているかや、費用対効果は十分かなども確認しておきたい。

スムーズな購入導線を確立する


オンライン接客は顧客に商品を購入してもらうことが第一の目的となるため、スムーズな購入導線を確立することも重要だ。「さまざまなURLに飛ばなければいけない」「外部アプリのダウンロードが必要」といった状況下では、一連の購買行動が止まってしまうだろう。

顧客がストレスなく買い物を続けるためにも、購入導線に特化したオンライン接客ツールを利用することも検討しよう。

オンライン接客のノウハウを蓄積する


ツールの導入だけで終わらず、ブラッシュアップを行っていくこともポイントとなる。ビデオ通話における会話のスピードや商品の見せ方、チャットにおける説明文や添付する画像の数など、オンライン接客を進めていく中で得られたノウハウを社内で共有・改善していき、より質の高い接客を実現することがファンの獲得につながるだろう。

オンライン接客の成功事例

最後に、オンライン接客を導入した成功事例を紹介する。
どのような企業がオンライン接客を活用し、どうやって成功したのか参考にしてみるとよいだろう。

株式会社ビックカメラ


大手家電量販店のビックカメラでは、自社ECサイト「ビックカメラ.com」と店頭にてオンライン接客サービスを提供している。コロナ禍で実店舗での接客が難しくなったことをうけ、掃除機や空気清浄機で人気のダイソン製品のオンライン接客を開始。多くの利用者が集まったことで店頭でのオンライン接客に乗り出した形だ。

「ビックカメラ.com」では、2023年現在ダイソン製品のほかにHP(ヒューレット・パッカード)製品やブラザー製品など、各製品の専門オペレーターによるオンライン接客がおこなわれている。

株式会社LIXIL


住宅に関する製品や設備などのサービスを提供するLIXIL。ショールームに来館する顧客の”密”を避けるために完全予約制や人数制限をおこなっていたが、予約が混み合う状況を改善するためにオンライン接客サービスを開始。ショールームのコーディネーター2人による接客が特徴的だ。

ホームページから閲覧できる360°の展示写真や動画での商品紹介、CGシミュレーション、見積もりシステムなど、来館時の満足度に劣らないサービスをオンライン接客にて提供している。

株式会社ニトリ


株式会社ニトリでは、住宅リフォームに関するオンライン相談サービスを実施している。システムキッチンやシステムバスルーム、トイレなどのリフォームだけなく、家具やインテリアなどもトータルで相談できるのが強みだ。

また、ショールーム内に置かれたタブレットから別のショールームにいるスタッフの接客を受けることも可能。スタッフと直接話すことでリフォームに必要な寸法やインテリアについて、より細やかなアドバイスが受けられる。

株式会社資生堂


スキンケアやメイクアップなどの美容に関する商品を扱う株式会社資生堂では、「店頭」「Web」「電話」にて接客が受けられる。店頭ではタブレットを使ったメイクアップのオンラインシミュレーションが可能で、テクニックの説明やカウンセリングも実施している。

自宅からでも受けられる「Webカウンセリング」でも、肌やメイクの悩みのカウンセリングサービスを提供。2023年には新たな個別オンライン接客ツールを導入し、顧客に最適化されたシームレスなオンライン接客サービスを展開している。

株式会社ワコールホールディングス


株式会社ワコールホールディングスは、女性用下着をはじめ衣料品を販売する大手企業。実店舗とECサイトを連携するためのオムニチャネル戦略にいち早く取り組み、2019年より3Dボディスキャナーと接客AIを活用した接客サービス「3D smart & try」を提供開始。

さらに、「3D smart & try」の進化版として、ビューティーアドバイザーがアバターとなったカウンセリング接客システムを開発。「下着」というデリケートな商品だけに、相談しやすい環境づくりが成功に導いた例といえるだろう。

まとめ

オンライン接客は、ニューノーマル時代の新しい接客スタイルや販売戦略として、企業・顧客の双方にメリットがあると言えるだろう。より効果を高めるためには、自社の課題や顧客のニーズに合わせてツールを使い分けることが重要だ。今回の記事を参考にしながら、オンライン接客の導入を検討してみてはいかがだろうか。


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