トランスコスモス、中国UNQと資本・業務提携。EC向け流通事業に参入

日本企業のコスメ商品の販路拡大、中国大手ECチャネルへ

トランスコスモス株式会社(以下、トランスコスモス)は、9日、中国におけるコスメ・パーソナルケア商品に特化したEC向け流通事業企業「UNQ」(本社所在地:上海市)との資本・業務提携に合意したことを発表した。

なぜ今、UNQと提携するのか

トランスコスモスによると、中国では、コスメ・パーソナルケア市場において、安全意識の高まりから日本などの中国国外ブランドへの関心が高まっているとのことだ。

中国のEC市場は30兆円を超え、これからも更なる成長が予測される。このうち、B2C市場では、アリババグループの運営する「TMALL」に代表される「モール出店型」、JUMEIに代表される「オンラインリテーラー向け卸型」など、その出口が多様化している。

また、中国のEC市場における、コスメ・パーソナルケア市場は1.53兆円規模といわれている。これは、日本での同市場の約2.5倍の規模にあたる。

そしてUNQは、コスメ・パーソナルケアに特化したEC向け流通事業者としては、中国で最大級の企業である。今回の提携の締結により、トランスコスモスは、日中のコスメ・パーソナルケア市場をつなぐ架け橋として機能することだろう。

どのような提携が行われるのか

UNQは、日韓ブランド、もしくはその販社から、正式なオンラインリテーラー向け販売代理権を得て、「JUMEI」、「一号店」、「JD.com」などの、中国の大手オンラインリテーラー向けに、卸・販売促進を行う。

また、「TMALL」でのブランド旗艦店や、UNQの自社旗艦店を運営することで、個人消費者向けの販売活動も行う。

トランスコスモス、UNQのそれぞれの見解

今回の提携について、トランスコスモス 代表取締役社長兼COOである奥田昌孝氏は、以下のようにコメントした。

トランスコスモスは、中国において、お客様企業がTMALLに出店される際や自社ECサイトを構築される際、調査・分析からECサイト構築・運用、Webプロモーション、フルフィルメントまでの業務をアウトソーシングサービスとしてワンストップで提供してきました。

今回のUNQとの資本・業務提携は、EC向け流通事業者という立場で、ECの商流に直接参加し、オンラインリテーラー向けの卸・販売促進業を行うことになります。

このことで、多様化する販売チャネルに対し、お客様企業の商品を配荷・拡販させることが可能となり、日本はもとより中国市場でのEC事業をお考えの世界各国のお客様企業に、より質の高いサービスを提供できるものと考えます。

将来的には、UNQのオンライン卸・販売促進のノウハウを吸収することで、他の業種や他の国での横展開も行いたいと考えています。


また、UNQ 社長である王勇氏は、以下のようにコメントした。

UNQの主要取引先であるJUMEI、JD.com、VIPS、アリババは米国でのIPOで注目を集め、中国ECの更なる成長を象徴しています。

著しい成長を遂げる中国ECビジネスの中で、UNQ自身も中国大手オンラインリテーラー向けのコスメ・パーソナルケアに特化したEC向け流通事業者及びリテーラーとして、販売促進体制を強化し、高い成長を実現してきました。

トランスコスモス株式会社との資本・業務連携で、CRMやデータ分析の能力を向上させ、更なるグローバルブランドの獲得やサービス水準の向上など、UNQ自身も大きく成長できるものと信じております。

近い将来、中国EC市場において、日韓、欧米のコスメ・パーソナルケアのお客様企業に、全方位のサービスを提供してまいりたいと考えています。