【広告運用者必見】アトリビューション分析とは!?やり方も解説!
アトリビューション分析という言葉を知ったものの、いまいち概要や方法が掴めていない広告運用者の方へ向けて、基本的な概要からやり方まで解説します。広告運用において重要な分析方法になるのでぜひ参考にしてください。
アトリビューション分析とは?
アトリビューション分析の概要
アトリビューション分析とは、ユーザーが最終コンバージョン(CV)に至るまでに通った全ての媒体を分析し、どの広告でどれだけ数字が取れたかを正確に測ることができる分析手法です。アトリビューション分析という考えが生まれたのは、アドネットワークが登場してからです。
従来は媒体ごとでそれぞれにアドネットワークだけに広告をいれるだけで、それぞれの媒体に広告が出稿されるといった一括での出稿が可能になりました。媒体ごとに出稿しなくてよくなった反面、コンバージョンにどう貢献したのかなど広告を正当に評価することが難しくなってしまうという弊害も出てきたため、アトリビューション分析を取り入れる企業が増えています。
アトリビューション分析は、なぜ必要なのか
正しく広告の成果を見てその後の予算を決めるために、アトリビューション分析は必要不可欠です。広告にはコンバージョンが目的の広告以外にも「認知獲得」や「検討」といったように目的が異なる広告が存在します。最終コンバージョンに至った広告だけを見て、コンバージョン目的の広告予算を増やし、認知獲得や検討が目的の広告予算を減らしてしまうと、認知獲得や検討がうまくいかずコンバージョンに繋がらないという事象が起きてしまいます。そのため、CVに影響した広告を発見し、それぞれの広告を正しく評価することは必須です。
アトリビューション分析をするメリット
費用対効果がわかる
アトリビューション分析を使うことで広告それぞれの費用対効果がわかります。広告分析のスタート地点に立つには広告ごとで正しい数字を把握する必要があります。費用対効果がわかることで、成果の高い広告の予算を増やし、逆に成果が出ていない広告の予算を止めるといった売り上げUPと予算の削減につながります。
重複媒体がわかる
アトリビューション分析を使うことで、最終的にどの広告がコンバージョンに繋がったのか可視化することができます。従来だとGoogle広告→ヤフー広告→SNS広告→CVなど複数の広告を経由した場合、CVは3とカウントされ、どの広告がCVの決め手になったかわからない状態でした。この状態だと根拠を持って広告戦略を立てることはできないので、正確な数値を測るべくアトリビューション分析を用います。アトリビューション分析でカウントの重複を防ぎ、広告の最適化・最大化を狙うことができます。
アトリビューション分析のモデル
アトリビューション分析には主に5つのモデルがあります。
終点モデル(ラストクリックモデル)
最後に見た広告の貢献度を100%とする場合のモデルが終点モデルです。ラストクリックモデルとも呼ばれ、CVに直接結びついた広告を把握できるため、費用対効果が合わせやすい特徴があります。期間限定で行なっているキャンペーン広告や既にサービスを知っている顕在層に向けての広告分析で使用されます。
起点モデル(ファーストクリックモデル)
ユーザーが商品やサービスを購入した際に初めに閲覧した広告に対して、100%の貢献度を持たせる場合が起点モデルです。ファーストクリックモデルとも呼ばれ、最初の接点は何かを知ることで認知を目的とする広告出稿をしようという決断ができるため、ブランドを認知させる際に有効な検証方法とされています。
均等配分モデル(線形モデル)
ユーザーがサービスを買った場合、接点を持った広告全てに同じ割合で貢献度を割り当てるのが均等配分モデルです。線形モデルとも呼ばれ、最初から最後まで全て等しく評価したい場合にオススメの検証方法です。多くの広告媒体に広告を出稿し、どのモデルから分析していいかわからないという広告運用者は、まず均等配分モデルから取り入れるべきです。
減衰モデル
ユーザーがサービスを買った際に、最後に接した媒体から最初に接した媒体に向かって貢献度が下がっていくのが減衰モデルです。成果に貢献度をおき、短期的なプロモーションの際に有効な検証方法です。慎重にアトリビューション分析をやっていきたい方にオススメです。
接点ベースモデル
ユーザーがサービスを買った際に最初の接点と最後の接点に大きく貢献度をふっているのが接点ベースモデルです。何をきっかけで知ったか、どの媒体が決め手でCVに至ったか成果に対する入口と出口を検証する場合に有効な検証方法です。
アトリビューション分析のやり方
分析ツールの決定
まず、アトリビューション分析をする上で、どの分析ツールを使って運用するか決めなければいけません。ツールには無料で使えるツールと有料で使えるツールの2種類あります。今回は代表的なツールをそれぞれ1つずつ紹介するので、参考にしてみて下さい。
Googleアナリティクス
Googleアナリティクスは基本的には無料で使えますが、1ヶ月1000万ヒットのデータ量を超えると、有料サービスを契約しなければならないツールです。無料で使える分、CVまでの経路だけがわかり広告それぞれの貢献度までは把握することができないのが特徴です。予算をかけず、ある程度自分で学習することを覚悟した企業にオススメです。
アドエビス
Googleアナリティクスとは違いクリック数が増えるほど費用が増えていく有料のツールです。クリック数が1ヶ月あたり10万以上と徐々に増えていくと、月間数10万円の費用が必要となります。アドエビスの最大の特徴はCVまでの経路、広告の分析度のどちらもわかるところです。また、日本発祥の企業なのでサポートが充実しており、ある程度コストをかけてでも貢献度まで正確に分析したい企業にオススメです。
それぞれ特徴を抑え、ツールを決定した上でアトリビューション分析をしましょう。
今回は、Googleアナリティクスを例に出して説明していきます。
データを集め分析する
必要なデータを集めるまでのやり方は以下です。
①グーグルアナリティクスを開く>コンバージョンレポート>マルチチャネル>モデル比較ツール。
②コンバージョンでデータを選択>期間の設定
③モデルの選択(終点モデルや起点モデルなど)
①〜③で調べたいデータをどのモデルでアトリビューション分析するか決まっている状態です。
ここから色々なモデルを用い、アトリビューション分析を行なっていきましょう。
仮説を立てて検証する
例えば、今回の分析で認知や検討が目的の広告のCVは取れているけれど、獲得のCVが取れていないことがわかった場合はCV直前の広告の見直しが必要です。検討しているペルソナに対して適切なアプローチができていないと仮説を立て、獲得のCVを取るためにLPなどの文章、クリエイティブの修正をします。修正した後CVはどうなっているのか、その結果を元に新たな仮説を立て検証していくサイクルが重要です。
広告運用のポイントとは?
目的の設定
広告の目的の設定をすることは非常に重要です。目的がずれてしまうと、狙っていた効果も期待できずCVに繋がらない恐れがあるため「この広告をなぜやるか」といったチームで目的の共通認識を取ることが大切です。広告を通じて達成したい目的を明確にしないと、その後の広告の正しい設計やクリエイティブの作成に影響が出てしまいます。広告運用で成果を出すためにも、それぞれの広告に目的を持って出稿しましょう。
ターゲットの設定
商品を購入してもらうためにはターゲットの設定をすることが必要です。自社商品を買う顧客の年代や職業などを把握し、ターゲットをどこに置くか適切に設定します。このターゲットをずれたまま広告配信を行うと思うように費用対効果を感じることはできません。適切なターゲットの設定をし、経営資源を集中して投資することで効果的な見返りが手に入りやすくなります。
初期設計
初期設計とは広告をどう攻めていくかを表す方針のことを指し、適切な初期設計をするには広告媒体それぞれの特徴と推奨されている構造を理解する必要があります。媒体の特徴を抑えた上で、媒体それぞれのユーザーの性質などのユーザー属性を把握し、その属性に刺さるような設計を作りましょう。
正しいKPIの設定
PDCAを回していく上で、KPI(Key Perormance Indicator)を1つの指標として置いている会社がほとんどです。KPIを設定することで何が足りないかという定量的な分析ができます。広告運用の際によく用いられているのは主に2つです。
CPA
CPA(Cost Per Action)を設定することで広告の費用対効果を確認できます。計算式は広告費÷購入数です。CPAとは1件のCVを獲得するのにいくらかかったか示し、CPAが低ければ低いほど安く顧客を獲得できたということなので、CPAを低くしようとする企業がほとんどです。また、CPAの設定方法は売上単価から利益、人件費、原価を差し引いたものや平均顧客単価から平均原価を引いたものなど、扱う商材によって異なります。自社がどのサービスでどの規模感か理解し、正しいCPAの設定をしましょう。
ROAS
ROAS(Return On Advertising Spend)を設定することで、予算をかけた広告に対してどれくらい売上を得たかがわかります。計算式は売上÷広告費×100で、1件のCVの費用がわかるCPAに対し、ROASは広告費1円あたりの売上割合を示しています。ROASが高ければその広告はうまくいってますが逆の場合、広告の見直しが必要です。クリエイティブを修正した方がいいのか、予算の見直しをした方がいいのか、具体的な施策を取るためにもROASは重要なKPIと言えます。
ここまでで広告運用の際で気をつけるポイントを紹介しました。
基盤をしっかりした上で、アトリビューション分析を導入しましょう。
まとめ
本記事では、アトリビューション分析を知らない広告運用の担当者に向けて意味から分析方法まで解説しました。さまざまなモデルがあることや方法がわかった上で、まず自社の分析をしてみてください。今まで気づかなかった視点や数字が得られると思います。正しくアトリビューション分析をし、適切な広告予算の設定と運用を目指しましょう。