オーディエンスデータに自信を持っている世界のマーケティング担当者は26%、データ活用の難しさが浮き彫りに

ECのミカタ編集部

ニールセン(NYSE: NLSN)は、アニュアルマーケティングレポート 2022を発表した。本レポート「協調の時代(Era of Alignment)」では、マーケティング担当者がいかにデータ活用に対して自信を持ってブランド構築と顧客獲得に注力し、アッパーファネル(認知)とローワーファネル(購入意向)両方の計画と実行を行う必要性について解説している。

同社が約2,000人の世界のマーケティング担当者を対象に実施した調査によると、世界のマーケティング担当者がデジタルファーストを重要視しているものの、消費者のメディア習慣の変化に対応するために、過去2年間苦戦していることが明らかとなった。世界中のマーケティング担当者の多くが、同じような成功体験、同じような課題に直面していることもわかっている。

なお、レポートは以下のURLからダウンロードできる。
https://annualmarketingreport.nielsen.com/?lang=ja

6割以上が「ソーシャルメディアが最も効果的なペイドメディア」と回答

ブランド認知の向上を達成するには、ブランドはさまざまなチャネルを活用し、多くの人々にリーチする必要がある。

ニールセンの調査では、3分の2近く(64%)の回答者が、「ペイドメディアとしてソーシャルメディアが最も効果的なチャネルである」と回答し、実際にもTikTokとInstagramが支出を独占している。ソーシャルメディアへの支出は、世界全体で53%増加し、テレビとラジオへの支出の合計増加率を大幅に上回った。

顧客獲得はブランド認知に次ぐ目的の一つであり、マーケティング担当者はカスタマージャーニー全体に注力することが求められている。

多チャネル化が進む中、総合的なROI測定の必要性が高まる

フルファネルのROI測定に対するマーケティング担当者の信頼度は、54%であることが明らかになった。

オンラインとモバイルのビデオを除くと、他のすべてのチャネルのROIを測定することに対する自信は、グローバルで50%未満まで低下する。また、マーケティング担当者の約半数がポッドキャストへの支出を増やす意向を示しているが、その投資のROIを測定することに対する自信はわずか44%にとどまっている。

データ活用の難しさが浮き彫りに

チャネルの普及が進むにつれて、膨大なデータセットが生まれる。その一方で、世界の36%のマーケティング担当者が「データアクセス」「アイデンティティ・レゾリューション」「データからの行動可能なインサイトの取得」が「極めて難しい」または「非常に難しい」と回答している。

また、コネクテッドTV(CTV)の台頭により、従来のターゲティングソリューションに新たな課題が生じている。データによると、CTVは世界で注目されつつあり、51%のマーケティング担当者は今後1年間にOTT(オーバー・ザ・トップ)/CTV支出の増額を計画している。2021年には、サブスクリプション制および広告がサポートするプラットフォーム全体で、およそ1,500万年に相当するコンテンツが配信された。

消費者の半数に「ブランドが本当に社会の進展に貢献している」確信がない

同社の調査によると、米国の消費者の半数以上(52%)が、自身が抱く関心と同様のミッションを掲げるブランドから製品を購入していることがわかっている。同様に、消費者の36%以上は、自身が製品やサービスを購入するブランドが掲げる社会的な価値に対して期待している。

データによると、世界のマーケティング担当者は、「自社ブランドがブランドパーパスを強調している」と述べている一方で、消費者の55%は「ブランドが本当に社会の進展に貢献していること」に対して確信を持っていない状態だ。

同社の調査から、マーケティグ担当者は、すぐにROIが得られるチャネルにマーケティング費用を投入したいと考える傾向にあることが明らかになった一方で、全体的なブランドリフトとのバランスが必要であることを再確認する結果となった。サードパーティクッキーの廃止が予定されている中、マーケティング担当者はパーソナライゼーションを優先し、顧客の興味・関心に自社のブランドを結びつけていくことが必須だと言えるだろう。

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