「置き配」利用経験者は2人に1人に【Tポイント・ジャパン/ LOCCO調査】

ECのミカタ編集部

セイノーHDグループ会社の株式会社LOCCO(本社:東京都中央区、取締役社長:関谷文隆、以下「LOCCO」)と株式会社Tポイント・ジャパン(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:杉浦敬太、以下「Tポイント・ジャパン」)は、自宅のドア前や宅配BOXで荷物の受け取りができる「置き配」について、T会員1,251名にアンケート調査を実施し、その結果を公表した。ここではその概要についてポイントを絞って見ていく。

「置き配」知っている9割、約2人に1人は利用経験あり

「置き配」知っている9割、約2人に1人は利用経験あり

まず、「置き配」の認知、利用状況についてだ。「置き配」サービスを「知っている」と回答した人の割合は93.6%、「知らない」と回答したのは6.4%という結果になった。

また「知っている」と回答した人のうち、「実際にサービスを利用したことがある」と回答したのは全体の49.7%、「サービスを利用したことはない」と回答したのが全体の43.9%という結果になった。

さらに年代別で「置き配を利用したことがある」と回答した割合は、20代で57.1%(もっとも利用した:13.4%/最近利用した:22.3%/過去に利用した:21.4%)、30代で55.4%(もっとも利用した:12.2%/最近利用した:22.4%/過去に利用した:20.8%)、40代で51.6%(もっとも利用した:11.3%/最近利用した:19.0%/過去に利用した:21.3%)、50代で41.4%(もっとも利用した:9.3%/最近利用した:15.3%/過去に利用した:16.8%)、60代で43.0%(もっとも利用した:10.3%/最近利用した:14.5%/過去に利用した:18.2%)という結果になった。

「置き配」は9割を超える高い認知率で、ほとんどの方がサービスについて理解していることがわかる。また約2人1人がすでに利用経験があり、特に20~40代で積極的な利用の傾向が見受けられた。また頻度についても同様に若年層ほど高いことがわかった。

生活者に“サステナブル”意識が芽生えている?

生活者に“サステナブル”意識が芽生えている?

次に、直近1カ月の配送サービスで置き配を「もっとも利用した」と回答した利用者に対して、「置き配を他の人に推奨したいポイント」について調査した。その結果、全8項目の中から、1位が「再配達がないので、配達員への負担が減る」(62.4%)、ついで2位「再配達がないため配送会社への連絡等が不要」(58.2%)、3位「配送に合わせて在宅する必要がない」(56.0%)という結果になった。

一方で、置き配の「未利用者」が「置き配サービスに対して魅力に感じる特徴」について調査した。その結果、1位が「再配達がないので、配達員の負担が減る」(32.8%)、ついで2位「再配達がないので、配送時の自動車のCO2が削減され環境にやさしい」/「再配達がないため配送会社への連絡等が不要」(26.4%)、3位に「置き配でポイントがもらえる」(25.9%)という結果になった。

利用経験の有無にかかわらず、置き配の魅力については「再配達にかかるコスト(時間的/環境的)の軽減」が挙げられていた。また「配達員の負担が軽減される」点が最も高く評価されており、コロナ禍でエッセンシャルワーカーとして存在感を強める配達員への配慮がうかがえる。荷物の受取手である生活者にも、環境やヒトに優しい“持続可能な物流”を支える一員としての意識が芽生えているのではないだろうかと分析している。

「置き配」ヘビーユーザーのライフスタイルは?

「置き配」ヘビーユーザーのライフスタイルは?

また7,000万超のT会員のライフスタイル分析から、置き配を「もっとも利用した」と回答した利用者が、ライフスタイルや志向性において全体平均より突出している点を抽出し、特徴を導き出している。

その結果、家族や住まいについては「一人暮らし」で「賃貸マンション」に暮らしている方が多く、不在でも荷物を受け取れる「置き配」の機能性を活用されている方が多いようだ。

また興味関心ごとでは「財テク」「海外旅行」「グルメ」「語学」の傾向が強いことから、学習意欲が高く、活発な性格が読み取れる。そのほかにも「デパ地下での買い物が好き」「限定商品が好き」などの志向性があることから、都会的な生活様式を好まれる傾向が強いようだ。

一方で、「置き配を知っているが利用したことがない」人に対して、「置き配を利用しない理由」について自由回答をしてもらった。その結果、ワードクラウドからもわかるように、全年代を通して「盗難」「盗む」「紛失」「不安」などのコメントが多く寄せられた。「置き配」をまだ利用したことのない人の多くは、荷物の盗難や紛失など、防犯上の懸念から抵抗感を感じていることがうかがえる。

しかし、置き配サービス「LOCCO」を運営する株式会社LOCCOによると、2021年1月から2022年3月の期間において、実際の「盗難」や「紛失」などによる盗難保険の適用率は0.0008%と、実際に置き配でトラブルに遭遇するのは10万件に1件未満であることがわかった。

「置き配」、さらなる浸透が進むか

公表に際して同社では次のように述べている。

「新型コロナウイルスによる新しい生活様式で、ネットショッピングやフードデリバリーなどの『配送サービス』への需要が大きく増加しています。その一方で、“2024年問題”として、自動車運転業務に対しても時間外労働の上限規制が適用されることに起因する、配達員の人員不足や配送遅延、運賃価格の上昇といった深刻な物流課題が懸念されています。また、再配達によるCO2排出量の増加や配達員不足も引き続き問題視されています。そんな中、『置き配』は受け取り手側に在宅を必要とさせず、配達員にも再配達を生じさせないことから、大きな関心を集めています。本アンケートでは、『置き配』について生活者の利用実態やサービスへの意識調査を行いました」

同社も述べているようにEC市場の拡大にあわせて、そのECの生命線とも言えるラストワンマイル物流には、多くの課題が横たわっている。その課題を解決する上で「置き配」は、大きな効果を発揮しつつあるが、今回の調査では今後の動向を探る上でのデータを得つつ、生活者の意識を浮き彫りにするものとなったようだ。

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