送り状システムとは?特徴や利用するメリット、選定のポイント
受注した商品を発送するたびに発行が必要な「送り状」。多頻度の小口配送が増加している昨今では、送り状の発行業務が発送業務をひっ迫することもあるかもしれない。「手書きの作業負担を減らすために送り状発行作業をデジタル化したい」「送り状システムを利用するメリットを知りたい」と考える担当者もいるのではないだろうか。
今回は、送り状の発行業務における課題点を押さえつつ、送り状システムの概要や利用するメリットを解説する。送り状システムを選定する際のポイントも紹介しているので、参考にしてほしい。
目次
●送り状発行業務における課題
●送り状システムとは
●送り状システムを利用するメリット
●送り状システムを選ぶ際のポイント
●まとめ
送り状発行業務における課題
まずは、ECサイト運営における送り状発行業務の課題点について見ていこう。
時間を要する
一つひとつの荷物の送り状を手書きで記入する場合、発行作業に多くの時間を要することが課題だ。「人件費がかかる」といったコスト面の課題だけでなく、発送量が多く、送り状の発行作業が立て込むと、「発送予定日に間に合わない」「コア業務に注力できない」などの問題にも発展する可能性があるだろう。
アナログ作業はミスが発生しやすい
アナログでの作業は、「誤字脱字」「顧客データと商品名の不一致」といった記入ミスや書き損じが懸念される。商品の種類や大きさによって「複数の運送会社を利用」「メール便と宅配便の双方を利用」など数種類の伝票を使い分けているケースでは、ミスの発生率がより高まるだろう。ミスの発生やそれによる商品の発送遅延は自社の信用問題につながるため、細心の注意が必要だ。
送り状システムとは
送り状システムとは、運送業者が提供している「プリンターで送り状を印刷できるサービス」、もしくは、サービス会社が提供する「運送業者の送り状システムを統合して宛名を発行するシステム」のこと。それぞれの特徴を具体的に見ていこう。
配送業者が提供する送り状システム
配送業者が提供している送り状システムには、CSVデータでの注文情報の取り込みや出荷ステータスを一括管理できる機能が搭載されている。自社のプリンターを使用したり配送業者から専用のプリンターをレンタルすることで、自社内で宛名ラベルを印刷することが可能だ。
主な運送会社が提供しているシステムサービスは以下の通り。
・佐川急便:e飛伝Ⅲ
・ヤマト運輸:B2クラウド
・日本郵便:ゆうパックプリント・クリックポスト
・日本通運:カンガルーマジックⅡ
・西濃運輸:iSTAR-2
・Rakuten EXPRESS:R-Waybill
近年は、大手だけでなく地方の配送会社も送り状システムの提供を開始している。
サービス会社が提供する送り状システム
サービス会社が提供する送り状システムは、複数の配送会社の送り状発行に対応しており、パソコン上で配送業者と配送方法を決定・抽出し、宛名を印刷する。配送会社ごとにプリンターや端末を用意する必要がないため、省スペース化・作業の簡素化が実現することが特徴だ。
提供しているサービス会社によって、対応している配送業者やシステムが異なる。また、基幹システムや物流システムなどの他システムとの連携に対応しているサービスも多い。
送り状システムを利用するメリット
送り状システムを利用することによって得られるメリットを紹介する。
ミスの削減
送り状システムを利用すると「注文データ」や「顧客情報」から宛名が印刷されるため、誤字脱字などのミスを大幅に削減できる。
また、サービス会社が提供しているシステムではパソコンの画面上で運送会社や配送方法を選択して印刷できるため、内容の齟齬や複写式伝票の取り違えなどの心配もない。ミスによる遅延やクレーム、ファンの離脱を防ぐためにも、送り状システムは有効だと言えるだろう。
業務の効率化
送り状作成にかかる時間を大幅に削減し、業務の効率化を図れることも送り状システムのメリットと言える。送り状番号(問い合わせ番号)を自社で管理できるため、「問い合わせ番号を個別メールで配信する」「配送状況の確認に利用する」などの活用も可能だ。
また、サービス会社が提供するシステムで情報の一元化や他のシステムとの連携を行えば、送り状発行や出荷に関わる時間をさらに短縮できるため、人件費などのコスト削減も期待できるだろう。
ペーパーレス化
送り状システムでは、システム上でデータを管理する。複写式でない送り状では、送り状の控えを紙媒体で保管する必要がなくなるため、ペーパーレス化やオフィスの省スペース化の推進にも効果的だ。データでの検索が即座に行えるため、ユーザーからの出荷の問い合わせにも迅速に対応できるだろう。
送り状システムを選ぶ際のポイント
送り状システムを選ぶ際に注意したいポイントを紹介する。
対応している配送会社、サービス
サービス会社が提供する送り状発行システムでは、利用したい配送会社のサービスを網羅しているかが重要だ。対応していない場合には情報の一元化が行われず、無駄なコストが発生する可能性もあるため、必ず確認しておこう。
利用条件、料金システム
利用条件や料金システムも確認しておきたいポイントだ。配送業者が提供する送り状システムでは、配送業者によって専用ラベルや会員登録、端末レンタル料の有無が異なることに注意しよう。
システムには「クラウドを経由するもの」と「パソコンにインストールするもの」とがあるため、自社の業務体制や利用の目的によって選択することも重要だ。
連携できるシステム、機能
連携できるシステムや機能の有無も確認しておきたい。同じ配送業者の他システムや自社で利用している基幹システムなどと連携することで、より作業効率が向上する、コストパフォーマンスの高いシステムを選ぶとよいだろう。
まとめ
アナログの顧客名簿や表計算ソフトなどを利用し、多くの時間を必要としていた従来の送り状発行業務。発送業者やサービス会社が提供する「送り状システム」を活用すれば、時間やコストの削減、ペーパーレス化といった効果が期待できるだろう。業務の効率化を図り、従業員の負担を軽減するためにも、一度自社の業務体制を見直し、送り状システムの導入を検討してみてはいかがだろうか。
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