インフィード広告とは?ECサイトで使うメリットや成功させるポイントを解説!

ECのミカタ編集部

インフィード広告とは?ECサイトで使うメリットや成功させるポイントを解説!

ECサイトで運用できるオススメの広告がインフィード広告です。インフィード広告とはコンテンツの間に挟まれる広告であり、他の広告に比べて広告と認識されにくいため、クリックを促せるとされています。本記事ではインフィード広告の概要から料金体系、成功させるためのコツを広告運用が初めての方へ向けてわかりやすく解説します。

インフィード広告とは

インフィード広告とは


インフィード広告とはSNSやメディアサイトなどのコンテンツの間に挟まれている広告のことを指します。

前後のコンテンツに馴染むように作る必要があるため、広告として認識されずスムーズにクリックを促せるとされています。従来は静止画がメインでしたが、最近では動画の配信も可能になっており比較的自由度が高いことが特徴です。また、サイバーエージェントの調査結果によると、2023年のインフィード広告の市場規模は2017年に比べて約2.1倍の3,921億円に達すると予測しており、今後もインフィード広告の需要は高まる傾向にあります。
引用:https://www.cyberagent.co.jp/news/detail/id=21333

インフィード広告が出稿できる媒体
インフィード広告は、コンテンツが豊富にあるメディアやSNSなど以下の媒体に出稿することが可能です。

【SNS】
・Facebook
・Instagram
・Twitter
・Line

【メディアサイト】
・Gunosy
・Newspicks
・LinkedIn
・Wantedly People
・SmartNews
・NewsDigest

【ECモール】
・楽天市場

インフィード広告が多くの媒体に出稿できるようになったのは「2015年のYahoo! JAPANのスマートフォン版およびアプリのトップページのタイムライン化」の影響が大きいとされていますが、現在Yahooでは出稿することができません。2021年のYDNの終了に伴い、インフィード広告も強制的に終了となったため、Yahooで出稿する場合は別の広告を検討する必要があります。

インフィード広告の種類


インフィード広告には3つの種類が存在します。

ネットワーク型
1つがネットワーク型です。一括で複数の媒体に出稿できるアドネットワークを利用して広告を配信するため、年代・性別・趣味嗜好が異なる多くの顧客にリーチすることが可能です。アドネットワーク業者に掲載前後の処理を一括して任せられるため、業務効率化も期待できることが特徴です。

運用型
特定の媒体で運用するタイプが運用型です。FacebookやInstagramなどのSNSが該当し、年代や興味、関心ごとなど細かな条件を設定できるため、具体的なペルソナが決まっているECサイトにオススメのタイプです。SNSそれぞれによって利用層や年代が異なり、例えばFacebookの月間利用者数は国内2,800万人で30-40代に利用されていますが、Instagramの月間利用者数は国内3,300万人で10~30代の女性から利用されています。運用型を選ぶ際はSNSごとの特徴を把握することが求められます。

純広告型
純広告型とは広告枠を買い取って掲載する広告のことを指します。掲載場所は固定で決まっており、LINEであればトークの一番上、楽天市場であれば特集ページやイベントページの上部など媒体によって表示場所は異なります。決められた期間で商品を露出できるため、ECモールのセールなど特定期間商品を購買させたい時に有効とされています。

ネイティブ広告との違い


インフィード広告とよく混同されやすいのがネイティブ広告。インフィード広告はネイティブ広告の一種です。ネイティブ広告は「webページに馴染んでいる広告」のことを指しており、インフィード広告の上位概念として捉えられています。

まとめると
・ネイティブ広告=webページに馴染んでいる広告全般
・インフィード広告=コンテンツ間に表示される広告
となります。

インフィード広告の料金体系

クリック課金型


クリック課金型は、広告をクリックするごとにコストがかかる料金体系です。計算式は「クリック数×クリック単価=広告費」となっています。1クリックあたり固定で○円と決められており、1クリック100円で200回クリックされると20,000円かかります。

インプレッション課金型


広告が表示されるたびにコストが発生するのがインプレッション課金型です。計算式は「広告費÷表示回数=広告1回表示の単価」となっています。
表示回数ごとに単価が決められており、ECサイトとしては予算内に広告を配信できるメリットがあります。ECサイトのブランディングや商品の認知を目的とする場合で有効とされています。

エンゲージメント課金型


SNS広告のみに適用される料金体系です。顧客が「いいね」や「シェア」など具体的なアクションを行うと費用が発生します。計算式は「広告費÷エンゲージメント数=1回のエンゲージメントに対する広告費用」となっています。自社商品に興味を持つ顧客に具体的なアクションを促せる可能性が高いため、ターゲット以外の顧客に対して費用が発生しにくいことが特徴です。

媒体ごとの料金相場


Twitter
Twitterは「エンゲージメント課金型」に対応しています。国内月間アクティブユーザー数は4,500万人となっており画像やテキストだけでなく、動画もインフィード広告に載せることができ、「1エンゲージメント=60〜200円」が平均相場となっています。

Facebook
Facebookは「インプレッション課金型」「エンゲージメント課金型」に対応しています。実名性であることや職業、役職といった詳細なプロフィールを基にしたターゲティングが可能です。平均相場は「1000インプレッション課金型=200〜800円」「1エンゲージメント課金型=80〜300円」です。

LINE
LINEの課金形式は「インプレッション課金型」または「クリック課金型」です。「静止画」と「動画」の2種類の素材に対応しており、用途に応じてクリエイティブを活用できます。平均相場は「1クリック課金型=25〜70円」「1000インプレッション課金型=400〜650円」となっています。

TikTok
TikTokは「クリック課金型」、「インプレッション課金型」を採用しています。通常の投稿と同じように「コメント」「いいね」「シェア」が可能なので、多くの顧客からの認知を期待できます。「1クリック課金型=20円〜150円」、「1000インプレッション課金型=100円〜600円」が平均費用となっています。

Gunosy
Gunosyは「インプレッション課金型」、「クリック課金型」を採用しています。ユーザーの閲覧履歴をもとにしたターゲティングが可能となっており、適切な顧客にアプローチできるとされています。平均費用は「1000インプレッション課金型=180〜550円」「1クリック課金型=20〜60円」となっています。

楽天市場
楽天市場は「インプレッション課金型」を主に採用しています。お買い物マラソンや楽天スーパーセールがあるため、平均相場は変動し40,000円〜1,200,000円など掲載枠や掲載期間によって金額が大きく異なります。イベント中はアクセスユーザーも増えるため、予算に余裕があるECサイトは配信する価値は十分にあります。

ECサイトがインフィード広告を使うメリット!

多くのターゲットにアプローチできる


メリットの1つが多くのターゲットにアプローチできることです。高い頻度で情報を更新するSNSやメディアサイトでは、最新の情報を知ろうと多くのユーザーがサイトへ訪れます。そのため、自社サイトと全く接点がない顧客から親和性の高い顧客まで幅広い層に向けて広告を当てられます。特にポイントが付くECモールは定期的にイベントを開いているため、ポイント狙いの顧客に対して高い効果を発揮できるとされています。

高いクリック率を見込める


従来の広告と比べてインフィード広告のクリック率(CTR)が2.2倍とされています。インフィード広告はコンテンツとして認識されやすく、通常の広告に比べ高いクリック率が見込めます。また、クリック率だけでなくコンバージョン率(CVR)も1.2倍となっています。顧客の興味に沿った広告であるからこそ、顧客に具体的なアクションを起こさせることも可能となっています。

クリックされやすいインフィード広告を作る4つのポイント

適切なターゲティングを行う


広告を配信するターゲットを細かく設定しましょう。例えば化粧メーカーであればターゲットを30代女性と幅広く設定するのでなく、「仕事が忙しく、普段肌をケアする時間もない30代女性」と設定することで、狙った顧客に刺さりやすい広告を作成することができます。インフィード広告はターゲット層でない顧客に対しても表示されるため、角度が低い顧客がクリックをすると無駄なコストが発生します。
売り上げを上げる、コストを抑える観点で適切なターゲティングをすることはインフィード広告を運用する上では大前提です。

興味を持ってもらえる広告にする


表示先前後のコンテンツと似たような広告にすることでユーザーの興味を引き付けることができます。そのため、「今だけ限定何%オフ!」といかにも広告だと判断される文言でなく、「○○を使ったことで悩みが解決!」など、続きが気になり思わずクリックしてしまうような広告作りを意識しましょう。

何度見ても飽きないよう工夫を施す


インフィード広告は1人の顧客に対して何回も同じ広告が表示される可能性が高いです。顧客が広告を見て不快感を得ないようにするためにも、工夫が必要です。広告と認識できる配色や文言を避けることはもちろん、1人に対して配信回数を決められる「フリークエンシー」という設定をしましょう。配信する期間や週を設定することで1人のユーザーに何回も同じ広告を当てることが避けられます。

違う画像や文言にするなど何回もテストする


インフィード広告は何回もテストすることを想定しておきましょう。最初の配信でCVを多く取れることは珍しく、どのクリエイティブが最も取れるか検証する必要があります。また、テストする際は変更箇所は文言だけなど、変数は1つにしておきましょう。変更箇所を複数にすると、なぜ多くのCVが取れたのか原因がわからずPDCAサイクルを回すことが難しくなります。

【成功事例】インフィード広告の運用の仕方

DIESEL

イタリアのファッションブランドとして世界に名を馳せるDIESEL。DIESELはGR8とのコラボ企画のカプセルコレクションの認知拡大を目的にTikTokの運用型広告「Brand Auction」を配信しました。TikTokで普段配信されているようなと変わりのない個性的でユーザーの興味を惹ける広告を配信したことで、購買意向を過去の広告に比べて+300%の結果を叩き出ました。10代、20代のファッションに興味があり、金額が高くまだ高いブランドを購入できない若者に合わせた広告を配信したことで高い効果を出した事例の1つです。

ブックオフオンライン

ブックオフオンラインはブックオフのECサイトです。2009年から商品のPR戦略の1つとしてTwitterでインフィード広告を開始しています。Twitterの特性である急上昇キーワードでKWを設定し、運用を始めた1年間で獲得したフォロワー増加数を1ヶ月で達成しています。ターゲティング性能と情報拡散能力が高い特徴を持つTwitterで、ユーザー目線のインフィード広告を活用した事例となっています。

ライスフォース

ライスフォースは化粧品をオンラインで販売するECサイトです。インフィード広告に同じ広告が表示され続けないように、さまざまな広告パターンを用意し入れ替えテストし続ける運用を中心に行った結果、検索経由でのECサイト流入数を従来の約1.5倍に伸ばしました。さまざまな趣向の顧客に対応する、複数の広告パターンを展開したことで、新しい顧客の獲得・認知度の向上を叶えた事例です。顧客目線になり、興味を惹くアイディアを日々更新していくことが、インフィード広告を伸ばす成功の鍵と言えるでしょう。

まとめ

本記事ではインフィード広告の概要から作り方まで解説しました。インフィード広告はコンテンツ間に表示され広告色が強くないため、クリックされやすい特徴を持っています。ECサイトへの流入を増やすためにもそれぞれの種類や特徴を把握した上で、自社に適した媒体を選び、運用を行いましょう。


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