ECサイトの集客に必須!レコメンドメールの活用術とは?
レコメンドメールとは、効率的に売り上げを伸ばす手法の一つです。ECサイトでうまく活用することで企業だけでなく顧客にも嬉しい情報を提供することができます。この記事ではこれから自社でレコメンドメールの導入を検討している人に向けて、レコメンドメールの基礎や活用術をご紹介します。
レコメンドメールとは
レコメンドメールとは顧客一人ひとりに合った「おすすめの商品・情報」を提示するメールマーケティングです。顧客の閲覧履歴・購入履歴をもとにベストなタイミングでコンテンツを配信するため、別名「パーソナライズメール」とも呼ばれています。情報の提供の仕方によってもメールの種類が変わってくるのが特徴です。
レコメンドメールの目的
レコメンドメールの目的は顧客の購買行動におけるCX(カスタマーエクスペリエンス)を向上し、購入単価や顧客単価を上げることです。レコメンド機能は顧客の閲覧履歴や購入履歴などのデータ、商品の属性を通じて、購入の可能性が高い商品をダイレクトにおすすめします。顧客の購入意欲を高めることで購入単価や顧客単価も上げることができます。顧客側としても、自分に関係のない、興味のないアイテム・コンテンツをおすすめされるサイトよりも「自分の購買行動や好みを理解している」と感じるため、利便性とともにECサイトへの信頼性も向上します。リピーター獲得のためにも有効な施策です。
レコメンドメール 基本の4種類の用語説明
レコメンドメールは主にルールベース、協調フィルタリング、コンテンツフィルタリング、ハイブリッドフィルタリングの4つに分類されます。
ルールベース
ルールベースとは、流入元や累積スコアごとのセグメントによってルールを決めてコンテンツごとに出し分けるレコメンド施策です。例えば、母の日ギフトの広告から流入した人には、母の日ギフトのコンテンツや特集を選んで、レコメンドメールを送信します。ルールベースレコメンドは、売り手側がこのセグメントにはこの商品が売れる・売りたいという場合などに有効です。
ただし、レコメンドの内容と顧客の嗜好にズレがあると、効果が出にくいというデメリットがあります。そのため、決め打ちではなくセグメントごとのABテストなどを行いながら効率的にコンテンツを表示するのが一般的です。
協調フィルタリング
協調フィルタリングは顧客の購買・行動履歴をもとに配信する手法です。
多くの人の購買・購入データを集めたうえで、顧客がどのタイプの人に近いかを見極め、おすすめ商品を提示していきます。さらに顧客が認知していない商品をおすすめすることもできるため、購入選択肢を広げることに繋がります。
また購入意欲が低い段階でも、レコメンドメールのおすすめされる商品で誘導することによって、顧客の購入意欲を高めることへも繋がります。
コンテンツフィルタリング
事前に設定したコンテンツタイプ(商品のカテゴリー、色、価格)別にユーザーが選んだ商品やサービスと似たものを提示する手法で、企業側はコンテンツを絞る段階で自分たちの意図を組み込むことができます。あらかじめ設定したデータに基づいておすすめの商品を提示していくため、初めてサイトに訪れる顧客に対しても商品を提示することができます。
ハイブリッドフィルタリング
協調フィルタリングとコンテンツフィルタリングを組み合わせたもの、他のレコメンド機能を組み合わせたものがハイブリッドフィルタリングです。両者の長所を取り入れたフィルタリングは多くの企業で導入されています。あらかじめ設定したコンテンツの属性タイプ(カテゴリー・値段・色など)とユーザーの閲覧履歴や行動履歴などのデータ、両方を取り入れることでよりユーザーに合った提案ができます。
レコメンドメールの重要性とは
レコメンドメールとは顧客、企業双方にとってメリットがあります。顧客は自分にとっておすすめの商品情報が流れてくるため、商品の選択肢を増やすことができ、企業は事前にフィルターをかけて選定した情報を配信するのでメールマガジンの配信メールの精読率が上がるだけではなく購入率を上げやすいと言われています。
また、闇雲にメールを配信することがなくなるのでメールの配信の無駄なコストをカットすることも可能です。
レコメンドメールの配信方法
ここから、レコメンドメールの配信方法2種類を解説します。
アプリとの連携
レコメンドメールの配信方法の1つにアプリとの連携があります。アプリには集計したデータを可視化してくれるダッシュボード機能やAIが自動で送信してくれる機能も付いています。また送ったレコメンドメールのデータを分析し、可視化してくれることで「興味関心・属性」などからさらなる施策や商品作りのアイデアを得ることも可能です。
レコメンドエンジンとの連携
レコメンドを自動化して行うシステムのことをレコメンドエンジンと呼びます。レコメンドエンジンには顧客データを統合的に分析する仕組みが備わっており、自社サイト内でレコメンドエンジンを連携することによって、より効果的なアクションを行うことができます。分析ツールを自社で開発する必要はなく、比較的安価にレコメンドメールを導入することができます。
レコメンドメールの導入課題
ここではレコメンドメール導入の際に注意すべき点を解説していきます。
アプリを導入する場合はコストがかかる
専用アプリと連携してレコメンドメールの運用をする場合、コストがかかってきます。そこで、ツール導入に必要なコストとメールを配信したことで得られる利益、どちらが大きくなってくるのかを比べる必要があります。
一定の顧客データが必要
レコメンドメール配信の前提には大量の顧客行動データが必要です。顧客データが少ない場合は検証がしづらい可能性があるため、レコメンドメールを送っても効果が出ず、検証しにくい可能性があります。データ量が少ない場合はまずは自社サイトへの流入を増やす施策を優先に行いましょう。
レコメンドメール活用例
ここでは活用事例を紹介します。レコメンドメール導入前と後での変化を比べて、販売促進にも活用してみてください。
実際の導入事例
小売・流通・卸売業による事例
「課題」
商品購入率、購入単価が低下している。
「施策ポイント」
カートぺージという購入意欲が高い段階でレコメンドを出すことにより「ついで買い」や「併せ買い」を促しやすくなります。サイト運営者が「一緒に買われやすい商品」をあらかじめ設定することで機械的な自動レコメンドよりも訴求力の高いレコメンドを表示します。
「導入後の状況」
購入単価が最大約110%向上しました。顧客の心理を上手く、商品購入へと導くことで大幅な売り上げアップにつながります。
人材紹介マッチングサービスによる事例
「課題」
おすすめ求人と希望条件に乖離があり、マッチングの精度が向上しない。
「施策ポイント」
転職活動中は希望条件が変化すると仮定し、閲覧データや応募履歴に基づきおすすめ求人を配信します。
「導入後の状況」
マッチング精度が向上しました。配信したメールの開封率は26%向上、クリック率は14%向上、コンバージョン率は10%向上と大きな成果を上げることができました。全ての段階において確実な効果を生み出す事が出来るのもレコメンドメールの特徴です。
まとめ
レコメンドメールの重要性、配信方法について解説してきました。レコメンドメールを導入する最大の目的は「効率的に集客する」ことにあります。ニーズが多様化する中でスピーディーな対応を行いながら売上を伸ばすためにも、レコメンドメールは必要不可欠です。また効果的に利用するには、目的に合わせたツールを選ぶことも大切です。レコメンドメールを配信してさらに販売を促進させ、1人でも多く集客していきましょう。