食べチョク、新たに約13億円の資金調達を実施

ECのミカタ編集部

株式会社ビビッドガーデン(本社:東京都港区、代表取締役社長:秋元里奈、以下「ビビッドガーデン」または「同社」)は、約13億円の第三者割当増資を行ったことを公表した。

同社の基盤がさらに強化

日本最大級の産直通販サイト『食べチョク』を運営するビビッドガーデンは、既存株主であるジャフコグループ株式会社をはじめ、新生企業投資株式会社などを引受先とする約13億円の第三者割当増資を行った。

今回の引受先として、ふくおかフィナンシャルグループ傘下の株式会社FFGベンチャービジネスパートナーズや、山口フィナンシャルグループのCVCである山口キャピタル株式会社など、地方銀行系ベンチャーキャピタルが6社参加した。

食べチョクはこれまで全国様々な自治体と57件の連携を実施し、生産者の販路拡大・販売促進を行ってきた。同社は、今回調達した資金をもとに、自治体や地域との連携を強化し、高齢の方をはじめとする様々な生産者のサポートを行うという。

また今回、事業会社のCVCであるGOLDWIN PLAY EARTH FUNDも参加し、今後の事業領域の拡大に向けてアライアンスも強化するとしている。なお調達資金は人材採用やマーケティングにも充て、更なる組織拡大とサービスの普及を目指すとのことだ。

今回の引受先概要

◆新規株主

・新生企業投資株式会社グループ
・ANRI
・三菱UFJキャピタル株式会社
・みずほキャピタル株式会社
・株式会社FFGベンチャービジネスパートナーズ
・山口キャピタル株式会社
・GOLDWIN PLAY EARTH FUND
・南都キャピタルパートナーズ株式会社
・ヒューリックスタートアップ株式会社
・いよぎんキャピタル株式会社
・株式会社広島ベンチャーキャピタル
・山梨中銀経営コンサルティング株式会社

◆既存株主

・ジャフコグループ株式会社
・NOW株式会社

※敬称略、順不同

今回調達した資金の用途

今回調達した資金の用途

◆高齢の生産者のサポートを強化

食べチョクはこれまで全国57件の自治体と連携してきた。地方連携を強化することで、全国の生産者との強固な基盤を構築するとともに、インターネットに不慣れな高齢の生産者でも出品できる状態を目指す。

◆エンジニアや経験値のあるエグゼクティブ人材の採用を強化

生産者とユーザー双方に、安定して継続的に利用してもらえるサービスに成長させるため、エンジニアや経験豊富なエグゼクティブ人材の採用を強化する。

◆より広い層へ届けるため、企業との連携やマーケティングを強化

日本各地に、生産者がこだわりを込めて作った生産物が数多く存在する。より多くの人にこだわりの生産物を届けるために、企業との連携による事業の拡大や、マーケティング強化によるユーザー数の拡大を目指す。

各投資家からのコメント

各投資家からのコメント

◆新生企業投資株式会社 ディレクター 大目 晃弘 氏

今回の出資にあたっては食べチョクを利用している生産者にもインタビューさせていただく機会をいただきました。食べチョクが生産者にいかに大きな価値を与えているのかという生の声を聞かせていただき、ビビッドガーデンが掲げる「生産者のこだわりが正当に評価される世界」を本当に実現していることに感銘を受けました。さらに多くの生産者の皆様にこうした価値を届けられるように弊社はビビッドガーデンの更なる発展を全力でサポートさせていただきます。

◆ANRI ジェネラル・パートナー 河野 純一郎 氏

今回、ビビッドガーデン社の応援団の一員になれましたこと、大変嬉しく思います。食べチョクのことは従前から存じ上げておりましたが、コロナ禍において苦境に立たされた生産者さんを思い、精力的に動かれる秋元さんがとても印象的で、自然と応援したいという気持ちになりました。「生産者のこだわりが、正当に評価される世界」の実現を、サポートしていければと思っております。

◆三菱UFJキャピタル株式会社 投資第四部 次長 清水 悠太 氏

これまで真摯に一次産業の課題に向き合い、サービスに反映させてきた「食べチョク」の高い成長スピードと、生産者のインフラとなりうるポテンシャルに魅力を感じ、出資をさせていただきました。素晴らしいメンバーの皆様が目指す“生産者のこだわりが正当に評価される世界”の実現に向け、また「食べチョク」を通して、生産者・消費者にさらにたくさんの幸せが届くことを期待して、MUFGグループの力を活用し伴走させていただきます。

◆みずほキャピタル株式会社 投資第2部 インベストメントマネジャー 久家 慎一郎 氏

秋元社長が創業以来、一貫して積み重ねてきた「生産者ファースト」のサービスは、生産者の方々の顔が見える良質な商品を消費者に届け、「食べチョク」として広く世の中に認知されてきました。「生産者の“こだわり”が正当に評価される世界へ」という共通のビジョンを持った優秀なメンバーの皆様が、「食」を通じて世界を豊かにしてくれるものと大いに期待します。みずほキャピタルもグループ総力をあげて支援して参ります。

◆株式会社FFGベンチャービジネスパートナーズ 投資事業部マネージャー 大原 未流斗 氏

新規出資によりご一緒できることは大変嬉しく思います。今回の出資にあたり、創業者の秋元さんと素晴らしい経営陣の熱量の高さに加え、農業領域における大きなポテンシャルを感じました。一次産業のD2Cへの流れは加速しており、ビビッドガーデン社はマーケットプレイスとして想定を超えるスピードで急速に成長しています。今後は弊社グループとの共創パートナーとして、九州の生産者様の販路拡大・販売促進を共にサポートしていきたいと考えています。これからは株主の皆様とともに全力で伴走してまいります。

◆山口キャピタル株式会社 代表取締役 古堂 達也 氏

「食べチョク」は生産者の想いやこだわりを消費者に直接伝えることのできる素晴らしい産地直送プラットフォームだと思います。世の中のEC化が不可逆なトレンドとして進む中、一次産品をはじめとした食品のEC化のポテンシャル、そして産地直送プラットフォームとしてNo.1のポジションを築いているビビッドガーデン社の今後の成長に期待しております。
既に多くの生産者に利用されるプラットフォームとなっておりますが、更なる成長拡大のため弊社銀行グループネットワークを活用し、より多くの生産者さまに「食べチョク」を届けてまいりたいと考えております。

◆GOLDWIN PLAY EARTH FUND 株式会社ゴールドウインベンチャーパートナーズ 木元 議宣 氏

◆株式会社ゴールドウインベンチャーパートナーズ 代表取締役 金田 武朗 氏

この度はビビッドガーデン様がこれまで築き上げてこられた輪の中に加わることができ、大変嬉しく思っております。GOLDWIN PLAY EARTH FUNDは「地域社会・コミュニティの創造」というテーマを「美しい地球環境の実現」と共に投資対象領域として掲げ、この4月より活動を開始しております。この地球が持続可能なものであり続けること、そんな世界をビビッドガーデン様と一緒に創り上げていきたいと考えております。

◆南都キャピタルパートナーズ株式会社 代表取締役社長 堺 敦行 氏

南都銀行グループも昨年から農業に参入し、気候や土壌などの制約を受けながら効率的な生産プロセスを組み上げる難しさに直面しています。こうした困難を乗り越えて生産を続ける方々のこだわりが消費者の方々に伝わらないのは、本当にもったいない!ビビッドガーデン社は、まさにこの「こだわりへの正当な評価」の実現のために最高のチームで取り組んでいます。私たちもこのチームを全力で応援し、一緒に実現を目指します。

◆ヒューリックスタートアップ株式会社 代表取締役 上杉 孝 氏

生産者のこだわりが"正当に評価される"世界を作るという事業ビジョンに共感し、今回出資させていただきました。「食べチョク」は既存流通の課題を解決し、日本の食を支える農家の支援につながるサービスであり、高い社会意義があると考えます。今回の出資を機に、ヒューリックグループのリソースを活用し、ビビッドガーデン社の更なる飛躍に貢献して参りたいと考えております。

◆いよぎんキャピタル株式会社 投資部長 徳永 邦彦 氏

秋元社長が掲げる「生産者ファースト」に共感する優秀なメンバーに支えられ急成長する「食べチョク」は、我々の地元である四国の生産者にとっても欠くことのできないサービスであることを実感したのが今回の投資の決め手となりました。いよぎんキャピタルは、ビビッドガーデン社のより一層の成長を地域のパートナーとして全力でサポートしてまいります。

◆株式会社広島ベンチャーキャピタル アソシエイト 宮下 隼人 氏

『食ベチョク』はこれまで全国の生産者と真摯に向き合ってきた秋元さん、ビビッドガーデン社だからこそ提供できる、生産者と消費者に幸せを届ける食のマーケットプレイスだと感じています。秋元さんや、運営に携わる方々の熱い想いが込められた「食べチョク」のさらなる成長に期待するとともに、チーム食べチョクの一員として生産者の“こだわり”が正当に評価される世界を実現できるよう我々も全力で支援してまいります。

◆山梨中銀経営コンサルティング株式会社 東京地区担当部長 山﨑 誠 氏

ビビッドガーデン社の運営する「食べチョク」は、全国のこだわりの生産者から、自分が食べたい・家族に食べさせてあげたい、新鮮な品物を手軽に購入できる産直通販サイトです。創業者の秋元さんをはじめ、社員のみなさまの『食への想い』が込められているサービスだと感じています。今後も、生産者と消費者双方の満足度を高める努力を惜しまない会社として、また多くの消費者から支持される『食』のマーケットプレイスとしてのさらなる成長を期待しています。当ファンドも同社の成長・発展に向けて様々な支援を行ってまいります。

◆ジャフコ グループ株式会社
チーフキャピタリスト 小沼 晴義 氏   
シニアアソシエイト 加藤 僚佑 氏

2020年の初回出資に続き、今回ラウンドも追加出資をさせて頂きました。ビビッドガーデン社はこの間も「生産者ファースト」な姿勢でサービスを磨き続けられ、「食べチョク」は認知度・利用率などについて国内産直通販サイトNo.1と評価されるサービスにまで成長しております。シリーズCでは新たに素晴らしい投資家の皆様にご参加頂けた事を大変嬉しく感じており、「生産者のこだわりが正当に評価される世界」の実現を目指し、共にサポートしていきたいと考えております。

◆NOW株式会社 シニアディレクター 中島 弘貴 氏

NOWの1号ファンド組成直後の2018年シード期の出資からフォローで追加出資させて頂いていますが、調達を重ねる度にプロダクトも組織もコミュニティも一段と強く、進化・成長されており、今回の調達による更なる成長が大変楽しみです。生産者、消費者がお互い身近に感じられ、繋がれるサービス、そして食のインフラとして、NOW一同、食べチョクの成長を全力で応援していきます。

◆ビビッドガーデン 代表 秋元 氏

実家の農業が廃業した経験から食べチョクの事業を起こしました。原体験があり、思いが強くなりがちだからこそ、創業時から「ロマンとソロバン」のバランスを大切にしています。その観点で、今回様々な業界を見ているVCの皆様にビビッドガーデンのビジョンに共感いただくと同時に、弊社の実績や成長性、チームの可能性を評価いただいたことをとても嬉しく思っています。強力なパートナーに加わっていただき心強さを感じるとともに、改めて身の引き締まる思いです。「生産者のこだわりが正当に評価される世界」を目指し、一次産業の業界により大きく貢献できるよう、チーム一丸となり邁進いたします。

地域との連携を加速化

地域との連携を加速化

産直通販サイト「食べチョク」を提供開始してから5年半、2022年5月時点で登録生産者数は7,200軒、ユーザー数は65万人を突破した。流通額は2年で128倍に成長し、認知度や利用率も業界トップクラスとなっている。

農業従事者の平均年齢は67歳だが、食べチョクに登録する生産者は40代から50代前後の方が多く、若い世代が多いのも特徴だ。また、これまで様々な自治体と57件連携する中で、高齢の生産者から「出品の方法を知り、ネット販売に踏み切れた」などの声をいただくこともあり、サポートを求められていることが分かったとしている。これを受けて、今回、出資した地銀系ベンチャーキャピタル6社を中心に、これまで以上に地域との連携を強化していくとのことだ。

さらに、従業員が在宅勤務中でも利用できる新たな福利厚生のニーズや、従業員のエンゲージメント向上のため一次産業のSDGsの取り組みを知る機会を提供したいというニーズが高まり、大手企業で、法人向けサービス「食べチョク for Business」の導入が増加。引き続き、法人事業の拡大やアライアンスの強化も行うと述べており、同社のさらなる基盤強化と新たなチャレンジに向けて、大きな前進となったようだ。

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