InstagramのUGCはどう活用すべき?集客や販促に成功した事例を紹介

ECのミカタ編集部

InstagramのUGCはどう活用すべき?集客や販促に成功した事例を紹介

近年、企業や店舗がInstagram上で公式アカウントを運用するケースが増えています。InstagramはSNSのなかでも若年層を中心に大きな影響力をもっており、Instagram上で存在感を示せれば集客や販促にもつなげやすくなります。

企業や店舗がInstagramを運用するうえでポイントとなるのがUGCの活用です。UGCとは、一般のユーザーが作成したコンテンツを指しており、認知拡大やロイヤリティ向上に役立ちます。この記事では、SNSにおけるUGCの重要性、InstagramのUGCを活用するメリットや実際の活用事例について解説します。

UGC(User Generated Contents)とは

UGCとは、「User Generated Contents」の頭文字をとったもので、ユーザーが作成したコンテンツを意味しています。具体的には、SNSやブログ・動画・イラスト・Wiki・ソーシャルブックマークなどです。現在では、商品を購入する前にインターネットで下調べをすることが当たり前になっており、それらの情報のなかにはUGCも含まれます。このような時代の変化に対応すべく、多くの企業がUGCに注目しています。

具体的なUGCの活用方法は、広告の一部として実際に使用した顧客の声を掲載したり、公式アカウントの投稿素材として利用したりする方法などです。親しみやすさや注目度を上げるのに適しているでしょう。

一般的なUGCとInstagramにおけるUGCの違い


Instagramの企業アカウントは若年層を中心としたアプローチに適しており、フォローしているユーザーに対して親近感を与えられます。たとえすぐに購入に至らなくても、企業アカウントが発信する情報を目にするなかで親しみをもち、商品やサービスに興味をもちはじめるケースもあるでしょう。

また、海外ではInstagramから直接購入まで進める機能も公開されており、今後日本で導入されれば、ますます売上につなげやすくなるはずです。

SNS運用においてUGCが重要な理由


SNS運用においてUGCが重視されている背景には、主に3つの理由があります。

1つめは、商品購入のきっかけをつくれる点です。一般的にSNSでは属性が近いユーザーのほか、同じような趣味嗜好をもったユーザーどうしがつながっています。そのため、商品やサービスに興味をもちやすいフォロワーにUGCがリーチしやすくなります。

2つめは、企業アカウントの投稿を読み、親近感を与えられる点です。オリジナルのハッシュタグを共有したり、自分が投稿した内容が公式アカウントで紹介されたりすると、より親近感が増すでしょう。

3つめは、UGCならではの視点をもっている点です。プロの写真や投稿も魅力的ではありますが、UGCは消費者が身近に感じられるような自然さをもっています。

また、UGCのなかにはプロ並みのクオリティで商品を紹介してくれるコンテンツもあるため、商品の魅力も十分に伝えられるでしょう。

UGCをInstagramに活用するメリット

企業の公式アカウントにUGCを取り入れると、さまざまなメリットが得られます。さらにInstagramが2019年に行った調査によると、日本国内のユーザーの80%が商品やサービスの購入を決定する際にInstagramを利用していることがわかっています。そのため、InstagramのUGCをうまく活用できれば、集客や売上につなげられるでしょう。

以下では、InstagramのUGCを活用するメリットについて紹介します。

リーチ獲得やコンバージョン率向上につながる


Instagramユーザーの多くは、自分が信頼できる友人や家族とつながりをもっています。そのため、公式アカウントをフォローしたり、商品をタグ付けしたりしてもらえれば、友人や家族にも商品やブランドを知ってもらうことが可能です。

信頼できる人物が間に入ることで、つながりのあるユーザーも商品やブランドに対し信頼感を抱きやすくなるはずです。新たなリーチの獲得やコンバージョン率の向上にもつながるでしょう。

ファンを育成しやすい


UGCを活用する際、企業は投稿した個人ユーザー宛てにメッセージを送って使用許可を得ます。しかし、このようなアクションはSNSの普及以前はなかったものであり、一般ユーザーにとっても目新しい体験となるはずです。

多くのユーザーは企業から直接メッセージが届くことに喜びを感じ、また採用されるようによりよいUGCを作成してくれるでしょう。UGCを作成するなかで商品のことを知る機会が増え、商品のファンになってもらえる可能性も高まります。

アカウント運用のコストを抑えられる


UGCは、ユーザーが作成するコンテンツであるため、企業側が新しいクリエイティブを作成する必要はありません。通常、SNS上で公式アカウントを運営する場合には、新たに写真を撮影したり、文章を考えたりといったコストやリソースがかかります。

一方、UGCであればユーザーの手によって作られたコンテンツを探すだけで済むため、コストやリソースの負担を大きく抑えられるでしょう。

また、UGCの活用によって運用の手間やコストを削減できれば、投稿の頻度を上げることも可能です。アカウントの投稿頻度はプラットフォーム上における露出機会にも直結するため、認知度や売上の向上にもつながるでしょう。

InstagramにおけるUGCの活用方法

InstagramでもUGCを活用することは、非常に有効な手段です。しかし、どのような方法で活用すればいいのかイメージがわかない方もいるかもしれません。

以下では、Instagram上で公式アカウントを運営する企業がUGCを活用する方法について紹介します。

UGCのみを投稿する


1つめの方法として、投稿されたUGCをリポストして運用する方法があります。リポストとはほかのユーザーの投稿をシェアする機能で、Twitterのリツイートのようなものです。

リポストのみで運用する方法のメリットは、コストがほぼかからない点です。画像や動画をメインコンテンツとするInstagramでは、投稿の際にクリエイティブを作成する必要がありますが、リポストではほかのユーザーのコンテンツを流用できます。

一方、デメリットとしては、コンテンツの内容がUGCに依存してしまうため、自社のブランディングや訴求に合わせるのが難しい点があげられます。アピールしたい点と合致しないUGCしか見つからない場合、方向がずれてしまうリスクがあるといえるでしょう。

自社投稿とUGCを併用する


2つめの方法は、UGCをリポストしつつ、自社で作成したコンテンツも投稿する方法です。クリエイティブを作成する負担を抑えつつ、自社がアピールしたい方向をコントロールできるため、UGCのみで運用する場合に比べて、コンテンツの方向性を安定させられる点がメリットといえます。

UGCの投稿を促す際には、Instagram上でキャンペーンやコンテストを行い、UGC作成を促すのも効果的です。しかし、コンテストやキャンペーンの企画、UGCの選別には、一定の人手や時間がかかります。

また、自社でコンテンツを作成するにあたってコストがかかる点もデメリットです。Instagramの運用に対して、どれくらいの予算や人手を割けるかによって、どちらの方法をとるべきか判断することが大切です。

InstagramでUGCを活用する際の流れ

Instagramの運用方針が決まったら、次はUGCをリポストする作業を行います。リポストの準備段階としてオリジナルハッシュタグの設定、投稿者へのアポイントなどの工程があるため、順を追って確認しておくのがおすすめです。

以下では、InstagramでUGCを活用する流れについて紹介します。

オリジナルのハッシュタグを設定する


Instagramの膨大な投稿のなかから、自社に関連するUGCを探すのは大変です。この手間を省き、コンテンツの見落としを防ぐためにも、はじめにオリジナルのハッシュタグを設定しておきましょう。

オリジナルのハッシュタグは、公式アカウントのプロフィールや説明文のなかで紹介して、利用を促すのがおすすめです。また、ハッシュタグは企業のイメージや商品のコンセプトを理解してもらううえでも役立ちます。

ユーザー投稿の中から選別する


次に、ハッシュタグが付けられた投稿のなかから、自社の方向性と内容が合致するUGCを探します。数が多い場合には、自動で特定のハッシュタグがついた投稿を収集してくれるツールを活用するのも有効です。

投稿者にアポイントをとる


採用するUGCが決まったら、次は投稿者にアポイントをとります。自社が紹介したハッシュタグをつけていても、ほかのユーザーの投稿を無断で使用するとトラブルになりかねません。企業の公式アカウントは大きな影響力をもっているため、リポストに対して嫌悪感をもつユーザーもいると認識しておきましょう。

アポイントをとるには、Instagramの投稿にコメントしたり、ダイレクトメッセージを送ったりする方法があります。交渉したいユーザーの数が多いときは、代行サービスを利用するのも一つの手です。

リポストとして投稿する


UGCの作成者に許可がとれたら、リポストして投稿しましょう。投稿する際には、もとの投稿者がわかるよう、画像内やキャプションのなかにアカウント名などを明記するのが重要です。SNSは炎上のリスクをはらんでいるため、リテラシーをもった担当者を配置するのがポイントです。

Instagramで多くのUGCを集める方法

UGCを活用するには、多くのUGCを集めることが大切です。しかし、UGCの募集を呼びかけていても、思うように数が集まらず苦労することも多いでしょう。多くのUGCを集めるためには、ただ投稿が増えるのを待つのではなく、企業側から働きかけることが重要です。

以下では、Instagramで多くのUGCを集める方法について解説します。

ユーザーと積極的にコミュニケーションをとる


まずは、ユーザーと積極的にコミュニケーションをとることがポイントです。ECサイトで商品を購入した顧客にチラシを同封したり、メルマガを送ったりする際に、ハッシュタグや公式アカウントについてアピールしてみましょう。

また、公式アカウントを活用して、コメントを書き込んだり、フォローしたりするのも効果的です。企業側からユーザーに対して、積極的にコミュニケーションをとることで、ユーザー側からもリアクションが増えることが期待できます。UGCを生み出すにはユーザーにアクションをとってもらう必要があるため、コミュニケーションをとおしてユーザーのアクションを促せるとよいでしょう。

インフルエンサーを活用する


インフルエンサーとは、大きな影響力をもっている芸能人や有名人です。なかでもInstagramに特化している「インスタグラマー」を活用するのがコツです。

たとえばインスタグラマーに商品を利用したり、感想をシェアしたりしてもらえれば、多くのユーザーにリーチでき、UGCを投稿してもらえる可能性も高まります。なお、広告料を支払ってインスタグラマーに協力してもらう際は、ステマを疑われないようにPRであることを明記しなければいけません。

ハッシュタグキャンペーンを実施する


ハッシュタグを使用したキャンペーンは、SNSでUGCを集めるにあたり、もっともメジャーな方法です。ハッシュタグを利用して投稿すると、抽選で現金や商品が当たったり、コンテスト形式で優れた投稿に景品を出したりするキャンペーンが実施されています。

話題性のあるキャンペーンであれば、ユーザー間で情報がシェアされて自然と知名度が上がっていくケースも多く、キャンペーンによって企業アカウントの認知を促進できる効果もあります。公式アカウントをフォローするユーザーが増えれば、UGCも増えていくはずです。

InstagramにおけるUGC活用事例

最後に、Instagram上でUGCを活用している企業の事例について紹介します。他社の取り組みを参考に、自社の施策や方針を検討するとよいでしょう。

【飲食】吉野家


全国に展開する牛丼チェーン店の吉野家は、牛丼や豚丼などをメイン商品としているため、茶色系の画像が多くなってしまう点が悩みでした。そこで通常の牛丼ではなく、アレンジレシピの投稿によってバリエーション豊富な画像を投稿する方法をとっています。アレンジレシピは主婦層の注目を集めることに成功したうえ、同社が販売する冷凍具材の認知拡大にもつながりました。

また、2021年11月にはUGCを集める施策として、ハッシュタグ「#美味しい吉野家」をつけて、店舗や自宅で牛丼を食べている写真を投稿してもらうキャンペーンを実施しました。「#美味しい吉野家」キャンペーンの目的は、コロナ禍における外食自粛によって気軽に店舗に行けなくなってしまった顧客を盛り上げ、アフターコロナの来店に対するモチベーションを高めることです。

さらに吉野家が実施した2つの施策は、うまくシナジーを起こした事例としても話題になりました。アレンジレシピの投稿によって主婦層を取り込んだうえで、ハッシュタグキャンペーンを実施したことで、子どもが牛丼を食べる画像が多く投稿され、サラリーマンや男性向けのイメージを大きく変える要素となりました。その結果、新たな客層の取り込みにも成功しています。

【自動車】富山ダイハツ


自動車の販売で知られる富山ダイハツは、コロナ禍で遠くへ旅行に出かけることができないなか、車で1〜2時間程度の小旅行を指す「マイクロツーリズム」に絡めたキャンペーンを実施しました。具体的な内容としては、近場を旅行したユーザーにオリジナルハッシュタグ「#マイクルマツーリズム」をつけて投稿してもらうキャンペーンです。

時節に合わせたキャンペーンを打ち出すとともに、ダイハツの自動車のよさも発信できている事例です。ハッシュタグをつけて投稿したユーザーには、抽選でオリジナルトートバックをプレゼントしたり、公式アカウントから「いいね!」をつけたりして、キャンペーン自体も盛り上げています。ユーザーとの距離を縮めることにも成功しており、キャンペーンの実施によってさまざまな効果をもたらしたといえるでしょう。

【食品】enherb


ハーブ専門店のenherbを運営する株式会社コネクトは、ECサイトに「#enherb」というコーナーをつくり、ハッシュタグをつけて投稿されたUGCを紹介しています。オリジナルハッシュタグをきっかけにユーザーどうしの交流が生まれたり、公式アカウントからメッセージを送ったりと、新たなコミュニケーションの創出に成功している事例です。

さらにECサイト内で紹介されているUGCを見たユーザーが商品を購入したあと、映える写真を撮影して投稿したくなる効果も期待できます。また、Instagram上で投稿したユーザーをフォローしているユーザーにもハッシュタグの存在をアピールできるため、複数のチャネルを活用した認知拡大につながるでしょう。

まとめ

これまで商品を宣伝する手段としては、企業がオリジナルコンテンツを作成するのが主流でした。しかし、今後はSNSをはじめ、インターネット上のUGCの拡大によって、ユーザーが宣伝する時代へと変化していくはずです。

UGCは、広告宣伝にかかるコストやリソースを抑えられるうえ、第三者による投稿としてユーザーから信頼を得やすいため、企業にとってもさまざまなメリットがあります。とくにUGCが露出しやすいInstagramにおいては、いかにUGCを活用するかによって集客や売上に影響を与えるでしょう。


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