「SNS上だけの友人」にギフトを贈った経験のあるZ世代は6.5人に1人【ギフトモール調査】

ECのミカタ編集部

「ギフトモール オンラインギフト総研」は、「Z世代のギフト購入」の実態を把握することを目的に、全国のZ世代の男女300人を対象にした調査を行い、その結果を公表した。

本調査は、2021年6月からの1年間にギフトを1回以上購入した経験がある全国の男女20~59歳を対象にしたもので、「Z世代」の対象者の年齢は20~24歳となっている。

SNSとの関わりが強いZ世代

SNSとの関わりが強いZ世代

普段利用しているメディアを聞いたところ、世代間で顕著な結果が表れた。4大マスメディア(テレビ、ラジオ、新聞、雑誌)の利用率はいずれも、Z世代より他世代の方が高かった。

一方でSNSは全体的にZ世代の方が高い利用率となり、特に「Twitter」は56.0%、「Instagram」は61.7%と、他世代に比べると25ポイントも高い結果となった。Z世代は日常的にSNSと密接に関わっている世代と言える。

Z世代は美容への意識が高い

Z世代は美容への意識が高い

9カテゴリ、220の質問からなる生活意識の調査を実施し、Z世代と他世代の「あてはまる」と回答した数値を比較した(カテゴリ内容:生活/買い物/食/健康/美/ファッション/住まい/レジャー・余暇/SDGs)。

世代間の数値差が大きかった設問の上位5設問を抽出したところ、「Z世代優勢」となった代表的な項目は、「美容に関する口コミサイトや情報サイト、雑誌を欠かさずにチェックしている」「SNSでフォローしているお気に入りのファッションブランドがある」であった。これらはいずれも、他世代と比べて25ポイント以上の差がある。

このことから、Z世代は、美容、SNSについて他世代よりも意識が高いことがうかがえる。理想となる対象が存在し、そのための情報収集や手間暇等の努力は惜しまない傾向にあるZ世代の特徴が垣間見える。

Z世代のギフト購入は平均年4.1回

Z世代のギフト購入は平均年4.1回

次に年間の購入回数と総額を調査したところ、いずれも他世代がZ世代よりも高い結果となった。年間のギフト購入回数はZ世代が平均4.1回に対して、他世代は5.4回。総額はZ世代が平均25,361円に対して、他世代は40,087円とであった。

Z世代に比べ、他世代の方が可処分所得が高く、また友人・知人の結婚や出産・引っ越し等のライフイベントなどでギフトを購入する機会が多いため、回数・総額共に高くなったと言えそうだ。

6.5人に1人が「SNS上でだけ知っている友人」にギフト

6.5人に1人が「SNS上でだけ知っている友人」にギフト

Z世代がこの1年でギフトを贈った相手は「母親/父親(66.3%)」「同性の友人(65.3%)」が他選択肢に比べ20ポイント以上も高い結果となった。「同性の友人(24.9ポイント)」「恋人(20.8ポイント)」は他世代に比べても高い割合となっている。

購入回数が年間4.1回と限られている中で、Z世代は身近で大切な相手へギフトを贈っていることがうかがえる。

またZ世代は「SNS上でだけ知っている友人(推し活、オンラインゲーム、趣味のコミュニティ等で出会った友人)」が15.3%と他世代の5.6%に比べ、9.8ポイント高い結果になった。

実に6.5人に1人が「SNS上でだけ知っている友人(推し活、オンラインゲーム、趣味のコミュニティ等で出会った友人)」にこの1年でギフトを贈っていることになる。SNSの発達や趣味嗜好の多様化によって、SNSを通じた新しい形で友人をつくることが増えており、またその友人とギフトを贈り合うような親密で深いコミュニケーションをとっていることは、この世代ならではの新しいギフトコミュニケーションのあり方と言えるだろう。

ギフトの購入場所は「デパートや百貨店の店頭」が最多

ギフトの購入場所は「デパートや百貨店の店頭」が最多

ギフトの購入場所をみると、Z世代は「デパートや百貨店の店頭」が57.0%と最も多く、続いて「(ギフト専門以外の)ECサイト(37.3%)」「(ギフト専門の)ECサイト(26.7%)」が購入先として選ばれているという結果になった。

一方、他世代においては「(ギフト専門以外の)ECサイト(51.1%)」「デパートや百貨店の店頭(44.4%)」に続いて、「専門店の店頭(29.1%)」が3位となっている。

「(ギフト専門の)ECサイト」も4人に1人が利用しているが、Z世代の主なギフトの購入場所は「デパートや百貨店の店頭」となっており、大切な人への贈り物は実物を見た上で慎重に選びたいというニーズがうかがえる。

ギフトの渡し方は「手渡し」が7割

ギフトの渡し方は「手渡し」が7割

Z世代のギフトの渡し方を相手別でみると、いずれの相手の場合でも1位、2位は「百貨店・専門店などの店頭で買ったものを手渡しで贈った」「ネット(ECサイト、ギフト専門ECサイト)で買ったものを手渡しで贈った」となった。「手渡し」の平均は71.3%で、高く支持されていることがわかる。

渡し方をZ世代と他世代で比較してみると、どちらも「手渡し」が全体の70%を超えており、「宅配(百貨店・専門店などの店頭で買って郵送・宅配で贈った)」「ネット(ECサイト、ギフト専門ECサイトで買って郵送・宅配で贈った)」がそれに続く結果となった。

「ネットで購入してSNS等でURLを贈った(ソーシャルギフト)」はZ世代が6.9%、他世代が3.8%となり、Z世代は他世代の1.8倍の利用率であることがわかっている。

Z世代は、ギフトの購入場所は店頭やECサイトをうまく使い分けているが、ギフトを渡すときは相手に直接会って渡すことを重視しているとみられる。

Z世代のソーシャルギフト利用率は12.7%

Z世代のソーシャルギフト利用率は12.7%

ソーシャルギフトの利用に関しても、Z世代と他世代で大きな差が出る結果となった。

「すでに利用したことがある」と回答したソーシャルギフト利用経験者は12.7%、「いずれ利用したいと思う」と回答した利用意向者は50.0%(「そのようなサービスを知っている。いずれ利用したいと思う」22.7%、「そのようなサービスを知らない。いずれ利用したいと思う」27.3%)に上り、計62.7%とソーシャルギフトの需要が高いことが明らかになった。

Z世代の利用経験者は他世代の約1.6倍となり、約8人に1人がすでに利用したことがあると回答している。

ソーシャルギフトを利用したい理由、「サプライズになる」

 ソーシャルギフトを利用したい理由、「サプライズになる」

また利用経験者、および利用意向者にソーシャルギフトを利用したいと思った理由を聞いたところ「サプライズになるから」が59.0%、「気軽なお礼、プチギフトとして使えるから」が42.6%となった。

世代問わず、ソーシャルギフトが「ギフトの贈り方の演出」として支持されていることがうかがえる。特にZ世代の特徴としては「サプライズになるから」が他世代に比べ12.3ポイント高く、他の理由に大きく差をつける結果となった。Z世代は「ソーシャルギフト=サプライズをする方法」と認識しているようだ。

恋人にもソーシャルギフトを贈るZ世代

恋人にもソーシャルギフトを贈るZ世代

さらにソーシャルギフトを利用してギフトを贈る相手(シーン:誕生日)をみると、いずれの世代も「同性の友人」が最多となった。Z世代と他世代の差は22.2%と、圧倒的に高い割合となっている。

次に世代間の差が顕著に出たのが「恋人」だ。Z世代が25.3%となり、他世代の10.2%より15.1ポイント高くなった。

Z世代にとってソーシャルギフトは身近な渡し方の一つであり、友人や恋人の誕生日当日0時を回ったタイミングやコロナ禍でイベント当日に会えない場合等、大切な人へギフトを贈る方法として利用されていると考えられる。

デジタルネイティブと言われるZ世代だが、他世代に比べてソーシャルギフトの利用割合が高い一方で、ギフト購入の主なチャネルは店頭であることがわかった。このことから、Z世代は、相手との関係性やリアルで会う機会の有無などによって、手渡しのギフトとソーシャルギフトを使い分けていると言えそうだ。

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