リターゲティング広告とは?概要やECサイトでの活用方法を解説
ECサイトに効果が高い広告の一つである「リターゲティング広告」。そんなリターゲティング広告を取り入れてみたいと考えているECサイト運営者の方も多いのではないでしょうか。そこで本記事では、リターゲティング広告の概要や仕組みといった基礎知識からメリットや活用方法まで幅広く解説していきます。この記事を読んで、リターゲティング広告の基礎をおさえましょう!
リターゲティング広告とは
リターゲティング広告とは、「一度自社サイトを訪れた人に対して、広告を配信する広告方法」です。自社サイトから離脱したあとにユーザーを追跡し、別のサイトの広告枠に商品の広告を表示します。「リマーケティング広告」とは同じ意味で、「リタゲ広告」「リマケ広告」と省略されることもあります。
引用:https://unique1.co.jp/column/ads/1663/
リターゲティング広告配信をする前にまず覚える用語
Cookie(クッキー)
Cookieとは、WEBサイトを閲覧した時にユーザーの情報が保存されるファイルです。一度ログインしたことがあるサイトに再訪したときに、ログイン状態になっている経験があると思いますが、それはCookieにサイトの訪問日時や訪問回数などといったさまざまな情報が記録される仕組みによるものです。CookieによってWEBサイトに楽にアクセスできたり、マーケティング分析が行いやすくなります。
リスト
リストとは、Cookieが付与された「広告を表示するユーザーの一覧」です。タグが設定されたページにユーザーが訪問することで、ユーザー情報がリストに蓄積されます。このリストによって、別のサイトを訪問したユーザーが特定され、広告枠に広告が表示される仕組みです。リストはさまざまな条件を設定できる=広告を表示させる相手を選択できるので、広告の効果を高めることができます。
タグ
タグとは、Webサイトを構成しているコード(指示)のことです。タグには、Googleアナリティクスのタグやコンバージョンを測定するためのタグなど様々な種類があります。リターゲティング広告においては、ECサイトに「ユーザー解析をするためのタグ」を設置することで、Cookieにユーザーの情報が保存されてリターゲティング広告を掲載できるようになります。
リターゲティング広告の流れ
リターゲティング広告が配信されるまでの流れをまとめると以下の通りです。
①ECサイトに「タグ」を設定する
②ユーザーがサイトを訪問する
③タグによってユーザーにCookieが付与される
④ユーザーのCookieがWEBサイトに保存される
⑤Cookieに基づいてユーザーの情報をリスト化する
⑥リスト化された情報を活用して、リターゲティング広告を配信する
「タグ」を設置することでCookieにユーザー情報が保存され、その情報に基づいて広告が配信されるという仕組みです。例えば、化粧品をECで販売しているとすると、ユーザーが化粧品の商品ページを見て離脱する→クッキーにユーザーの情報が記録される→他のサイトを見ている時の広告枠に化粧品が表示される、という流れと仕組みが働きます。
ECサイトにおけるリターゲティング広告のメリット
関心度の高いユーザーにアプローチできる
すでにWEBサイトを訪れているので、ユーザーは商品やサービスに興味があると考えられます。そのため一斉に広告を配信するよりも一度自社に興味を持っているユーザーへターゲットへ絞り、アプローチをすることが可能です。またCookieの設定で「購入したユーザー」や「カート落ちしたユーザー」に対して、広告を配信をするかしないかを決められるので、無駄に広告を配信することも防げます。
ユーザーの検討が長い商品との相性が良い
高額な商品ほど検討期間も長く、比較をするために自社サイトから離脱することは傾向として多くあります。リターゲティング広告では、ユーザーが別のサイトを閲覧している時でも購入を検討した履歴がある商品の広告を表示することができるので、ユーザーへ自社商品をアピールし、商品の購入を催促することができます。
多くの媒体で広告を配信できる
リターゲティング広告は、FacebookやInstagramなどのSNSや大手ポータルサイトなどユーザーがよく利用する媒体へも広告を表示させることができます。ユーザーが広告に接触する機会が多いほど、ECサイトへ再訪してくれる可能性は高まります。
クッキーの規制による影響には注意が必要
近年では、プライバシー保護の観点からCookieの機能が制限されてきています。日本では2022年に個人情報保護法が改正され、「Cookieを利用するには必ずユーザーの許可が必要」という規制が追加されました。また、Safariでは2020年にCookieをデフォルトでブロックし、Google chromeでは2022年を目処にCookieを段階的に廃止することを公表しています。大手ブラウザにおいてもCookieの機能が制限されてきており、リターゲティング広告をメインにしている企業にとっては大きな打撃です。
Cookie規制に対応するための新たなサービスも開発されているため、今後の動向に注目しておきましょう。
ECサイト×リターゲティング広告を活かすためには
ここでは、リターゲティング広告をECサイトに活かすためのポイントを紹介します。
広告を表示させる頻度を設定する
フリクエンシーキャップという、ユーザーに広告を表示する回数を設定することで、広告を表示させる頻度を設定し、効果を検証しやすくさせることができます。例えば、広告表示15回以降にCV率が下がっているのであれば、フリクエンシーキャップを15回以下へ設定してみたり、無駄な広告費の削減ができたりと効果的な配信方法を模索することが可能です。
カート落ちしているユーザーにアピールする
「カート落ち」とは、ECのショッピングカートに商品が入った状態でサイトから離脱することです。カート落ちのユーザーは、商品の購入を一度検討しているため、購入してくれる確率が高くアプローチすべき対象といえます。したがってカート落ちしたユーザーへリターゲティング広告を打つことで、再度購入意欲を上げる効果が期待できます。
購入済ユーザーへ再購入を促す
日用品や化粧品などの購入サイクルが短い商品は、使い切るタイミングで広告を流すことで再購入をアプローチすることができます。商品ごとに購入サイクルの期間を算出して、その一定期間を開けて広告を流すようにリストを設定することができます。
リタゲ広告のほかに運用すべき広告
ここではリターゲティング広告の他にECサイトにおすすめの広告を紹介します。
Googleショッピング広告
Googleショッピング広告とは、ユーザーが商品を検索したときに検索結果の上部に表示される広告です。検索すると自然な形で表示されるので、ユーザーに広告の嫌悪感を与えることもなく、画像や価格などの情報を載せられることがメリットです。クリック率やCV率も高いため、一回あたりのクリック単価が安価で費用対効果が高くなっています。
SNS広告
SNS広告とは、FacebookやinstagramなどのSNS上の広告枠に表示する広告です。SNSは多くのユーザー、特に若年層が日常的に親しむものであり、ユーザーの目につく回数も多いです。またSNSには、年齢や性別といったユーザーの属性が登録されているため、ターゲットを細かく設定して広告を打ち出せることもメリットです。
まとめ
本記事では、リターゲティング広告の概要や仕組み、ECサイトにおける活用方法を紹介してきました。リターゲティング広告は、関心の高いユーザーにアプローチするため、費用対効果が高い手段です。ECサイトにおいても、商品やサイトの行動履歴に応じたリストを作成することで、売上のアップや広告費の削減につながるでしょう。今後の動向に注意しながらも、ぜひ導入を検討してみてください。