アパレル業向け統合型業務システムを2023年リリース、受注~出荷までワンストップで提供

ECのミカタ編集部

株式会社両備システムズ(本社:岡山県岡山市、代表取締役社長:松田敏之)は、ファッション・アパレル業の受注・生産・販売・在庫管理・出荷までの機能をワンストップで提供するサービスを2023年より順次開始すると発表した。

アパレル業界の課題解決に向けて

人口減少や産業構造変化、ITの進化、グローバル化を背景に、ファッション・アパレル業を営む企業は、EC(インターネット販売)市場拡大への対応、EC販売とリアル在庫の同時管理、環境問題への対応(廃棄品の抑制)、輸入業務の効率化と品質管理、国内への生産回帰および海外への販売強化(越境ECを含む)など、さまざまな課題を抱えている。

同社は、2021年11月にアパレル小売業向けシステム「どんとこい」を開発・販売する株式会社ドリームゲートの株式を譲受。「どんとこい」は、優れたMD(商品)計画の機能で利用者から高い評価を得ており、両備システムズの既存の物流・販売管理ソリューションや、営業拠点や社員数等の市場開拓力とドリームゲートの製品・ノウハウを掛け合わせることで、アパレル業界の課題を解決できるソリューションの開発を検討してきた。

オールインワンのラインナップでアパレル企業のニーズに対応

こうした取り組みの結果、受注から出荷まで、他社にないオールインワンのラインナップでファッション・アパレル企業のニーズに応える「ファッション・アパレル業向け統合型業務システム」の開発・提供に至った。

開発にあたり、特に物流に関する課題への対応を重視し、同社の物流DX開発基盤を構築。品質強化のほか、法令対応やセキュリティも含め、安全安心に利用できる仕組みを整備している。

第1段階として、2023年9月より販売管理(卸売・小売)、倉庫管理およびマテハン(マテリアルハンドリング:物流設備)機器との連携、2024年4月より生産管理の各機能を順次提供開始する。これにより、事業者がすでに運営しているECサイトやマテハン機器と、当システムとのデータ連携が可能となる。

第2段階として、新規ECサイト構築と組み合わせ、受注から出荷までの機能をワンストップで提供するサービスを2025年までに開始し、ファッション・アパレル業における物流DXを推進する。

また、ファッション・アパレル業界の特色あるソフトウェアを提供するベンダーとのパートナーシップによりECシステム(BtoB、BtoC)、オンライン展示会システム、EDI(電子データ交換)、会計や人事・給与のシステムと連携し、拡張性をもったマルチベンダ型ERP(基幹システム)として提供を予定している。

「ファッション・アパレル業向け統合型業務システム」の特徴

■卸・小売に対応したSPA(製造販売)型販売管理を実現
昨今のアパレル企業は、「消費者ニーズを掴んだ小売業者が商品を企画・製造し、オリジナルの商品を販売する」「メーカー卸業者が売上拡大を目指してECを起点に小売に進出する」、といった全方位型でビジネスを拡大・展開している。ところが現在、このようなSPA型アパレル企業に対応してラインナップを備えているシステムは少なく、生産・卸・小売それぞれ別業者の個別のシステムを導入し、複雑にシステムを連携して対応している現状がある。拡大するSPA型アパレル企業のニーズに応えるため、生産~小売までオールインワンで提供しサポートする。

■アパレル専用の倉庫管理システムを提供
自社倉庫での平置きでのピッキング作業に対応するだけでなく、3PL(サードパーティ・ロジスティクス:物流業務の第三者への委託)でのよりきめ細かな在庫管理、小型のマテハン機器を利用した業務効率化に対応するため、アパレル倉庫管理専用のシステムを提供。将来的には、生産から出荷に至るサプライチェーンにおいてRFID(ID情報を埋め込んだ非接触のタグ)を活用した、ビジネスフロー全体の生産性と品質の向上を目指す。

■OMO(Online Merges with Offline:ECと店舗の垣根をなくした販売)を実現
EC売上に対応して、消費者が販売チャネルの違いに関係なくサービスを受け、アパレル企業側も、EC在庫と実店舗の在庫を共有して有効活用を図るOMOを実現。ECから店頭在庫の取置/取寄をリアルタイムで実現し最後の1点まで売り切る仕組みを作る。

SPA型アパレル企業のニーズに対応し、物流DXやOMOも実現できる「ファッション・アパレル業向け統合型業務システム」。アパレル業界関係者にとっては、リリースが待ち遠しい存在ではないだろうか。

ECのミカタ通信23号はこちらから


記者プロフィール

ECのミカタ編集部

ECのミカタ編集部。
素敵なJ-POP流れるオフィスにタイピング音をひたすら響かせる。
日々、EC業界に貢献すべく勉強と努力を惜しまないアツいライターや記者が集う場所。

ECのミカタ編集部 の執筆記事