ウィズコロナ時代のモノの買い方は?【ヴァリューズ調査】

ECのミカタ編集部

インターネット行動ログ分析によるマーケティング調査・コンサルティングサービスを提供する株式会社ヴァリューズ(本社:東京都港区、代表取締役社長:辻本 秀幸、以下「ヴァリューズ」)は、国内の20~60代の男女6,105人を対象に、ウィズコロナ時代の「モノの買い方変化」および「ショールーミング行動の実態」に関するアンケート調査を実施し、その結果を公表した。また、アンケート調査に加え、ヴァリューズが独自保有する消費者行動ログでも消費者トレンドを分析している。ここではその概要についてポイントを絞って見て行く。

調査・分析概要

全国のヴァリューズモニター(20~60代男女)を対象として、 2022年5月9日~5月23日にアンケート調査を実施(回答者6,105人)。

※アンケート調査は性年代別人口とネット利用率に合わせたウェイトバック集計を行っている。

※Webサイトのユーザー数はPC及びスマートフォンからのアクセスを集計し、ヴァリューズ保有モニターでの出現率を基に、国内ネット人口に則して推測。

モノの買い方の変化

モノの買い方の変化

◆コロナ後2年経てもネット完結型購入は継続増加、実店舗訪問には“目的”が必要に

まず、直近1年のモノの買い方は以前と比べどのように変化しているかを聞いている。すると「目的のない実店舗訪問」「複数店舗での買い回り」の減少傾向が見られ、反対に「ネット上だけで完結する商品購入」では増加傾向が見られた。新型コロナウイルス感染拡大して2年以上が経過してもネット完結型購入は増加し続けており、実店舗訪問には“目的”が必要になってきたようだとしている。

◆Z世代でもライブコマースやメタバースには消極的が未だ多数

次に、モノの買い方別に、自身の生活に取り入れているか、または今後取り入れたいと思うかを聞いた。「事前にネット注文⇒店舗受け取り」「ネット販売のみ商品の体験スペース」といったネットと実店舗を上手く融合したサービスへは積極的に取り入れたいという声が多数の結果になった。一方で「ライブコマース」「メタバース」といったネット上での最新サービスへは取り入れに未だ消極的な声が多く聞かれた。

年代ごとに傾向を見てみると、ネット完結型購入の増加傾向や店舗受け取り等のネット実店舗融合サービスへの積極性は、Z世代でより強く見られた。幼い頃からネットに触れて育ったZ世代の方がネットを経由したモノの買い方に積極的なようだとしている。しかし、そんなZ世代でも、メタバース等のネット最新サービスを積極的に取り入れる層は少数派となっていた。

またヴァリューズの消費者行動ログ分析ツール「Dockpit」を使用して、「店舗受け取り」「ライブコマース」の検索状況を調査している。両者とも検索者には20~30代が多く現れているなかで、「ライブコマース」検索者数は「店舗受け取り」の5分の1以下となり「ライブコマース」の普及は未だ進んでいない様子がうかがえた。

◆家具家電でショールーミング化が進行も、自動車は依然店舗購入

実店舗で商品を確認し、ネット上で購入する「ショールーミング」について、商材ごとにどのようにショールーミング化が進んでいるかを調査した。すると、ショールーミング化が比較的進行している商材として、家具や家電・キャンプ道具や楽器といった大型の商材が多く挙がっていた。一方で、自動車のように依然店舗購入型が多い商材も存在し、商材の価格帯や持ち帰りの手間等も影響しているようだとしている。

ショールーミング行動の実態

ショールーミング行動の実態

◆店舗訪問前は公式サイトで情報収集も、訪問後は総合ECでの購入増

ショールーミング行動について、まずどのように情報収集してから実店舗に訪れているのかを聞いた。店舗訪問前には、洋服、家具、キャンプ道具の3商材とも6割前後が「メーカー/ブランドの公式サイト」で情報収集をおこなうと答えた。その後実店舗に訪れる際、洋服では約8割が訪れる「メーカー/ブランドの直営店舗」が1位だったが、家具・キャンプ道具では「ホームセンター・家電量販店」が1位となった。

次に店舗訪問後に、ネットでの情報収集を継続しているのか、実際の購入先はどこなのかを聞いた。店舗訪問後には訪問前よりやや情報収集が減少していたが、3商材とも半数前後は「メーカー/ブランドの公式サイト」での情報収集だった。しかし最終的に、家具・キャンプ道具は半数以上が公式サイトではなく「総合EC」で商品購入を済ませていた。コロナ後、公式サイトでの販売体制を整える企業も増えたが、それでも比較検討でき値段も安い傾向にある「総合EC」の利用が多いようだとしている。

◆店舗で商品特徴を確認、訪問後は価格が一番の関心に

店舗に訪れる目的を聞くと、「商品のサイズ」「触り心地」といった実際に見て触れて感じる商品特徴を確認することが上位に挙がっていた。キャンプ道具を見てみると、「商品の形状」「使い方」を店舗で確認し、その後の情報収集では「価格」に関心が集まる様子もうかがえた。

また洋服を題材に買い方別の購入月のWEB行動を分析している。ショールーミング型は店舗購入型・ネット完結型よりも複数のファッションカテゴリサイトを特徴的に閲覧しており、インターネット上でも積極的に情報収集をしている様子が推察されるとしている。

サマリー

このように同社によって今回はウィズコロナ時代の「モノの買い方変化」および「ショールーミング行動の実態」に着目した調査と分析が行われた。

調査の結果、

▶コロナ後2年経てもネット完結型購入は継続増加、実店舗訪問には“目的”が必要に

▶Z世代でもライブコマースやメタバースには消極的が未だ多数

▶家具家電でショールーミング化が進行も、自動車は依然店舗購入

▶店舗訪問前は公式サイトで情報収集も、訪問後は総合ECでの購入増

▶店舗で商品特徴を確認、訪問後は価格が一番の関心に

といった結果が得られた。

同社も述べているが、ウィズコロナ時代とも言われる2022年、顧客の獲得戦略を練る上では、消費者が実店舗×ECをどのように活用しているのか、リアルな消費者行動を理解することは必須となりそうだ。

ECのミカタ通信23号はこちらから


記者プロフィール

ECのミカタ編集部

ECのミカタ編集部。
素敵なJ-POP流れるオフィスにタイピング音をひたすら響かせる。
日々、EC業界に貢献すべく勉強と努力を惜しまないアツいライターや記者が集う場所。

ECのミカタ編集部 の執筆記事