米Amazon Prime会員向けクラウドストレージ容量無制限化開始
米Prime会員へ新たな特典
11月に入り北米ではいよいよホリデーシーズン商戦が激化してきている。
米Amazonでは、プライムメンバー向けに新しいサービスとしてAmazon Cloud Driveに写真の無制限アップロードが可能な「Prime Photos」を追加した。
Amazon Cloud Driveはその名の通り、Amazonのクラウドストレージサービスだ。登録することで、5GBの無料ストレージが提供されていたサービスだが、プライム会員になることにより無制限の写真アップロードが可能となる。
2014年にAmazonが発表したFireスマートフォンを購入したユーザーにはすでに同様の容量無制限サービスが提供されていたが、今回は約2000万人のPrime会員にサービスの提供を拡大。
家族へのプレゼントを購入し指定日配送し、クリスマスパーティーを写真やビデオで撮影、撮った写真や動画、Amazon Instant Videoの映画などをFire stick TVを通じて大画面で視聴しながら盛り上がる…そんなAmazonサービス三昧なホリデーシーズンの過ごし方が可能な環境を作り上げ、新たなPrime会員の導線を増やそうとする狙いが見える今サービス。
ストレージサービスを積極的に利用するユーザーにはとても魅力的であり、一度利用するとストレージ容量が5GB制限となる通常会員には戻りづらい上手い戦略である。
広がるPrime特典
同社は先日ラスベガスで行われたイベントで、プライム会員特典である無料の翌日配送サービスをアパレルブランドAllSaintsのサイトでも利用可能にしたことを発表した。Amazon会員としてログインして購入というセクションを用意し対応しているものだが、これが様々なサイトで利用可能となればPrime会員の魅力は更に高まるだろう。
年間99ドルと決して安くない年間費を払うメリットとして、様々な特典を用意する米Amazon Prime。特に、Instant Videoの無料視聴数やストリーミング音楽、Kindleの無料電子書籍ライブラリなど多くのストリーミングサービスの視聴ライブラリが日本のPrime会員とは桁違いである。
米では、昨年の年末商戦中EC需要の急増や異例の寒波の影響で、UPSやフェデックスの配送が大幅に遅れAmazonも大打撃を受けた。今年は配送業者各社も年末商戦に向けた特別体制で準備しているが、Amazonはサンフランシスコとロサンゼルスでタクシーを利用した配送を試験的に実施していると米ウォールストリート・ジャーナルが報じている。
やはり昨年の配送遅延の対策と捉えられる一方、新たな配送方法の模索とも取れるこの施策は都市配送の新たなスタンダートとなる可能性を秘めている。
今年の米Amazonは新スマートフォン、生鮮食料品配送の開始やハリウッド型の番組制作など新規事業への投資が続き第3四半期は予想以上の赤字となっている。今年の年末商戦の行方、投資してきた新規事業の効果がどの程度現れてくるか、同社にとって今が辛抱どころと言ったところ。あとは国内のPrimeサービスの発展にも期待したい。
-編集部-