農業DAOで“れんぎょう茶”のプロモーションを開始

ECのミカタ編集部

FOCUS株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長兼CEO:加田密、以下「FOCUS」または「同社」)とOUCHI DAO(代表 河﨑純真)は、連翹研究会企業組合(新潟県新発田市 れんぎょう茶販売代表者 小川奏子)と提携し、れんぎょう茶のプロモーションを開始することを公表した。

試行錯誤の上で生まれた『れんぎょう茶』

FOCUSとOUCHI DAOは、連翹研究会企業組合と提携し、れんぎょう茶のプロモーションを開始することを公表した。れんぎょう(連翹)とは古来から生薬として漢方薬に現在も活用されている植物だという。美しい黄色い花も特徴で、旧紫雲寺町(現在新潟県新発田市紫雲寺地区)では1981年より町の花に制定。春のシーズンには町が黄色一色で彩られる。

葉にも実と同様の成分が含まれている事に着目された北海道医療大学名誉教授西部三省薬学博士より共同開発の声がかかり、監修の元、試行錯誤の上『れんぎょう茶』は完成したとのことだ。

組合が抱えていた課題

組合が抱えていた課題

これまで地元の紫雲寺町で16年間れんぎょう茶の生産を行なってきた連翹研究会企業組合だが、3つの課題を抱えていたという。

◆生産者の高齢化による担い手不足

70代80代の高齢の生産者に支えられてきたれんぎょう茶は担い手不足による生産機能消滅の危機に瀕している。若い人が「担い手になりたい」と積極的に意欲を持てるようなブランディングまではできていないのが現状だ。

◆自前で行うプロモーションの限界

これまでは新潟で行われるマルシェなどの地域のイベントへの出店、自前で開催したれんぎょうフェスタ、さらに都内では新潟のアンテナショップの試飲会、スクランブルスクエアでのポップアップストアなどでプロモーションを行ってきた。全国に向けていかにリアルイベントでれんぎょう茶の魅力を知ってもらうかに注力していたが、組合内の人材や資金の問題、さらに地方に本拠があるゆえの難しさなど、プロモーションに限界を感じていた。

◆コロナ禍による取引先の破綻

上記プロモーションによる一定の反響があり取引先は増加傾向だったが、2020年からのコロナ禍により多くの取引先が破綻した。安定した売上を上げ続けるため、新規取引先の開拓、販売網の拡大は急務となっている。

◆ボランティアで運営してきた組織ゆえの資金不足

また、連翹研究会企業組合はこれまで地元の有志ボランティアによって支えられてきた組合のため、プールしている資金がほとんどないという問題があった。つまり、プロモーションを外注することが不可能な状況であり、リアルイベント等や都内でのイベントに参加する際には有志の持ち出しによって賄われていた。これではプロモーション施策を継続することができない。

上記のような問題を解決するために、OUCHI DAO、FOCUSは、農業DAOのスキームを使い、連翹研究会企業組合を支援することにしたのだ。

農業DAOによって地方農業者の課題に向き合う

農業DAOによって地方農業者の課題に向き合う

OUCHI DAOは8000人が利用するブロックチェーン上の分散型自立組織、つまりコミュニティだ。OUCHI DAOではOUCHI financeという主にNFT不動産を売買するプラットフォームを設けているが、そこでれんぎょう茶をNFT化して販売することでれんぎょう茶のプロモーション資金を賄うという。

また、FOCUSのCEOである加田密氏はOUCHIのCOOも兼任しているため、NFT化して集めたプロモーション資金をFOCUSの事業であるインフルエンサーマーケティングに流用することが可能だという。つまり、資金集めとプロモーションを一つのスキームの中でできる画期的なプロジェクトとなるのだ。

一つのスキームの中で完結しているため、連翹研究会企業組合としてはNFTやインフルエンサーマーケティングなどについて必ずしも知見が無くとも、全て任せることができるとのことだ。

資金の流れもこのスキームの中で完結しているため、組合には一切費用負担がないのも特徴となっている。同社は、今回の取り組みはOUCHI DAO×FOCUS株式会社×連翹研究会企業組合による国内初の本格的な農業DAOだとしており、その成果に視線が集まることになりそうだ。

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