ザ・プラントが「Eコマース最新動向 for 2023」の調査結果を発表

ECシステム開発を手がける ザ・プラント「Eコマース最新動向 for 2023 (Japan IT Week)」の調査結果とデータアナリストの見解を発表

大手企業向けシステム開発事業を行うザ・プラント株式会社(以下:ザ・プラント)は、企業のEC担当者が2023年に解決していきたいEコマース運営の課題と、2023年に注目したい次世代テクノロジーに関する「Eコマース最新動向 for 2023」の調査結果を発表した。

調査概要

◆調査期間:2022年10月26日〜28日

◆調査対象:「EC CAFÉ by The Plant」へ訪問した、日本国内に本社を置く企業(上場・非上場)のEC担当者

◆対象社数:全315社(質問内容による)

◆目的:日本のEC事情における最新動向を考察することで、その成長に寄与する要因を分析する

質問①:2023年に解決していきたいEコマース運営の課題

◆質問内容

御社のEC運営において現在課題を抱えており、2023年に解決していきたい項目(一つ)は?(国内で事業を運営している法人200社へ聞き取り調査を実施)

◆以下回答

◆調査結果のポイント

▷昨今のEコマースは、想定される顧客層の多様なニーズや流れの早いトレンドを掴み、デジタルを活用したマーケティングをいかに推進していくかで売上げが大きく変わっていくことから、2023年のEコマースにおいては、デジタルマーケティングの積極的な活用とその戦略的なプランニングが求められると考えられる。

▷同時にUI/UXで悩む企業が多いことも判明したと言えるだろう。経路が複雑で分かりにくいUI/UXは、シニア層にとっては扱いが難しく、直感や感性で操作をすることができないECは、若い世代にとっては致命的な問題だ。

以上の要因から、2023年に重要になっていくであろうEコマースの課題は、デジタルマーケティングとUI/UXの項目が大きく占めていくであろうと推測できる。

質問②:2023年に注目したい次世代テクノロジー

◆質問内容

EC事業において、2023年に注目したい次世代テクノロジー(一つ)は?(国内で事業を運営している法人315社へ聞き取り調査を実施)

◆以下回答

◆調査結果のポイント

▷メタバースについては「メディアからの情報で何となく知っている」といった、イメージが明確でない回答者が一定数いる可能性を考慮する必要があるだろう。しかしながら圧倒的な割合で第一位になっている点は、注目すべきと言えるかもしれない。

▷AI/ロボットに関しては、Eコマースにおいて、マーケティングのオートメーション化によるトラフィック誘導が必須項目になっている傾向が見受けられる。顧客や見込み顧客一人ひとりの興味や関心に最適化されたコミュニケーションが構築されることで、顧客との良好な関係構築が強く求められているのかもしれない。

アナリストによるEC事業の市場分析

今回の最新調査結果を受け、ザ・プラントのデータアナリストであるウォレス・チャン氏は、それぞれの内容について以下の見解を述べている。

◆分析①:オンライン・プレゼンスの強化と多様な顧客体験

「コロナ禍による規制が緩和され消費活動が実店舗に戻る一方、コロナ禍で活発になったEコマースの習慣は定着しつつあります。(中略)また同時に、銀行などといったこれまで実店舗にしか存在しないと思われていた分野に、Eコマースが進出していることが見受けられます。この流れを踏襲し、EC事業は2023年以降も成長を続けていく可能性が高いことがうかがえます」

◆分析②:メタバースとAIが人気。でも大切なのは既存テクノロジーへの投資

「『メタバース』は2023年に向けて多くの関心を集めていますが、実はそのコンセプト自体は、2003年のセカンドライフや2006年のロブロックスといった、メタバースの原型となる世界まで遡ることができ、決して新しいものではありません。実際のところメタバースは、普及の遅れ、実用的使用例の欠如、主なプレイヤーである巨大IT企業における昨今の著しい解雇状況を鑑みても、現在の形態が大きな牽引力を持つことは難しいと考えられます。そのようなことからも、2023年のより現実的かつ賢明なアプローチは、お客さまのニーズをより直接的に解決することができる『既存テクノロジーへの投資』だと考えます」

今回の調査結果を踏まえ、ザ・プラントは引き続きECコマースにおける国内外の動向を注力するとしている。EC市場はウォレス・チャン氏も述べているように、2023年以降も引き続き伸長していく可能性は高いだろう。しかしながら、半数以上のEC担当者が「デジタルマーケディング」及び「UI/UX」を課題にあげていることは注視すべきかもしれない。マーケティングはもちろん、直感的な操作で年代を問わず利用しやすい「UI/UX」の構築は、市場以上の伸長率を目指す上では重要な要素となるはずだ。2023年以降の国内EC市場がどのように変化していくのか、注目すべきと言えるだろう。

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