在庫引当とは?重要性や方法、在庫管理システムを導入するメリット

ECのミカタ編集部

在庫引当とは?重要性や方法、在庫管理システムを導入するメリット

在庫引当とは、在庫数から受注分を差し引いて確保しておくことだ。販売可能な在庫数を割り出すために、重要な作業である。今回の記事では、在庫引当の重要性や考え方、方法のほかに、在庫管理システムを導入するメリットやシステムを用いて在庫引当を行うポイントを紹介する。

目次

●在庫引当とは
●在庫引当の方法
●在庫管理システムのメリット
●在庫管理システムで在庫引当を行うポイント
●まとめ

在庫引当とは

在庫引当とは、現在ある在庫数から受注した分を差し引いておくこと。

例えば、商品Aの在庫数が100個だとする。40個の受注を受けた場合、発送するまで40個は取り置きしている状態だ。その後、受注できるのは、残りの60個からとなる。このように、現在手元にある在庫数から在庫引当分を差し引いた在庫数を有効在庫数という。

在庫引当の重要性・考え方


在庫引当の管理は、自社の販売可能数を把握するのに役立つ。在庫数は受発注した数と照らし合わせながら考える必要がある。前述した例から見ると、在庫数は100個あるものの、有効在庫数は60個だ。次の受注で60個を超える注文を受けてしまうと、「数が合わない」「一部商品の納品時期が遅延する」など、トラブルになりかねない。

取り扱う商品の種類や数が多くなるほど、人の手で在庫数を管理するのは難しくなるだろう。また、複数の従業員が在庫管理や販売に関与する場合、正確な在庫数管理ができていないと、有効在庫数以上の受注を受けてしまう場合もある。そのため、有効在庫数である「販売可能な在庫数」を販売に係る従業員全員が把握できることが大切だ。

在庫引当は、どのように計算するのだろうか。例をあげて考えてみよう。

4月15日
有効在庫数:100個

4月16日
受注数:20個

4月18日
受注数:50個

4月19日
発注数:100個

4月22日
受注数:50個

4月25日
有効在庫数:?個

4月15~25日の間、上記の受発注があった場合、4月25日時点の有効在庫数はいくつだろうか。式に表すと以下の通りだ。

100-20-50+100-50=80

このように、4月25日時点での有効在庫数は、計80個となる。しかし、商品数が多くなればなるほど受発注の数が増えるため、細かな計算が増え、管理は難しくなるといえるだろう。


在庫引当の管理方法

在庫引当は、手書きの他に、エクセルや在庫管理システムで管理を行う方法がある。受注や予約が入る都度、店舗やECサイト、倉庫などに共有する必要があるため、リアルタイム性が重要だ。例えば、小規模な小売店では、在庫管理を目視で確認し、手書きで在庫引当を行えるだろう。しかし、企業規模が大きくなるにつれて、手書きでの管理は工数が多くなるため、ミスも多くなりがちだ。より正確性や効率性をアップするため、在庫管理システムを導入する店舗や企業は、現在増加している。


在庫管理システムのメリット

在庫管理システムを導入すると、どのようなメリットがあるのかを紹介しよう。

適切な在庫数の確保


在庫管理システムの導入により、全商品の在庫数は、わかりやすく可視化される。出荷数や売上数のデータから読み取り、自社における適切な在庫量が分析できるだろう。需要を予測することで欠品や過剰在庫を防げるため、安定した在庫数の確保につながる。

リアルタイムな在庫照会が容易


在庫管理システムは、オンライン上で在庫数をリアルタイムに把握できるのが特徴だ。多くの店舗や倉庫を所有している企業では、各店舗や倉庫の在庫状況も同時に把握することができるため、店舗間・倉庫間での融通や補填が可能となり、より柔軟な在庫管理ができる。また、在庫管理がシステム化することにより、在庫照会にかかる業務が大幅に減るため、工数削減や省人化にも効果的だ。

なかには、オフラインで利用できる在庫管理システムもある。オフラインでの利用は、急な災害など停電時にも業務が滞ることなく進められるため、安定した営業機会を保持できるだろう。

他システムとの連携が可能


自社で導入している生産管理システムやPOS(販売管理)システム、WMS(物流管理)などと連携できると、それぞれのシステムに商品情報を入力する手間が省け、一元管理が可能となる。人の手作業による工数が減るだけでなく、人為的なミスを防ぐことにもつながる。


在庫管理システムで在庫引当を行うポイント

在庫引当を行う際、実際の在庫数とシステム上の数値を一致させることが重要だ。在庫管理システムのメリットを最大限に活かすためには、人的エラーを極力抑えることが大切だ。「入力する桁数を間違えた」「システム上への入力自体を忘れた」などを防げるよう、システムへの入力が簡易的かつ正確に行われるような工夫をしよう。

また、複数の系列店や倉庫を所有する場合には、全ての在庫を同様に管理できる設計も重要だ。システム設計以前に、商品の「場所」「種類」「数」を適切に把握できるなど、在庫管理に必要な工程を洗い出しておくと、導入後の正確性や効率性がより高まるだろう。


まとめ

在庫引当とは、現在の在庫数から受注した分を差し引いて確保しておくことだ。有効在庫数を割り出すことで、事業者と購入者がトラブルとならないために重要な作業といえる。手書きやエクセル・在庫管理システムへの入力など管理方法はさまざまあるが、企業規模や扱う商品の種類によって使いやすさは異なるだろう。在庫管理システムの導入は、企業規模が大きい場合や扱う商品数が多い場合に効果的だ。適切な在庫数が確保できるよう、自社の在庫引当や有効在庫数を管理する方法について見直してみてはいかがだろうか。


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