佐賀県が楽天に特設ページを開設 県内EC事業者の商品を紹介
県主導で商店のICT化を推進
佐賀県は11月中にも、「楽天市場」内に特設ページを開設して、県内のEC事業者の商品を紹介する。来年1月以降には、楽天の海外販売モールにも特設ページを開設する予定だ。
「楽天市場」の特設ページには、県の支援事業で助成を受けている20店舗の取扱商品を紹介、各店舗へ誘導する。
暮らし、医療、教育など、あらゆる分野において、ICT(Information and Communication Technology)化が急速に進んでいることから、佐賀県では、新ビジネスの創出や、地域課題の解決、学力向上など、「アイデア次第でさまざまな効果を生み出すツール」と捉え、ICTの利活用を積極的に進めている。
そのひとつに「ショッピングサイト出店支援事業」がある。これは、地域商店の販路開拓をサポートする取り組みで、「楽天市場」への出店を支援し、数あるショップの中から、買い物客に選ばれる“スター店舗”を育てることを目指している。
どこにもITやICTをビジネスに上手に生かせる人材というものはいるもので、佐賀県には17歳で事業を始めて、わずか4年で月商3,000万円まで育てた人もいるという。
全国販売可能なECで県の産物を販売
佐賀県は長崎県と福岡県の間に位置して地味な印象だが、有田焼や伊万里焼といった名産品がある。
北は玄界灘に面して味のよい魚介類が採れ、南は有明海に面して国内最高級とされる海苔をはじめ、身の詰まった竹崎ガニ(ガザミ)や寿司屋で珍重されるタイラガイ(タイラギ)、ムツゴロウなどの特産品を産する。
また、全国有数の柑橘類の産地でもある。
さらに鎖国時代に「日本の玄関」であった長崎から本州へ向かう「シュガーロード」の途中に位置するため、名産のお菓子も多い。
そのほか歴史や伝統とは直接関係ないが、現代の製品も数多く知られている。
県を挙げてこのような取り組みを行うというのは危機感の裏返しでもあるだろう。しかし、問題を解決しようという積極的な姿勢は評価できる。
佐賀県では江戸時代、藩主鍋島直正が独自に西洋の軍事技術の導入をはかり、科学技術を導入して反射炉を造り、当時最も破壊力のあったアームストロング砲や蒸気機関の製造に成功している。
藩士からは江藤新平や大隈重信をはじめ、有為の人材が明治維新に参加し、薩長土肥の一翼として政府を担った歴史を持つ。
地方の産物も、智恵と工夫次第で売れるのが、インターネットのよいところだ。
佐賀県の取り組みが成果を上げて行くことを願いたい。