【2023年版】楽天のターゲティングディスプレイ広告(TDA)とは?

ECのミカタ編集部

楽天市場にはさまざまな広告がありますが、その中でも比較的新しく店舗側が設定したユーザーに対して広告配信できるのが「ターゲティングディスプレイ広告(TDA)」

今回は、楽天でショップを開いているEC運営者の方々に向けて、TDAの基本情報や設定方法、メリット・デメリットなどを詳しく解説していきます。

楽天ターゲティングディスプレイ広告(TDA)とは

楽天ターゲティングディスプレイ広告とは、希望するユーザーに対して楽天市場の中でバナー広告を配信できる広告のことで、TDA(Targeting Display Advertisementの略)と呼ばれることもあります。

インプレッション課金型なので、ユーザーに表示されると費用が発生する仕組みとなっており、低予算でも始めることができます。TDAは広告を配信するユーザーをしっかり選定したい時や、自社バナーを配信しユーザーの興味を引きつけたいという時におすすめの広告です。

楽天ターゲティングディスプレイ広告(TDA)の特徴


TDAの1番の特徴は、セグメント(※)を柔軟に設定できることです。楽天の会員情報や購入履歴などから広告を配信するターゲットを細かく決めることが可能で、セグメントに合わせてバナーのデザインも自由に制作することができます。設定できるセグメントの例は、性別や年齢、居住地域をはじめとして、閲覧履歴・購入履歴のジャンル、自店舗来訪履歴などがあります。

※セグメントとは、年齢や性別、購買傾向などの属性や特徴が似通っている集団のこと。セグメントを設定するというのは、ターゲットにしたいユーザーの特徴を選ぶという意味です。

TDAの掲載場所


TDAが配信される場所の例は以下の通りです。

・楽天市場トップページ
・お気に入り
・商品レビュー
・スーパーSALEページ
・購買履歴
・閲覧履歴
・お買い物マラソン など

ユーザーが目を引きやすい様々な場所へ掲載できるので、より訴求したいユーザーに広告を見てもらえる可能性が高まります。

楽天ターゲティングディスプレイ広告(TDA)のメリット・デメリット

楽天ターゲティングディスプレイ広告(TDA)のメリット


TDAのメリットとして、楽天のユーザーデータ(マーケティングレポート)を活用したターゲティングができることが挙げられます。マーケティングレポートは店舗運営システムのRMS(Rankuten Merchant Server)の販促効果測定から確認することができます。

レポートには、「行動分析レポート」と「顧客分析レポート」があり、それぞれどの層にアプローチすべきかや、顧客の性質といった情報を知ることが可能で、ここから広告の効果測定をすることも可能です。

楽天ターゲティングディスプレイ広告(TDA)のデメリット


TDAのデメリットは、バナー作成の規則や審査が厳しいことが挙げられます。特徴でも説明したように、ショップ側でバナーをデザインすることはできますが、色数制限やフォントサイズといった細かいレギュレーションが存在し、これらを満たして作成しなければ審査を通過することができません。バナーは4サイズ作らなければならず、作成にはある程度時間がかかるので、修正が必要ないようにしっかりとレギュレーションを確認するようにしましょう。

楽天ターゲティングディスプレイ広告(TDA)にかかる費用

TDAはビューアブルインプレッション課金(Vimp)と呼ばれる方式を採用しており、ユーザーに広告が表示される(インプレッション)と費用が発生する仕組みで、例えば「ユーザーにバナーの50%が1秒以上表示される」と1インプレッションです。そのため、実際にかかる費用は広告が表示された回数×配信単価(1インプレッションの値段)で計算されます。

配信単価は以前は決まっていたのですが、2022年の8月より0.75円〜10.00円の入札式となりました。そのため、入札金額が高いほど広告が表示されやすいでしょう。また、TDAでは広告予算(上限)を5万円〜/月から設定することができるので、表示されるだけ費用がかかるという心配をする必要はありません。

楽天ターゲティングディスプレイ広告を活用する目的と方法

TDAはセグメントを細かく設定できるため、認知を広げたい、売上やリピート率を向上させたいといった多様な目標達成を目指すことができます。

自社ECショップの認知を広げたい


認知を広げたい場合には、「年齢」「性別」「会員ランク」などの基本情報をセグメントすると、これらのターゲットに配信できブランドを知ってもらいやすくなります。また、RMSレポートから自社の顧客層を読み取ってペルソナとしてセグメントすることでより効果が高まるでしょう。

ペルソナを広げるとインプレッション数の増加は期待できますが、コンバージョンには結びつきにくくなります。しかし、認知を広げるという目的であればコンバージョンは気にしなくても大丈夫です。

売上を作りたい


売上を作りたい場合には、「性別」「年齢」「閲覧履歴」「購買履歴」など細かくセグメントすることをおすすめします。自社商品の購買ユーザーと類似したユーザーへアプローチするなど、ペルソナとセグメントの絞り方が正しければコンバージョンにつながり、売上を作りやすいでしょう。

このように、楽天ターゲティングディスプレイ広告は認知度と売上のそれぞれの向上を目指すことができますが、セグメントの設定が非常に重要であると言えるため、RMSレポートを活用していきましょう。

楽天ターゲティングディスプレイ広告(TDA)の設定方法

TDAは、「キャンペーンの作成」、「セグメントの設定」、「バナーの入稿」という流れで設定していきます。

キャンペーンの作成


まずはキャンペーンを作成していきます。

①RMSの広告(プロモーションメニュー)→【ターゲティングディスプレイ広告(TDA)】を開きます。

②【キャンペーン】タグを開き、【新規登録】をクリックします。

③キャンペーンの新規登録画面が表示されるので、各項目を設定します。

・キャンペーン名:任意のキャンペーン名を設定
・キャンペーン期間:キャンペーンの開始日時と終了日時を設定。(登録日から6営業日以内や登録可能件数の上限に達している場合は設定負荷
・予算:最低5万円/月〜から月の広告予算を設定
・入札単価:0.75~10円の間(0.05円刻み)で、インプレッションが発生した時の配信単価を設定
・配信ペース:「アクセス量に合わせて最大配信」または「予算を日ごとに均等配信」から選択
・設定URL:ユーザーがバナー広告をクリックした時にジャンプするURLを「商品ページをリンク先に設定する」または「店舗トップページ、カテゴリーページ、GOLDページをリンク先に設定する」から選択
・対象セグメント:バナー広告を配信したいセグメントを設定

セグメントの設定


続いて、セグメントの設定について詳しく説明していきます。

①まずは、キャンペーンの新規作成画面で【セグメントを選択】をクリックし、セグメント設定のウィンドウを開きます。

②設定したいセグメントにチェックを入れ、【選択を追加】ボタンをクリックします。

・会員登録情報:年齢・性別・会員ランク・居住地域を選択
・閲覧履歴:カテゴリーを指定
・イベント興味:ユーザーのイベントへの興味や大型イベントにおける最大買い回り数を指定
・購入履歴:カテゴリーを指定
・ユーザー傾向:優良会員を指定
・3ヶ月以内3回以上購買:3ヶ月以内に3回以上購買したかどうかをカテゴリー単位で指定
・自店舗来訪履歴・自店舗購入履歴:過去2年間のデータを元に、自店舗に来訪または購入した履歴を指定

③【セグメント設定指標を確認する】ボタンをクリックし、セグメントの設定指標をシミュレーションします。以下のようなセグメント領域を示したバロメータが表示されるので、効果的に広告を配信するためにもバロメータが緑になるように設定しましょう。

バナーの入稿


ここまで設定して保存すると、「編集完了」画面になるので【キャンペーン一覧に戻る】ボタンをクリックします。そうすると以下のような画面が出てくるので、【未入稿】ボタンをクリックするとバナーの入稿画面が開きます。

①バナーの入稿画面を開いたら、各項目を入力し、【入力内容を確認】ボタンをクリックします。

・バナー素材:バナーの画像ファイルを選択。素材は「1,280px × 200px」「880px × 320px」「400px × 800px」「480px × 360px」の4つのサイズが必要。
・リンク先URL:ユーザーがバナー広告をクリックした時にジャンプするURLを設定
・連絡事項:連絡事項が必要な際に入力

②「キャンペーン一覧」画面を開き、設定したキャンペーンにおいて「ステータス開催前」「原稿審査完了」の状態になっているかを確認します。

楽天ターゲティングディスプレイ広告(TDA)運用の注意点

TDAを運用する時の注意点として、キャンペーン登録件数に上限があることです。

スーパーセールなどのイベントがあるときは広告枠はすぐに埋まってしまいます。イベントはコンバージョンにつなげる大きなチャンスとなるため、キャンペーン時においては広告予算を確保し、配信開始の10営業日前になったらすぐに入札できるようにしましょう。

また、入札制になったことから、優先的に配信されるように戦略的に広告配信の設定を行う必要があります。配信優先度は入札単価だけではなく、予算やセグメント、期間など様々な要素から決定されるので、レポートなどのデータに基づいた設定を行って広告枠の獲得を目指しましょう。

まとめ

これまで、楽天のターゲティングディスプレイ広告(TDA)について解説してきました。

TDAはバナー作成や広告の効果を出すためには気をつけなければならないことも多いですが、楽天市場内で効率的に配信することができるメリットの多い広告と言えます。楽天に出店しているECショップであれば是非とも使って欲しい広告なので、しっかりと特徴やメリット・デメリットを把握して、認知度向上や売上につなげていきましょう。


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