アジア最大級のグローバル通販サイト「Pinkoi」を運営するピンコイ株式会社（以下：ピンコイ）は、「Pinkoi」で出店する日本ブランドについて2022年の海外売上ランキングを集計し、2023年に海外での需要が高まる日本のデザイン傾向を独自に予測、その結果を公表した。

トレンド予測①：消耗品よりも、長く使い込みたいもの

Pinkoiでは、台湾や韓国などのアジアを中心とした地域のデザイン商品を取り扱っていることもあり、文房具やコスメ、食品などが高い売上を獲得している。その一方、日本ブランドに限っていえば、高い売上を獲得する傾向にあるのは、消耗品よりも長く大切に使い続けるようなカテゴリーの商品だ。

ファッションアイテムやインテリアはもちろん、特に経年変化を楽しむ革小物などは、その象徴となるだろう。奢侈品が買い控えられる一方で費用対効果の意識が高まるとされる2023年には、手頃で長く使い続けられる日本製品の人気が高まることが考えられる。

トレンド予測②：素材やデザインの「繊細さ」

日本のデザイン商品に求められる要素の最たるものとして「高品質」が挙げられるだろう。Pinkoiで販売されている日本デザイナーの商品のページには、「商品の品質に感動した」というようなレビューが多く見られる。このことから「高品質」に対する期待の現れとして、既述のように長く使い続けるようなアイテムが選ばれているとも考えられるだろう。

Pinkoiでは、日本ならではの「カワイイ」商品も人気を集めつつ、2022年の売上ランキングで上位を占めたのはシンプルなデザインが特徴のブランドだ。特に、オーガニックコットンやプレミアムリネン、牛革などの天然素材を使用した商品が注目ており、素材やデザインの繊細さで満足感を与えられるような商品に人気が集まる可能性が高いとしている。

トレンド予測③：「丁寧」な商品説明と「言語対応」

通販サイトにおける売上獲得には、商品の説明やレビューの充実感が大きく起因するが、海外の顧客を相手にした場合それらの重要性は一層高まるだろう。2022年の海外売上ランキングに並んだブランドは、いずれも商品ページの作り込みが見受けられ、外国語での記載も丁寧なものが目立つ。例えば、インテリア商品を扱う「MUKU工房」では、海外地域をメインで販売していることから、中国語や英語の商品ページが非常に充実している。

Pinkoiには自動翻訳機能があり、商品説明やレビューが日本語だけで記入されていても外国の方へ商品の魅力を伝えられる。さらに、日本語でのカスタマーサポートも充実しており、顧客とのやりとりで分からないことがあれば仲介者としての対応も可能だ。

2023年は日本製品への注目が高まる

2022年に日本への入国規制が段階的に解除されたことに伴って、今年は訪日外国人による旅行消費額の増加が期待される。その結果として、日本製品に対する注目も高まってくることも十分に考えられるだろう。

また同時に、国内市場のシュリンクにも影響を受けながら、海外進出を視野に入れるデザイナーやブランドも徐々に増加傾向にあり、中国への展開に挑む前に台湾や香港でトライアルする動きも多く見られている。

このような背景を元に、現在ピンコイは2023年から海外進出を目指す日本のデザイナーやブランドを応援するため、新規出店者の販売手数料が最大3ヶ月無料になるキャンペーンを実施している。年々注目度が高まる越境ECだが、その傾向は今後もますます加速していくだろう。ピンコイが今回予測したトレンド傾向をもとに、多くの日本製品が海外で活躍することが期待される。