「AnotherADdress」にメンズラインを新たに導入
株式会社大丸松坂屋百貨店(以下:大丸松坂屋)は、2023年3月1日に百貨店初のファッションサブスクリプション事業「AnotherADdress」において、メンズアイテムを扱う80のブランドを新たにラインナップに加え、メンズ事業へ参入を公表した。
ジェンダーレスファッションの一般化を考慮
事業開始から2年間で多くの顧客、ブランドからメンズアイテム取扱い要望があったという。また、マーケット環境もビジネスウェアのカジュアル化が加速するとともに、ここ数年でジェンダーレスファッションは一般化してきた。
このような環境変化を考慮し、新たにメンズ用のサービスサイトを立ち上げるのではなく、既存の事業基盤を活かして、価格設定、サービス内容、システム、オペレーションも全て同一とし、メンズ規格アイテムを拡充する形を選択した。
◆ターゲット
百貨店事業が対象としている「購買層」とは異なり、空間や時間、経済的な理由でファッションに制約を感じている「ファッション潜在層」を本質的なユーザーターゲットと捉えてサービスを設計。メンズ事業拡大においても、現在の女性利用者層と重なる「都市圏で働く等身大の大人」の男性を中心とした利用を想定している。
◆取り扱いブランド
Maison Margiela、MARNI、Y’s、ANREALAGE、Maison MIHARA YASUHIRO、TOMORROWLAND、Theoryなど国内外を代表する80ブランドが参加。9割以上のブランドにとって、メンズサブスクリプションサービスへの正規アイテム提供が初めてとなる。
◆取り扱いアイテム
メンズ規格アイテムではモード、ストリート、アメカジ、きれいめなど多様なスタイルを週末カジュアルウェア中心に取り揃える。また、近年急速に高まるジェンダーレスにファッションを楽しみたいという幅広いニーズに対応することを踏まえ、積極的にジェンダーレス、ユニセックスを提案するアイテム、ブランドを導入している。
レディースブランドでも新たなブランドが参入
今回、メンズラインの新規導入だけではなく、レディースブランドにおいても60ブランドを新たに迎え、全173ブランドに拡充。COACH、DIESELといったグローバルブランドから高感度ファッション層に支持される、CHINO、MUVEIL、GANNIなど新たに60ブランドを迎えたことによって、充実したラインナップの提案が可能になった。
今回の事業拡大での数値目標は、メンズアパレル市場がレディース市場の半分程度であることを踏まえ、5年で1万5000人の会員獲得を計画。メンズの事業拡大を踏まえ、レディースも含めた事業規模は、2027年度で、売上高約75億円、有効会員数4万5000人を目指すとしている。
顧客配送時における段ボールの使用を全廃
今回の事業拡大について、大丸松坂屋は以下のようにコメントしている。
「コロナ禍のなか、生活様式の変化や環境配慮型サービスへの注目の高まりを追い風に、事業開始から1年半にわたり新規入会制限が続くほど多くのお客様にご支持いただき、成長を続けてきました。 そのような中、この2年間多くのお客様からのご要望をふまえ、メンズアイテムを扱う80のブランドを新たにラインナップに加え、メンズ事業へ参入します。男性のお客様はもちろん、近年急速に高まるジェンダーレスにファッションを楽しみたいという幅広いニーズに応えることで、今後もファッションの愉しさを『より自由に』『より多くの方に』提供してまいります。加えて、サービス拡大に合わせて、日本初の再利用可能なガーメントバックを用いた循環型配送を導入することで、顧客配送時における段ボールの使用を全廃し、ビニールの使用量も30%削減(当社比)を実現します。アナザーアドレスは、今後も環境配慮型のビジネスモデルを追求してまいります」
事業拡大に加えて、「AnotherADdress」ではガーメントバックを利用したサスティナビリィへの取り組みも強化している。芯地に反発性のある素材を使用することでシワ・折筋の発生を削減できるバッグを新たに開発。環境への配慮も十分に考慮されたサービスへと一層強化されることとなった。顧客の需要に柔軟に対応し、時代の変化に合わせて進化を続ける「AnotherADdress」の今後に注目が集まるだろう。