楽天が台湾でオンライン書店「楽天書城」をオープン
最新タイトル10万点を用意
楽天は13日、インターネット仮想商店街「台湾楽天市場」内にオンライン書店「楽天書城」を開設したと発表した。
「楽天書城」は楽天のグループ子会社である台湾楽天市場の中に設置されており、約10万点の書籍を取りそろえている。台湾楽天市場の会員であれば、書籍の購入で楽天スーパーポイントを獲得したり、貯まったポイントを台湾楽天市場での商品購入に利用したりすることもできる。
楽天は台湾のネット通販に関する調査を行い、年間約4万点の新刊が出版され、回答者のほぼ半数の47.3%が書籍をネット通販で購入していることに注目し、今回のオープンとなった。
「楽天書城」ではライフスタイルや旅行、健康ジャンルを中心に最新タイトルを取りそろえ、インターネットを通じて消費者にさまざまな本との出会いの場を提供していくとしている。
海外初進出の地での記念碑的な出店
台湾といえば、楽天が2008年5月、EC事業で初の海外進出を行ったところだ。大手小売の統一超商グループと合弁して、『台湾楽天市場』のサービスを開始し、楽天にとっては、世界進出第一歩の記念すべきところとなっている。
楽天は台湾で自社のビジネスモデルが世界で通用することを確認し、それ以来、着実に勢力を拡大している。
楽天のビジネスモデルは、システムだけ提供するような単純なものではない。最先端のテクノロジーと「人」が融合し、専門の指導担当者がきめ細かな指導で販売店を成功に導く。ヤフーが無料で「eコマース革命」を仕掛けたときにも揺らがなかった要因のひとつは、泥臭いとも丁寧とも面倒見がよいとも言えるこの体制にあったのだろう。
今回の「楽天書城」オープンは、楽天が台湾で育てた人材があっての賜物だ。
「0.1%の改善の積み重ねが、成功を生む。そして、大きなチャンスを的確につかみとれる。そういう人を運がいい人という」という三木谷浩史氏の哲学が咲かせたひとつの花とも言える。
楽天にとっては「原点回帰」で記念碑ともなっただろうが、アクティブな三木谷浩史氏のことだから、きっと「一里塚に過ぎない」という意識でいるに違いない。