SGムービング SDの配送技術競う、通販など荷主にも訴求

SGホールディングスのグループ企業で、大型家具や家電などの配送を手がけるSGムービングは11月13日、都内で引っ越しの梱包・積み込みや家具の組み立てなどのセールスドライバー(SD)の技術を競う「第2回品質選手権」を開催した。当日は、SGホールディングスグループ関係者のほか、家具や家電を扱う通販事業者などの荷主企業も来賓・審査員として参加。顧客サービスに直結する競技内容ということもあり、荷主企業関係者が作業の様子を食い入るように見守る姿も見られた。

SGムービングでは2011年、本社内に研修センターを開設し、各営業所の指導担当者の研修を実施。受講者が研修で得た技術やノウハウを各営業所に持ち帰り、SDを指導する形で全社的なサービス品質の向上に取り組んでいる。

「品質選手権」は研修成果となるSDの技術を競い、その向上を図ることを目的に、昨年から開催しているもの。同時に、荷主企業に対する自社サービスの品質の高さを訴求する場としても活用し、今大会では、既存荷主企業20社・約50人を来賓として招待している。

開会にあたり挨拶に立った笹森社長は、配送業務を通じて、荷主企業に代わり最高のサービスを提供することが自社の役割とした上で、「配送先のお客様には、それぞれに商品を購入されたドラマがあり、購入した商品が届くのは待ち遠しく、とても嬉しいことでもある。そこに喜んで頂ける配送サービスを提供することが大切だと思う」とし、今大会を通じ、最高のサービスの提供に必要な技術や知識の向上を図ってもらいたい考えを示した。

競技内容は、組立家具の組み立て、引っ越し時の荷物の梱包・積込、家電製品設置時の接客対応、大型家具を届ける際の養生・搬入。全国の営業所から選抜された12人のSDが2人1組の6チームに分かれて競技を行った。審査項目は多岐にわたり、家具の組み立て競技の場合、養生の安全性や部材・金具のチェック、カッターの使い方、ゴミの処理、組み立て後の置き狂い調整など10項目を審査。また、養生・搬入競技では、事前の家屋傷のチェックや、養生材の効果的な配置、助手への的確な指示・声掛けなど細かな部分まで審査対象とする。

通常、荷主企業は現場の作業を見ることはなかなかないが、細かな審査項目を提示し、競技の形で作業風景を見せることで、自社サービスのキメ細かさや品質の高さを訴求。取引の拡大とともに、適正運賃収受への理解を促す狙いがある。

前回大会も荷主企業を招いているが、大会終了後、実際の作業風景を見た荷主企業から引き取り家具の梱包に関する相談が寄せられるほか、荷物の取扱量が微増になるなどの成果があったという。

今回の大会でも、荷主企業関係者が各競技場を取り囲み作業に見入るほか(右画像)、競技中のSDに作業に関する質問をする光景が見られたが、これは通販など荷主企業の間で、商品配送部分での顧客サービスに対する関心の高まりを裏付けるものと言えそうだ。

因みに、今回の品質選手権で優勝したのは、飯田淳平選手(札幌営業所)と小島郷選手(三多摩営業所)のチーム。このほかに、女性社員による食器や衣類の梱包、ダンボールクラフトのデモンストレーションなど、女性ならではのキメ細かなサービスの取り組みを紹介。SGムービングとしても様々な面でアピール効果があったようだ。