Yahoo!ショッピングが【おトク指定便】を開始、先の配送日でポイント付与可能

ECのミカタ編集部

ヤフー株式会社(以下「Yahoo! JAPAN」または「同社」)が運営する「Yahoo!ショッピング」は、「おトク指定便」を全ストア対象に提供開始することを公表した。

実証実験の結果を受けて提供開始へ

Yahoo! JAPANが運営する「Yahoo!ショッピング」は、ユーザーが急がない荷物は余裕のある届け日を指定すると、指定日によって「PayPayポイント」がもらえる「おトク指定便」(以下「同サービス」)を、全ストアを対象に提供開始する。出店ストアは任意で同サービスを利用できるとのことだ。

全ストアへ向けた本格展開に先駆けて、「Yahoo!ショッピング」は、2022年8月28日(日)から2023年3月25日(土)に、アスクル株式会社がYahoo! JAPANの協力により運営する一般消費者向けの日用品ショッピングサイト「LOHACO Yahoo!店(旧LOHACO PayPayモール店)」「LOHACO by ASKUL(LOHACO本店)」(以下、総称して「LOHACO」)で、同サービスの実証実験を行った。

実証実験では、全体の注文者のうち、約半数の51%のユーザーが同サービスを利用し、想定を上回る需要があったとしている。また、ストアを対象に実施したアンケートによると「出荷作業の逼迫に課題を感じ、同サービスを利用してみたい」と答えたストアは、半数以上の55%になったという。ユーザー、ストアともに需要の高さがうかがえる実証実験の結果を受け、今回「LOHACO」だけに限らず、「Yahoo!ショッピング」に出店する全ストア向けに同サービスの提供を決定したとのことだ。

急ぎでない配送にポイントを付与できる

急ぎでない配送にポイントを付与できる

現在「Yahoo!ショッピング」全体の注文のうち約8割が「お届け日指定」のない注文で、届け日指定がない場合、原則各ストアが設定する最短の日程で商品を出荷している。今回提供を開始した「おトク指定便」は、すぐ受け取る必要がない商品の注文時にユーザーが「おトク指定便」を選択することで後日「PayPayポイント」を受け取れる仕組みで、出荷・配送業務の分散を図るものだ。

ユーザーは、ニーズに応じて配送方法を選択でき、ストアや配送業者はセール期間などの出荷・配送作業負荷の分散・軽減が期待できる、“三方よし”のサービスを目指すとしている。今回の本格展開では、出店ストア側は任意で「おトク指定便」の提供有無を設定でき、最短届け日より余裕のある届け日指定(最大14日後)に対して、ストアが任意で1~100円相当の付与ポイントの設定が可能だ。

ECラストワンマイル配送を持続可能なものに

現在、運送・物流業界では、2024年4月から適用される「働き方改革関連法」に伴う、トラックドライバーの時間外労働の規制等による「物流の2024年問題」への対策が急務となっている。これに対し、国土交通省・経済産業省では、2023年4月を「再配達削減PR月間」とし、宅配便・EC(eコマース)・通販の事業者とともに、再配達削減に向けた取り組みを進めている。

この取り組みを受け、「Yahoo!ショッピング」は、ユーザー向けに再配達削減のための「お願い」として、届け日・時間帯指定の活用や各配送事業者の提供しているコミュニケーション・ツールなど(メール・アプリ等)の活用、コンビニ受取や駅の宅配ロッカー、置き配など、多様な受取方法の活用などを紹介してきた。

「お届け日指定」が利用可能なストアでの買い物時は、同サービスを活用し、特定日の荷物量増加に伴う物流(出荷・配送)負荷を分散させることで、物流の安定確保や効率化といった物流業界におけるサステナブルな活動の実現を目指すとしている。また、再配達を減らすことで、CO2削減を通じて環境問題への貢献も意識した取り組みを実施していくとのことだ。

「Yahoo!ショッピング」では「欲しい時に欲しいモノが届く世界」をスローガンに掲げ、「安心かつスピーディー」というコンセプトで、注文の当日から翌々日までに届く「優良配送」を拡大し、ユーザーの利便性を高めてきた。一方で、実証実験でも、急いでいない注文も一定数あることがわかり、同サービスの導入により「早く受け取りたい方は早く受け取れて、急いでいない方はゆっくり、おトクに受け取れる」といった様々な配送ニーズに対応することで、より良い購入体験、配送体験を提供するとしており、ECにおける生命線とも言えるラストワンマイル配送の持続可能性の担保に向けて貢献することになりそうだ。

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