母の日ギフト、平均単価は6154円【ギフトモール調査】

ECのミカタ編集部

ギフトモール・オンラインギフト総研は、ギフト利用の実態を探るため、グループで運営するギフト関連のプラットフォームの来訪者の検索、購入データをもとにギフトのトレンド動向を分析したレポートを公表している。今回、同社は2023年5月14日の母の日に向けて、現時点での売れ筋商品の動向について3年前の2020年同時期と比較して特徴的なものについて調査を行い、その結果を公表した。ここではその概要についてポイントを絞って見て行く。

コロナ禍を経て「花」が首位に、背景にEC利用拡大

コロナ禍を経て「花」が首位に、背景にEC利用拡大

母の日ギフトとして購入されている商品の全カテゴリを、花・スイーツ・グルメ・雑貨に分類し、その構成割合を2020年と比較した結果、2020年40.1%だった雑貨に代わり、今年は花が35.9%と高いシェアを占め首位となった。

雑貨は3年前から約10%減で31.8%となったが一定のシェアを占めており、スイーツ・グルメはコロナ禍前後で大きな変化はないことがわかった。この3年でECサイトでの花の購入割合が一層広がった理由としては、供給者側・消費者側双方の変化が影響していると同社は分析している。

またコロナ禍で行動が制限され、店頭でのギフト購入がしづらくなった状況を踏まえ、インターネット上で販売をする事業者が増えたと分析。それにより購入することができる商品の選択肢が増え、ECサイトでの花の購入が検討されやすくなったと推測している。

コロナ禍で全体的にECサイトの利用が促進された結果、ギフト購入に関してもECサイトを利用することへの抵抗がなくなったようだ。同社の調査では、ギフトの購入場所は「総合ECサイト」が首位になり、ECサイトが代表的な購入場所となったこともわかった。

首位となった花では、2020年17位だった「カーネーション」が、今年は4位と変わらず人気の高いギフトであることがわかる。一方で今年3位「鉢植え」(2020年103位)、6位「あじさい」(2020年344位)は「カーネーション」を超えるもしくは同等の強い人気を集めており、コロナ禍の中で登場し、新しい母の日の定番ギフトとなったと分析している。

「鉢植え」「あじさい」が支持された理由としては、ECサイトの場合は配送が日本郵便となるため、届いたタイミングの商品のコンディションへの安心感が比較的高く、かつそのまま育てられるといった点が支持されているのではないかと推測している。

2023年の平均単価は6154円

2023年の平均単価は6154円

購入価格帯は「3000-5000円」が40.3%と最も多く、2020年と変わらずメインの価格帯となった。また平均単価は2020年において5519円、2023年は6154円となり、この3年で635円増加した。3000円未満の比較的手ごろな価格帯の購入が減少し、3000~10000円の価格帯が増加している。

物価高の影響で生活必需品の価格が上がっている中、ギフトに対する需要は下がることなく、むしろ平均単価は上昇傾向にあるようだ。コロナ禍の前と比較すると、母への感謝の気持ちをギフトとして贈ることを大切なコミュニケーションの手段として捉える人が増えているのかもしれないと同社は分析している。

サマリー

サマリー

調査結果にあるように、コロナ禍の3年間で「花」が圧倒的首位になり、同社は、ネット販売の増加とEC利用の一般化が要因であると分析している。またコロナ禍の中で登場した「鉢植え」「あじさい」が、新しい母の日定番ギフトになっており、物価高の中でも単価は上昇傾向にあり、2023年の平均単価は6154円だった。

日本におけるギフト文化も「お中元」「お歳暮」に象徴されるフォーマルなものから、より身近な人に贈りものをするカジュアルなものに変化してきているようだ。そうした中で長いコロナ禍を経てEC利用も急速に拡大したこともあり、今回、同社が調査したように、母の日でのギフトの傾向も変化している様子が浮き彫りとなったと言えそうだ。


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