ベルーナ業績好調、10月の売上8.2%増
各社不調の昨年から好調をキープ
カタログ通販のベルーナが発表した10月の売上報告によると、連結総合計売上高は前年同月比8.2%増となった(2014年3月期売上高:1,254億円)。
事業別の売上動向では、衣料品、家庭用品などの総合通販事業は5.6%増、専門通販事業は15.7%増だった。
総合通販事業は、衣料品、家庭用品ともに前年を上回った。専門通販事業は、アンファミエに加え、ベストサンクスが連結子会社になったことで、前年を大幅に上回った。
大手通販の昨年度の業績は、主力の通販事業が総じて低調だった。売り上げ不振に加え、急激な円安により原価率が上昇したため、営業損益では大幅減益、赤字転落となる企業が目立った。その中でもベルーナは大幅な増益を達成していた。
店舗事業拡大が経営の支えに
今年はGDP成長率マイナス1.6%ということであまりよくなかったが、それでも景気には活況感がもどってきた。通販各社も回復・増収に向かったところが多かった。しかし、消費税の増税後には落ち込みもあり、円安や原材料高が続いたことで、企業各社は厳しい努力を強いられただろう。
また、春先の天候不順や秋口の台風なども、通販には影響したはずだ。実際、ニッセンホールディングスはシャディ関連3社の売上高が加わったため、2ケタ増収となったが、通販事業のニッセンは売上高1,136億円(前期比12.4%減)、主力のアパレルは13.2%減となった。月次売上高では5月と7~11月が前年同月比13~20%減と落ち込んだ。減収とともに円安による原価率の悪化により、ニッセンの経常損益は26億5,000万円の赤字と大きく割り込んだ。
千趣会も主力のカタログ事業は衣料品2.5%減、服飾雑貨8.6%減などと低調だった。衣料品は特に4月や10月が苦戦し、12月も気温が高くアウターやブーツなど高単価商品が鈍かった。しかし、戦略商品の拡大や価格帯の見直しで粗利益率を改善し、物流関連費やカタログ関連費も削減した結果、事業営業利益は2.9倍の28億4,000万円と大幅に回復させた。
通販会社の第3四半期の業績は扱う商品によって差が出たが、数字の上での業績は上がっても、収益性は必ずしもよくなかった。しかし、ベルーナの場合、子会社が増えた以外に、店舗販売を行うアパレル店の出店ペースを上げ、和装店も増やしたのが、効を奏したように思われる。