約8割「日本に訪問後も越境ECを利用したい」と回答【越境EC利用&訪日意向調査・ZenGroup株式会社調べ】
ZenGroup株式会社(所在地:大阪府大阪市、以下「ZenGroup」または「同社」)が運営する海外プロモーション代行サービス「ZenPromo」は、同じくZenGroup株式会社が運営する海外向け購入代行サービス「ZenMarket」を利用している海外の顧客1795名(北米、ヨーロッパ、アジア、オセアニア)に「越境EC利用&訪日意向調査」に関するアンケートを実施し、その結果を公表した。ここではその概要についてポイントを絞って見て行く。
調査概要
・調査方法:インターネット調査
・調査対象:海外向け購⼊サポートサービス「ZenMarket」の顧客男女1795名
・調査実施日:2023年4月27日~5月2日
・調査主体:ZenGroup株式会社
越境ECは日常的な購買行動として定着
まず、越境EC利用金額、利用頻度について調査している。全体の65%以上が「1万円以上」利用すると回答。「2万以上」でもどのエリアにおいても5割を超えていた。特に北米とヨーロッパは20%以上が「5万円以上」と回答しており、客単価は高い傾向にあった。
また全体の52.1%以上が越境ECを「⽉に1回以上」利用していると回答。「⽉に2回以上」利用しているのは、アジアが43.6%と最も高く、国別でみるとシンガポール44%、オーストラリア33%だった。海外の越境EC利用ユーザーには、日常的な購買体験として定着していると分析している。
増加する越境EC利用
新型コロナウイルス感染症の拡大前に比べて、越境EC利用回数が増えたと半数以上が回答。特にアジアでは70.7%と最も高く、北米とオセアニアでは53%以上、ヨーロッパでは45%にとどまった。しかし、「変わらない」と答えた人も含めると、いずれの地域でも95%以上となり、越境ECの利用が定着していると分析。
円安により、海外の消費者にとって日本円での商品価格が相対的に安くなる。円安による越境ECの利用頻度の変化について調査したところ、全体の47.7%が越境ECの利用頻度が「増えた」と回答。アジアと北米が約60% と高く、ヨーロッパとオセアニアは、約40%以下という結果だった。アジアと北米では、円安による越境EC利用の加速が顕著になっているとしている。
購入の決め手は「写真・説明文」、購入の時に「SNS」を参照
越境ECで商品購⼊決める際には、「写真・説明文」が最も重視されているようだ。特に北米が34.7%と最も高い結果になった。次いで、「送料」「価格」と続いた。ヨーロッパとオセアニアでは、「複数店舗商品の同梱発送」が16%以上と他より高い傾向がある。商品写真や説明文のクオリティを担保することが、越境ECで売り上げを伸ばすための必須要素だと分析。
また日本製品を購⼊する際に参考にしている情報源のトップ3は、「SNS」「検索エンジン」「日本の公式サイト」だった。特にオセアニアでは「SNS」が36.7%と最も高い割合を占めていた。SNSマーケティング 、SEO、公式サイトの多言語化といった情報発信への取り組みは、海外売上拡大のために不可欠だとしている。
訪日後のリピート買いで越境EC利用意向
コロナウイルス感染症が収束し、訪日が可能になったとしても、8割以上の人が積極的に越境ECを「利用したい」と回答。特に、北米、ヨーロッパ、オセアニアの利用意欲は高くが85%以上となった。
また約99%もの訪日後の「リピート意向」があった。「リピートしたい」という回答に限っても、全体の約80%を占めている。アジアよりも、北米、ヨーロッパ、オセアニアの⽅が、よりリピート利用の意向が高い傾向あった。
1年以内の訪日意向者は高く、すでに計画している人も
1年以内での「訪日意向」は80%以上と高く、越境ECとインバウンド観光の相関関係がみてとれる。さらに「1年以内の訪日を計画している」は、アジアで44%、オセアニアで28.7%と高い傾向を示した。
また日本観光の情報源は、「YouTubeなどの動画」が最も高くなっていた。次いで北米、ヨーロッパは、「自国の旅行サイト」アジア、オセアニアは「SNS」が重視されている様子が浮き彫りとなった。日本の旅行サイトやオフィシャルサイトでの情報発信だけでは不十分で、動画やSNSによるコンテンツ発信が不可欠だとしている。
サマリー
今回の調査により、次の点が明らかとなった。
◆越境ECにおける利用金額・頻度ともに高い。
⇒ 65%以上が「1万円以上」利用すると回答。また、52.1%以上が「⽉に1回以上」利用している。越境ECは、日常的な購買体験として定着している。
◆コロナウイルス感染症の拡大前に比べて、越境ECの利用回数が増え、利用頻度が高まっている。円安の影響も。
⇒半数以上が新型コロナウイルス感染症の拡大前に比べて、越境EC利用回数が増えていると答えている。また、47.7%が円安の影響を受け、利用頻度が増えたと回答。
◆購入の決め手となるのは「写真・説明文」。商品購入の際には「SNS」が最も参考とする情報源。
⇒「写真・説明文」を最も重視し、商品購入を行っている。日本の商品を購入する際の情報源におけるトップ3は「SNS」「検索エンジン」「日本の公式サイト」。
◆コロナウイルス感染症が収束し訪日できるようになっても、越境ECを利用したいという回答が8割を超えた。
⇒水際対策が緩和され、訪日客消費回復も視野に入ってきた現在。訪日しやすい環境下においても、越境EC利用をしたいとの回答が8割と高く、また約99%のリピート購入意向も。越境ECへのニーズが伸び続けていくことが期待できそうだ。
◆1年以内に日本を訪れる意向がある人は8割以上と高い。日本観光の情報源として、YouTubeなどの動画が最も多く挙げられる。
⇒訪日意向が8割以上と高いだけでなく、すでに1年以内の訪日を計画しているといった回答も。特に、アジアで44%、オセアニアで28.7%と訪日意欲が高い傾向。日本観光の情報は、YouTubeなどの動画で最もよく入手されている。
ZenGroupは、越境ECのトータル支援を通し、日本の企業が海外に進出する際のハードルを下げ、日本の商品を世界中の人々に届けてきた。コロナウイルス感染症が収束に向かう今、世界中の消費者に商品やサービスの販売(販路拡大)を実現するためには、変化する時流を掴み、更なる価値を創出することが必要だとしている。
そこで、実際に越境ECサービスはどのくらい利用されているのか、リアルな実態を知ると共に潜在的なニーズの検証を行い、より良い越境ECサービスの提供につなげるため、越境EC利用及び訪日意向調査に関する実態調査が実施された。
日本政府観光局(JNTO)によると2023年4月の訪日外客数は1,949,100人で、前年同月比+ 1296.7 %でした。2022年10月の入国緩和以降、訪日外客数は増加し続けている。新型コロナウイルス感染が拡大し、生活様式は大きく変貌した。
非接触、非対面が前提となり直接対面の機会が減少、ECの利用が急速に広まった。また、自宅にいながらにして世界中の様々な商品を購入することができる越境ECも注目を集め、消費者のニーズを満たす新たな手段として、大きな成長を遂げている。その上で今回の調査では、コロナ禍が収束に向かいつつある現在、海外の人々の訪日意向と日本での購買意欲の根強さ、そしてそれと深く結びついた越境EC利用のさらなる拡大が示唆されたと言えそうだ。